【ソトノバ・ピープル】手づくり感覚のウェブ媒体だからこその利点──UDCKディレクター 遠藤翼さん

「ソトノバはどんな人が、どんな動機でつくっているの?」

パブリックスペースに関心がある有志が集まって発信する、パブリックスペース特化型ウェブマガジン「ソトノバ」。2015年11月の正式オープン以来、200本を超える記事を配信してきました。1周年記念パーティーの開催に向けて、ソトノバを支えるメンバーにスポットを当てて紹介していきます。

2人目は遠藤翼さん。都市計画のコンサルタント会社から、公・民・学連携のまちづくり拠点「柏の葉アーバンデザインセンター」(UDCK)に転職して半年。業務では市民参加やエリアマネジメントに軸足を置きつつ、編集部の花見にはハンモックを持ち込み、休日にはスタンドアップパドル(SUP)持参で水辺に参じる遠藤さんの素顔に迫ります!

*     *     *

── 転職から半年経って、どうですか?

遠藤さん 面白いですね。なるべく現場に入り込んで、意思決定まで含めてできるようにと期待して転職したのですが、ある程度実現できています。

── ソトノバのライターデビューは転職前の今年2月でしたね。「池袋GREEN BLVD MARKET」のレポート、運営側ならではのツボを押さえた記事でした。

遠藤さん 池袋のプロジェクトは、前職の2年目から関わってきました。もともと住民参加や地域に根差したプロジェクトを得意とする会社なのですが、豊島区の木造密集地域を手掛けていた縁でコンペに参加して受注しました。そこで現・ソトノバ編集長の泉山さんと一緒に仕事をすることになったのが、ソトノバ参加への伏線になっています。

── 住民参加やまちづくりという分野には、いつごろから興味があったのですか?

遠藤さん 大学では建築を専攻していました。なぜ建築かと言うと、高校生の頃にスウェーデン出身の建築家、グンナール・アスプルンドが設計した「森の火葬場」という、世界遺産の指定も受けた公園のような墓地のプロジェクトを知ったのがきっかけですね。その設計思想がすごくいいなぁ、と。建築家は公共的な空間に対して思想を具現化できる職能なんだな、というのが面白くて。

── 建築というとスターアーキテクトのデザインに憧れて…というのが一般的なところ、初めからすごい角度で切り込んだものですね(笑)。

遠藤さん デザインも興味がない訳ではなかったのですが、より思想面が強い都市計画かな、という流れで研究室を選びました。研究テーマは漁村。徳島県の小さな漁村が連なっている地域で、漁村と漁港と漁協の関係を調査し、地域コミュニティと共有空間についての研究をしていました。海なし県の一つである栃木県の出身で、あまり水辺に恵まれずに育ってきたせいか、水辺と聞くと無条件に興奮するというビョーキにかかっておりまして(笑)。

「水辺萌え」の遠藤さんが取材を担当した、日本橋川高架下のプロジェクションマッピング社会実験

「水辺萌え」の遠藤さんが取材を担当した、日本橋川高架下のプロジェクションマッピング社会実験

プロジェクトのプロセスまで存分に踏み込んだ、岡崎・おとがわプロジェクトの取材記事も遠藤さんが担当しました。

プロジェクトのプロセスまで存分に踏み込んだ、岡崎・おとがわプロジェクトの取材記事も遠藤さんが担当しました。

市民活動の試金石としての「ソト」

── ソトノバでの活動を通して、本業にも影響しているな、と思うことはありますか。

遠藤さん 企画を担当する市民講座「UDCKまちづくりスクール」では、2016年度の前期に「みんなでつくるコモンスペース〜市民による街の屋外空間の活用方法〜」というテーマで開講しました。そうしたコンテンツづくりに、ソトノバで得られた人脈が生きる面はありますね。柏の葉のまちづくり団体として半公共空間を持っている以上は、もっと地域に開いていければいいな、と思っています。

そうした中で、ソトノバで扱う「パブリックスペースの活用」というのは、自分の中では副次的な位置付けです。地域の人たちがいかに街に関わっているのか、ということを見透かす場として、道路や公園、水辺があるような気がしています。市民参加やエリアマネジメント、住民自治といったジャンルにおける、一つの表現として「ソト」があるイメージです。

── 今後はどんな記事を書いていきたいですか?

遠藤さん やはり水辺活用の事例は、個人的な興味としても追求していきたいですね。その意味では、ソトノバのライターという立場は便利なんですよ。UDCKの名刺を出しても、なかなか活動の仕組みまでは話してもらえない。相手にしてみれば、何の関係があるの?という感じですからね。かと言って大手メディアだとちゃんと広報を通して…など逆に制約が出てくる。手づくりの手弁当で運営しているソトノバというメディアだからこそ、相手もリラックスして話すことができるし、自分もより深く知ることができるというメリットを感じています。

遠藤翼さん

ソトノバ・ピープルに会える、11/5の1周年記念パーティはこちら。
「1周年記念パーティ!ソトノバとパブリックスペースの1年を振り返る」ソトノバTABLE#10

Portraits by Tomoyuqui HIGUCHI

The following two tabs change content below.
樋口 トモユキ

樋口 トモユキ

ソトノバ副編集長/修士(建設工学, 都市工学) 建築専門誌の記者から転身、ドラマチックに合流する。愛知県名古屋市出身、東京都中野区東中野在住。東大まちづくり大学院1期生。人々が集まり営む都市というものに対する飽くなき好奇心を胸に、新たな発見を求めて夜な夜な街に繰り出す。キューバ渡航歴6回、東京都公認ストリートライブのライセンスを持つラテンパーカッショニスト。座右の銘は「君子豹変す」。