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【動画公開!】札幌での実践者に聞く、”プレイスメイキングがあるまちの特徴”とは

2022年8月30日から31日にかけて、一般社団法人ソトノバを母体とした日本のプレイスメイキング普及活動体であるPlacemaking JAPANのメンバーが、公民連携でプレイスメイキングを進めている札幌の視察ツアーを行い、その様子が「プレイスメイキングツアー in 札幌」としてソトノバYouTubeに公開されました!

札幌市はプレイスメイキングの様々なアクションが現在進行形で展開されている、注目すべきまちのひとつです。

今回の視察では、公共の道路や広場でまちづくりの活動を行っているエリアマネジメント団体のこだわりや工夫、大通公園で行われた実証実験を成功に導いた札幌市職員へのインタビュー、その大通公園での活動を行政ととも進めたプレイヤーの視点と気づきを取材しました。

動画では、ソトノバ理事でもあるPlacemaking JAPANの田村康一郎さんによるオープニング解説に始まり、視察の様子を4つのセッションに分けて、シリーズでお伝えします。

どの動画もプレイスメイキングには欠くことのできないコツやテクニック、そして考え方が満載です。ぜひみなさんのこれからの活動の参考にしてください!

オープニング解説:

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【Session1】いつもいつまでも賑わいのあるまちに。地域とともにまちをつくる|札幌駅前通まちづくり株式会社 内川亜紀さん

最初のセッションは札幌駅前通まちづくり株式会社(以下、「まち会社」) 内川亜紀さんへのインタビュー動画です。

まち会社は、札幌駅前通の地上と地下(札幌駅前通地下広場、通称:チ・カ・ホ)を魅力ある都心の「顔」として育て、継続的かつ恒常的ににぎわいある地域づくりを進めている事業体です。内川さんは、まち会社が設立された2010年秋から活動に携わっており、チ・カ・ホやアカプラ(札幌市北三条広場)の空間活用管理の担当をしていました。

元々、駅前通地区ってオフィス街で 賑わいがあるとは言われていなかった空間だったんですよね。ただ、駅を降りてすぐの目抜き通りではあるので、なんとか札幌にふさわしい街並みにして、そこを使ってもらいたい。だけど、駅前通だけでパブリックスペースを完結させても発展性がないと思うので、地下歩道をひとつの装置とみなして、都心部のいろいろなところに行っていただきたいという想いがあります。

と語る内川さんが目指す札幌の将来像とはどのようなものなのでしょうか?

まち会社がおこなう継続的で恒常的なプレイスメイキングの苦労やこだわり、工夫とともに語っていただきました。

【Session2】成功体験を積み上げて次につなげる、「この指止まれ」のまちづくり|札幌市まちづくり政策局 野上徹さん 佐藤大輔さん

次のセッションでは札幌市まちづくり政策局 野上徹さんと佐藤大輔さんへのインタビューをお届けします。

まちづくり政策局では、既存のエリマネ団体が管理しているエリアに加えて、その他の空間も活用しながら、エリア全体を俯瞰するようなプロジェクトを生み出す事業を推進しているそうです。

そのなかで、これまでの都心まちづくりプラットフォーム事業を踏まえ、2022年5月に「都心まちづくりプラットフォーム公共的空間活用会議」の組成に至りました。

公共的空間活用会議のような大きな組織を作ろうとした時に、関係者にあらかじめメリットや価値を示すのが、結構、難しかったです。しかし、社会実験の後は、やってみた後に「これがメリットだよ」と伝えていくのもひとつの方法なのかなと感じています。

また、メリットに関しては参加者によって違ってもいいのかな、とも思っています。ただ、それを「まちの価値」として統合していくためには、プレイスメイキングという手法を用いてそこの場の居心地がよくなるだとか、まちの魅力を生んでいるという部分に賛同してもらうことが大前提かな、と思っています。

市民生活に直接かかわる行政職員として、大きな政策提言や実施の優先順位が気になりながらも、まちづくりの課題解決の方法を模索している野上さんと佐藤さん。札幌で面白いことをやりたい人を「この指とまれ」方式で巻き込みながらプロジェクトを成功に導きました。

「説得してからやってみる」から「やりながら説得する」への発想の転換が求められている時代に、大通公園プレイスメイキング実証実験の意義や得られた知見と今後の課題を聞きました。

【Session3】札幌の底力をつくりたい人、全員集合!人出よりもつながり重視|札幌都⼼プレイスメイキング実⾏委員会 事務局長(当時)林匡宏さん

このセッションでは札幌都⼼プレイスメイキング実⾏委員会 事務局長 林匡宏さん(2023年現在:一般社団法人SAPPORO PLACEMAKING LABO代表理事)に話を聞きました。

林さんは、実⾏委員会事務局長(当時)のほか、札幌市の中心を流れる創成川の東側でエリアマネジメントを行う一般社団法人さっぽろ下町づくり社の代表でもあります。また、北海道江別市でのゲストハウスの運営や東京都渋谷区の公園整備アドバイザーなども務めています。

全国各地でまちづくりコーディネーターとしてまちのビジョンや将来像を描き、人や企業をつなぎながら地域課題の解決や新たな価値創造をおこなうマルチプレイヤーで、かつ、絵師でもあります。

地域でのつながりが生まれて、次のまた新しい発想につながっていくことで、札幌が魅力的になっていくといいんじゃないかなって。そこに、高校生や大学生が自分たちを表現できるような場所があると、むちゃくちゃ価値が上がるんじゃないかなと思っています。

プレスメイキング実証実験をきっかけに場所ができて、そこが若い人の学びの場になるんだなっていうのが、ここ数年やってて思っていることで、それが「まなびまくり社」という学校間連携プログラムにつながっています。

まなびまくり社では、ずっと都心部のプレイスメイキングの話はしていたので、この2つが合流してるっていう感じなんです。

地域の事業者や企業人だけではなく、これからを担う若い世代までも「つなぎまくり」な林さんが考える地域連携の理想形とは?

全国の地域が抱える課題に精通している林さんの理念や手法について、存分に話を聞くことができました。

【Session4】組織や制度はゴールじゃない。まだまだ続く、札幌のまちづくり|実践者とPlacemaking JAPANメンバーによる座談会

最後のセッションでは、今回、話を聞いた4名の実践者とPlacemaking JAPANメンバーによる座談会をお届けします。

市民の日常生活の場であり、まちとしての機能を中枢を担うエリアでのプレイスメイキングの大切さや大変さは札幌だけの課題ではありません。都市機能を維持しながら、違うこと、新しいことをおこなうときの心構えとは?

行政との連携、地域企業の巻き込み方は?プロジェクトの実行スキームづくりは?

実践を通して得た知見について4名の実践者が深く解説します。

実例から学ぶプレイスメイキング

今回の視察ツアーでは、札幌のプレイスメイキングについて官や民の様々な視点から多くのことを学ぶことができました。

恒常的で継続的なまちの賑わいを作り出しているエリマネ団体の工夫やそれを支える制度や仕組み、地元との協力や巻き込み方など、みなさんの活動でも参考になることがあったのではないでしょうか。札幌での取り組みが全国どこでも当てはまるわけではありませんが、今回インタビューに応じてくださった方々のようなマインドを持ってまちづくりを進めていくことは、とても大切なことだと感じました。

動画を見て少しでも感じることがあったならば、とても嬉しく思います。

※ 今回インタビューに応じてくださった方々の役職は、撮影当時のものです。

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