「続ける」から見えてきた空き地の挑戦。3年目を迎えたHELLO GARDENのリニューアルに込められた想い。

以前もソトノバでレポートさせていただいた西千葉の住宅街で、空き地を活用し新たな暮らしを提案するHELLO GARDENが、3年目を迎えた今年5月にリニューアルし、装い新たにスタートしたということで、月に1度開催している実験的ピクニック「HELLO TABLE」へ訪問してきました!
今回は、装い新たになったHELLO GARDENレポートとリニューアルに込められた思いをお伝えします!

ここにきたみんなが学び・考え・実践する。みんなの持ち寄りでつくる週末の遊び場

西千葉駅から歩いて5分ほど、そこまでは静かな住宅街に突如開かれた空間が広がるHELLO GARDEN。6月26日、梅雨の中休みで快晴だったこの日も、HELLO GARDENを通りがかる人たちに「あ、○○さん、こんにちは~」と声をかけ呼び寄せるのかわいい女の子2人、プロジェクトを手掛けるHARAPECO LAB.の西山芽衣さんと古田紗知子さんです。彼女たちの明るいあいさつでこの日の「HELLO TABLE」にも多くの人が集まります。

今回のリニューアルでは、これまでただの空き地だったこの土地を、野菜などを耕す「ガーデンエリア」と、人がたまる「フリースペース」とでゾーニングしました。なんとこの整地も地域の人から重機を借り、HARAPECO LAB.のおふたりと地域の人たちとでチャレンジしたのだとか。ガーデンエリアは「実験ガーデン」と称し、都市の中でも野菜を育てることができるのか新たな試みがスタートしています。地域の方により日々の手入れがなされている実験ガーデンは、みどりが育つこの季節、葉野菜やハーブなどが鮮やかに、もりもりと育っていました。

この日の『HELLO TABLE』は、持ち寄りでオープンサンドがふるまわれていました。地元のパン屋さん「dodo」のパンに、皆さんが持ち寄ったチーズやサラダなどの具材をのせるだけでなく、この実験ガーデンで育った野菜たちを収穫しサンドして食べるというなんていう一幕も。地産地消のサイクルがHELLO GARDENでは生まれています。その場でからし菜を収穫し、「からい!」なんて、まるで田舎でしかできないような体験も、HELLO GARDENでは可能にさせます。

ちなみに、屋外で食品を調理・販売する場合、保健所の営業許可がハードルになりますが、HELLO GARDENでは簡易的な届け出で済むよう、参加者での持ち寄りスタイルをとること、実験ガーデンで採れた野菜を使うこと、屋台という簡易的な施設で営業することなどの手法をとっています。

さらに「HELLO TABLE」では食べ物以外にも様々な「持ち寄り」を募集しています。この日は、地域の方によるギター演奏やオペラの持ち寄りが。ミニコンサートがはじまると、どこからか人が集まり多くの観客がHELLO GARDENからにじみ出し、向かいの公園まで広がっていました。
P1050564
P1050636

2年間の実験で見えてきた、創造的ハード整備 ~HELLO GARDENを支える8つのファニチャー~

今回のリニューアルにともない大きく変わったのが、HELLO GARDENの空間を作り出す8つのファニチャーです。設計は、西山さんの大学時代の同期でもある(un)ARCHITECTS 山形陽平氏によるもので、HELLO GARDENの2年間の取り組みを間近で見守ってきた一人でもあります。

当初、西山さんからオーダーされたのは1台の屋台だけでした。しかし、彼自身、一緒に活動をしていくなかで、全ての機能を1か所に集約するのではなく、機能を適切に分解していくことで、使い手の創造性をより高められるのではないかと考え、いきついたのが8つのファニチャーだったそうです。これこそ2年間の実験から見えてきた、HELLO GARDENに来た人自身が主体となり「実験」できるための支えとなるファニチャーなのです。

そんなファニチャーには、種類ごとにNO.001~NO.008の番号がふられています。これらの家具を設計した山形さんは「ここでの実験を重ねていくなかで、また必要だというものができたときNO.009以降も作っていけるようにという意味も込めてNO.001~と番号を付けた」とその思いをお話ししてくれました。

それではここで、それぞれ想いの込められたファニチャーを紹介します!

NO.001 柵×ベンチ

かわいらしいフォルムが印象的な白い柵。この日は、いろんな方向を向きベンチとして活躍していました。地域の人から防犯面からフェンスを設けてほしいとの声があったものの、地域で開かれた広場を目指すHELLO GARDENをフェンスで囲うのは得策ではないことから、この柵を提案したのだそうです。敷地の境界を緩やかに区切りながらも、時には人が腰かけコミュニケーションの場として機能します。
P1050573

NO.002 棚

この日は「日替わり本棚」と「how much SHOP」のディスプレイで使われていた棚。片側は有孔ボードが貼られており、フライヤーやおさんぽマップがかけられていました。組み合わせ次第で、空間を仕切ったり、囲ったりもできひとつの空き地でもあらゆる空間をつくることを可能にしてくれます。
P1050612

NO.003 タープ×スクリーン×ピクニックシート

快晴で日差しの強かったこの日、日よけとして大活躍だったのがこの巨大なタープです。この日は2本の足で布をつなぎタープとして機能していましたが、実はこれ1台で布を垂らすとスクリーンになったり、布を直接敷いて巨大なピクニックシートになったりと多機能な優れものなのです。
P1050614

NO.004 作業台

来た人がつい寄っていきたくなる「Hello」の看板が印象的な作業台。新たに始めた取り組み「小さな屋外喫茶」のカウンターとして活躍しています。サインやメニューが吊り下げられるフレームが付いているなどの工夫がありますが、「電車で出張できる家具」をコンセプトにした作業台は、工具を一切使わずに組み立て・分解ができるのだとか。ここでも有孔ボードが貼られており、ものを引っ掛けたりすることでコンパクトでありながら、十分な収納スペースを確保しています。
P1050603

NO.005 保冷ボックス

喫茶で欠かせないアイテムの一つがドリンクや氷を入れておくための保冷ボックス。ふたを開くと大きな保冷ボックスが入っており、電源がなくても氷の入った冷たいドリンク提供が可能です。一つまえに紹介した作業台と高さを揃えているとのことで、ふたを閉めると作業台にもなるという工夫もされています。
P1050566

NO.006 ガス調理台

もう一つ、喫茶で欠かせないアイテム、コンロを備えたガスの調理台。もちろん移動が可能かつ調理台をみんなで囲めるコンパクトさは、料理教室などにも活躍しそうです。さらに、聞いて見て納得、これも蓋をしめると演台やプロジェクター用の台としても使えるようなデザインの工夫がされていました。
P1050617

NO.007 テーブル

大人数のイベント、少人数でのミーティング、一人で読書などあらゆるシーンを想定しフレキシブルにレイアウトできるよう設計されたテーブル。組み合わせ次第であらゆる空間を作り出すことができます。たくさんの人が集まるこの日は、2つに繋げたテーブルを何か所かに分かれておいてありました。
P1050560

NO.008 サインボード

HELLO GARDENに来る人たちにイベントスケジュールなどの情報を発信するサインボード。HELLO GARDENと地域の人たちが最初に出会うこの場所を「まちとの接点」と考え、カバーには、親しみを持ってもらえるよう、人にとって身近な素材であるファブリックを使用したのだとか。
P1050602

小さな取り組みを重ね続けることで見えてくる新たな暮らしの提案

このように2年間、シンプル&ローコストな実験を重ね検証することで、ほんとうに必要なものだけを整備しブラッシュアップしてきたHELLO GARDENは、より地域にあった、より地域に愛される場所となっています。自らが使い手になることで、それぞれの豊かな暮らしを見つけ出し、そのいくつものレイヤーが重なることで、まちの魅力として少しずつ広がりを見せています。

そんなHELLO GARDENは、これまで週末のみのオープンでしたが、リニューアルにともない、平日も開放しミニコンテンツの提供もスタートしています。新たなステージに向けスタートしたHELLO GARDENのこれからが楽しみです!

<HELLO GARDEN>

所在地: 千葉県千葉市稲毛区みどり町1-18-8
営業時間: 10時から17時
定休日: 水・日曜日(ただし毎月第4日曜日はHELLO TABLE開催)
ホームページ Facebookページ

<Managed>
HARA-PECO LAB. 西山芽衣・古田紗智子

<furniture design>
(un)ARCHITECTS 山形陽平

世界のことばラボ

毎週月曜日
15:00-16:00

楽しく遊びながら外国語を学ぶ会。様々な国の出身の人たちがあつまり、カードゲームをしながらお互いの言語を学び合う。

参加費:500円(ワンドリンク付き)

対象年齢:中学生以上

家庭菜園ラボ

毎週火曜日
10:00-12:00

「野菜を育てる」ことに興味のある人たちが集まって、家庭菜園にまつわる、あらゆることについて情報交換や実験をする。

参加費:500円(ワンドリンク付き)

Magazine day

毎週木・金曜日
10:00-12:00

みんなの雑誌をシェアする会。それぞれが持っている雑誌を持ち寄って、みんなで回し読みしたら、毎月いろんな雑誌が読める!

参加費:ワンドリンク注文でお願いします。

HELLO TABLE

毎月第4日曜日
11:00-14:00

「楽しい時間をつくる」実験的ピクニック!

参加費:無料、出入り自由

all of photo by ShihonaARAI

The following two tabs change content below.
荒井 詩穂那

荒井 詩穂那

ソトノバ副編集長/(株)首都圏総合計画研究所研究員/NPO法人・ハマのトウダイパークキャラバン実行委員会メンバー  神奈川県横浜市出身。行動派。現場派。学生時代は、近代における東京・大阪・横浜の公園計画や小広場空間の採用について研究。現在は、都市計画コンサルタントとして働く傍ら、休みの日には地元横浜で、公園等の活用プロジェクトを実施。