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レポート

京都府が仕掛けるお茶の祭典、2万人参加のソト茶会に見た「身近な茶会」を支えるツール

青空の下、一面に広がる芝生。ロの字型に組まれた特設バーカウンターの中では、お茶文化を伝える「アンバサダー」がお客様をもてなします。

4月頭に筆者が参加した、「お茶の京都博」のキックオフイベントの様子です。会場は、京都府南部の八幡市にある桜の名所「背割堤」。桂川、宇治川、木津川の三川が合流し淀川となる場所で、東に男山、西に天王山を望む絶好のロケーションで、お茶とお菓子を楽しみました。

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青空の下で大茶会

「お茶の京都博」は、京都府が中心となって推進するイベントで、2017年4月から1年間かけて様々なプログラムを提供します。そのオープニングを飾ったこのイベントは、2日間で2万人を動員。その目玉のプログラムが、芝生上の特設ブースで開催した「1万人の大茶会」でした。

参加者は抹茶や玉露、煎茶のチケットを購入し(300円〜800円)、「宇治茶BAR」と名付けられたブースで、お茶の入れ方や茶葉の説明を受けながらお茶をいただききます。対応するのは、京都府民から公募で選ばれた「プレミアムティーアンバサダー」。イベント開催に向けて宇治茶の歴史や文化を学んできただけあり、お点前も鮮やかです。

自然に囲まれ、おしゃれなスタンドでお茶体験

来場者は大人の男女が目立つ一方、外国からの来訪者も多数見られました。「宇治茶BAR」で同席した海外の方は、このイベントのために来日し、お茶を味わいに来たと言っていました。

自然に囲まれた環境が訪問者をリラックスさせ、同席した初対面の方とも、のんびりした空気で屈託のない会話を楽しみました。通常のお茶会ではなかなか体験できなさそうな、フランクな雰囲気です。

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プレミアムティーアンバサダーのお点前

茶会と言えば、形式的な茶室等での設えをイメージしがち。ですが、この茶会で使用された什器は、9mm角ほどのスチール材で組んだ高さ60cmほどの直方体の上に、長さ4mほどの木製の天板を渡したシンプルな構造です。スチールと木の組み合わせで、軽やかな印象。お客さんも正座することなく、イスに座って気軽なお茶を楽しみます。

今回のような大きな会場では、この什器4台をロの字型に組み合わせたものを1つのブースとしていました。例えば街なかで開催する場合には、什器1台だけでも十分機能します。ちょっとしたパブリックスペースで、お茶会体験ができそうです。

身近なお茶も味わう場所で特別に

「日常茶飯事」という表現があるように、お茶は日本人にとって身近な存在です。飲食店で無料で提供される一方で、茶室で嗜む高級なお茶があり、両極端な扱われ方をしています。

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茶室より気軽な茶会

このイベントは、日常的なお茶に価値を見出すと同時に、高級なお茶の敷居を下げることで「京都のお茶」のブランドを強化し、再発信していくことを狙っているようです。日常的に飲む何気ないお茶も、場所が変われば気分も変わり、特別な気分も味わえることを実感しました。

All Photos by Junich Atomiya

お茶の京都博

期間 2017年4月〜2018年3月
会場 京都府南部を中心とした各所
出展 お茶産業の振興や伝統文化継承、特産品紹介
プログラム プログラムによっては有料(詳しくはウェブサイトをご覧ください)
主催 お茶の京都DMO設立推進協議会(京都府と、京都府南部を中心とした12市町村)
運営 お茶の京都博実行委員会
ウェブサイト http://ochahaku.kyoto/

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