公共空間を遊び尽くそう!ピクニックのススメ

ソトノバではパブリックスペースに関する様々な紹介記事を掲載していますが、本記事ではパブリックスペースの「遊び手」という立場から、私たちの身近にある公共空間や公共性のポテンシャルを持っているような場所の可能性を広げるヒントを共有したいと思います。

ピクニックから公共空間を考えてみる

まず始めに「遊び手」という立場と言っている私自身の話を少しさせてください。私はプライベートな活動として京王線ピクニッククラブの代表を務めており、主に京王線沿線を軸にしながら、都内各所でピクニックを開催しています。

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ピクニック自体はいつでも誰でもできることですよね。わざわざピクニッククラブなどと団体を作って活動をしている理由は「都市空間を再定義したい」という小難しいポリシーを実践するためです。本来、公共空間は私たちの生活空間の一部であり自分の居場所として利用することができるはずなのですが、知らないうちにその使い方(遊び方)を規定されて公共空間で遊ぶ想像力が制限されてしまっているように感じたからです。そんな状況に対して、私たちは都市生活をより豊かに自由に過ごすためのアイディアを実践しながら拾い集めています。

さて、今回は京王線ピクニッククラブでの活動のなかで発見した気づきをいくつか伝えていきたいと思います。

ピクニックは公共空間を自分ゴトにする感覚を養う

今まで様々な場所でピクニックを行ってきました。公園はもちろんのこと、大学、カフェ、屋上など、公共空間だけでなく一定の公共性を有した空間もその可能性を発見するために対象としてきました。そのなかでピクニックという行為のユニークさを感じています。それはピクニックでは当たり前の「ラグを敷いて輪になる」という所作から現れます。

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たとえば公園に行ってラグを敷くとしたら、あなたはどの場所を選びますか?

その問いに答えようと思うと、公共の場所を一時的に自分の場所に変えるという意識が自ずと働くと思います。そして、実際にその場に座ってみると、そこが自分の場所に変わったことが感じられます。「公共空間」というと少し他人ゴトに聞こえがちですが、みんなの場所であり、あなたの場所でもあります。その当たり前の感覚を実際に感じることができるところにピクニックのユニークさがあると思っています。私たちはこの感覚をよく「リビングを持ち寄る」という言葉で表現をします。

「+α」のアイディアが公共空間を面白くする

この感覚を持ち始めると欲が出てきます。一時的ではありますが、その場所は外部のリビングルームになるわけですから、「映画を観たい」とか「音楽を聴きたい」とか生活にエッセンスを加えるように、ピクニックの場でも同じような気持ちが芽生えてきます。私たちは特にそういった「+α」に着目して、ただピクニックするだけではなく、その場所で過ごす時間をより良くするための何かを実験的に付け加えてきました。

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上の写真のようにプラレールを走らせてみたり、DJをしてみたり、映画を鑑賞してみたり、誕生日を祝ってみたり、と普通は家で楽しむようなことを積極的に外に持ち出しています。このように内で楽しむことと外で楽しむことの境界を少し曖昧にするだけでただの公共空間が少し特別な場所に変わります。

だからと言って、たとえば公園に映画を観るためのプロジェクターやちっちゃなフェスが開催できるような音響設備を整えろというわけではありません。もちろん、そんな公園があったら毎週末遊びに行きますが(笑)自分の居場所をより豊かなものにするという当たり前の欲求を公共空間で満たせるのか、そんな問いから生まれる「遊び手」の価値基準によってパブリックスペースの可能性を広げることができると信じています。

まずは、お好きな公園や広場にラグを敷いて、思い切りくつろいでみてください。

Let’s enjoy picnic!

 

all of photo by KEIO Picnic Club

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ヌノカワ ユウスケ
ESRIジャパン株式会社/京王線ピクニッククラブ主宰/修士(都市科学) 「都市空間をハックする」という言葉が好き。大学院にて、グラフィティの分布と都市要素の関係からグラフィティライターの行動特性を導き出す研究を行ってきた。現在は、研究で利用していた GIS ソフトウェア ベンダーにて働く傍ら、学生時代から続けているピクニッククラブにて新しい公共空間の使い方・遊び方を実践している。絶賛育児中。
ヌノカワ ユウスケ

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