2種類のパークレットで道路に合わせた賑わいを生み出していく! アデレードのパークレットの取り組み

最近、車道上の駐車スペースに歩行者のためのスペースをつくり出す取り組み、「パークレット」が日本でも注目を集め、日本にもパークレットを置きたいという機運が高まってきています。ソトノバでも、ソトノバTABLE#6で、パークレットを取り上げ、筆者もアデレードのパークレットを紹介させていただきました。

そんなオーストラリアの都市・アデレードでは、パークレットが設置され、買ってきたものを食べる人や、休憩する人、友達を待つ人など様々な人に利用され、まちなかの賑わいをつくり出しています。そこで今回は、アデレードのパークレットの取組みについて紹介したいと思います。

アデレードでは、現在6つのパークレットが設置されており、その全てがCityと呼ばれるアデレード中心地の北部、最も栄えているエリアに位置しています。6つのうち5つは市のプログラムによって設置されたもの、1つは州のプログラムによって設置されたものです。

お店ごとの個性を活かしたデザイン!まちにもお店にも良い効果をもたらす市のパークレットプログラム

アデレード市のパークレットプログラムでは、マニュアルが発行されており、申請者が市のプログラムに申し込みを行います。敷地選定の条件等はケースバイケースで対応され、設置済みの5つのパークレットのオーナー(申請者)はいずれもカフェやバーなどの飲食店で、サンフランシスコのプログラム等にとてもよく似ています。

市が行った調査を見てみると、アデレードのパークレットでは、店舗種類と利用時間帯のピーク、店舗種類と利用者グループの人数、利用者のタイプと設置家具の種類の3点に特徴があるのがわかります。

店が最も賑わう時間帯にパークレットも最も利用される。コーヒーが人気のカフェ前に設置されたパークレットでは、お店と同じく朝が最も利用される。(Cibo Waymouth Stree)(photo by Adelaide City Council http://www.adelaidecitycouncil.com/city-business/business-responsibilities/permits-licences-for-business/parklets/gallery-3/)

店が最も賑わう時間帯にパークレットも最も利用される。コーヒーが人気のカフェ前に設置されたパークレットでは、お店と同じく朝が最も利用される。(Cibo Waymouth Stree)(photo by Adelaide City Council http://www.adelaidecitycouncil.com/city-business/business-responsibilities/permits-licences-for-business/parklets/gallery-3/)

食事を楽しむレストラン前のパークレットでは、3人以上のグループ客の利用が最も多い。(The Historian Hotel)(photo by Adelaide City Council http://www.adelaidecitycouncil.com/city-business/business-responsibilities/permits-licences-for-business/parklets/gallery-3/)

食事を楽しむレストラン前のパークレットでは、3人以上のグループ客の利用が最も多い。(The Historian Hotel)(photo by Adelaide City Council http://www.adelaidecitycouncil.com/city-business/business-responsibilities/permits-licences-for-business/parklets/gallery-3/

営業後も利用者数が多いパークレットでは、可動の家具だけでなく、固定の家具も設置されている。(Food for Life)(photo by GRUMPY IN UNLEY https://grumpyinunley.wordpress.com/2014/08/01/parklets-plan-for-king-william-road/)

営業後も利用者数が多いパークレットでは、可動の家具だけでなく、固定の家具も設置されている。(Food for Life)(photo by GRUMPY IN UNLEY https://grumpyinunley.wordpress.com/2014/08/01/parklets-plan-for-king-william-road/

市の調査によると、パークレットが全体的に約10〜20%売り上げに貢献しているとのこと。店舗のロゴをパークレットのデザインに使うなど、各店舗の個性を持ったパークレットがまちにもお店にも良い効果をもたらしています。

また、パークレット上、車道上だけでなく、一体となった歩道と合わせて家具の利用まで計画しているのも市のパークレットの大きな特徴です。写真のように、より一体的な歩行者空間をつくり出しています。

パークレット上(黒い部分)と歩道上(白い部分)を使い、一体的な歩行者空間を作り出している。(Cibo Pirie Street)(photo by Adelaide City Council http://www.adelaidecitycouncil.com/city-business/business-responsibilities/permits-licences-for-business/parklets/gallery-3/)

パークレット上(黒い部分)と歩道上(白い部分)を使い、一体的な歩行者空間を作り出している。(Cibo Pirie Street)(photo by Adelaide City Council http://www.adelaidecitycouncil.com/city-business/business-responsibilities/permits-licences-for-business/parklets/gallery-3/

大きなパークレットで、通り全体の景観をつくり出す!州のパークレットプログラム

市のプログラムが他都市の申請方法とよく似ていたのに対し、州ではまち全体の計画の中に、パークレットが設置されているBank Streetという通りが位置付けられています。

州が主導で行っているこのプログラムでは、駐車スペース4〜5台分を利用する大きなパークレットが2つ、道路両側に設置され、コミュニティ道路のようなものをつくっています。

車道から歩行者を守るように壁などで囲うことが多いパークレットですが、このパークレットでは歩道・車道の両側から出入りできるようデザインされています。このデザインのおかげで、一方通行の狭い通りの中で、車、道を横断する人、休憩や飲食をする人がうまく共存しています。

大きなパークレットでコミュニティ道路のようなものを作っている。(photo by TAYLOR.CULLITY.LETHLEAN http://www.tcl.net.au/projects/urban-design/bank-street)

大きなパークレットでコミュニティ道路のようなものを作っている。(photo by TAYLOR.CULLITY.LETHLEAN http://www.tcl.net.au/projects/urban-design/bank-street

歩道・車道両側に設けられた出入り口のおかげで、自由に道路を横断できる。(photo by WORLD LANDSCAPE ARCHITECTURE http://worldlandscapearchitect.com/the-bank-street-parklet-project-adelaide-australia-taylor-cullity-lethlean/#.V2e9JSOLRhE)

歩道・車道両側に設けられた出入り口のおかげで、自由に道路を横断できる。(photo by WORLD LANDSCAPE ARCHITECTURE http://worldlandscapearchitect.com/the-bank-street-parklet-project-adelaide-australia-taylor-cullity-lethlean/#.V2e9JSOLRhE

同じデザインの2つのパークレットが道の景観も作り出す。(photo by WORLD LANDSCAPE ARCHITECTURE http://worldlandscapearchitect.com/the-bank-street-parklet-project-adelaide-australia-taylor-cullity-lethlean/#.V2e9JSOLRhE)

同じデザインの2つのパークレットが道の景観も作り出す。(photo by WORLD LANDSCAPE ARCHITECTURE http://worldlandscapearchitect.com/the-bank-street-parklet-project-adelaide-australia-taylor-cullity-lethlean/#.V2e9JSOLRhE

車のための空間を人のための空間へとうまく転用してくれるパークレットですが、制度の詳細やデザインには各都市の特徴が見られます。もし、自分のまちでパークレットが実現したら、どこに、どんなデザインのものが設置できるだろうか、どんなパークレットが「わたしたちのまち」らしいだろうか、どんな風にパークレットや公共空間を使いたいか、ぜひいろんな想像を膨らませてみてくださいね!

The following two tabs change content below.
渡邉 真理

渡邉 真理

名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻(在学中)。まちづくり活動に参加しながら、サンフランシスコ・ロサンゼルスのParkletの研究を行う。2015年に1年間オーストラリア、アデレードに留学。公共空間の利用やイベントを実際に体験、日本の公共空間創出に貢献したいと考える。