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ミズベを楽しむノウハウがぎっしり!「ミズベスクール」開催レポート!

近年、河川などの水辺の公共空間の活用や社会実験が進められています。一方で、各地の水辺空間が具体的にどんなプロセスで実現しているのか気になっている方も多いはず。そんな疑問を解消し、活用のノウハウを学べる「ミズベスクール」が大阪の中之島公会堂開催されましたので、その内容をレポートします!

ミズベリングのノウハウがぎっちり詰まった3時間半!

「ミズベスクール」のテーマは「ミズベリングを始めよう」と思う方々と「既にミズベリングをやっている」という方々を繋ぐノウハウの共有です。筆者自身「ミズベリング」という言葉は聞いたことがありましたが、「どんな活動?」と思っていた一人でした。

今回のミズベスクールでは、各地のミズベリング事例が紹介されました。実施するにあたって、運営の楽しさや苦労といった過程、手法やノウハウ、そしてミズベリングが盛り上がりをみせている契機が登壇者から語られました。

登壇者であるアドバイザーは忽那裕樹氏・泉英明氏・田中尚人氏、事例紹介者は環境文化研究所の田中謙次氏・岡崎まち育てセンターりたの天野裕氏・わかやま水辺プロジェクトの岩本唯史氏・国土交通省の岩崎健氏という豪華面々!

この記事では、その中でも特に印象的だった「ミズベリングに参加したくなる仕掛けづくり」「水辺活用のこれまでの歩み」「フォロワーシップだからこそできること」のお話を紹介します。

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事例発表者のみなさん (photo by ミズベスクール)

目からウロコ!ミズベリングに参加したくなる仕掛けづくり

そもそも「ミズベリング」とは、「水辺+RING(輪)」「水辺+ING(進行形)」「水辺+R(リノベーション)」という複数の意味をもつ造語。「水辺を気軽に楽しんでほしい」そんな想いを込めて、あえてフランクな造語を使っているのです。ミズベリングプロジェクト・プロデューサーの岩本唯史さんはこう説明します。

エンタメスパイスという考え方をしています。まちづくりは専門家だけが手がける小難しいイメージが強いですが、そこにエンターテイメントというスパイスを加えることで誰もが参加したくなる雰囲気をつくっているのです。時には我々事務局はユニークなキャラクターを演じることもあります。そんなキャラクターが事例を紹介することで、聞き手は楽しみながら各地の独創性あふれる取組みを知ることができるのです。

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事例紹介のひとつ、川から大阪中心部を眺める光景を生み出した淀川アーバンキャンプ (photo by Junichi Atomiya)

徐々に開かれていったミズベ!水辺活用のこれまでの歩み

現在のミズベリングの盛り上がりは、国のスタンスが近年変化したことが大きな要因といえます。その転換点が、平成23年の地域活性化のための河川敷地占用に関する規制緩和です。これにより、これまでの国土交通省の「河川空間の活用は原則NG」という姿勢が緩和されることとなったのです。

その流れが一気に進み、現在は全国各地の国土交通省の窓口に相談すると「一緒に活用を考えましょう」という状況にまで変化しました。以前と比べると、ミズベリングを取り組むハードルはかなり下がったといえるでしょう。

平成15年頃までは、水辺という公共空間にカフェを設置するという取組みには公的な価値はないを言われていました。それがこの数年間で逆転し、当たり前のように公的価値があると言われるようになりました。現在は、水辺空間を活用する社会実験に公的な補助金が付くようになりました。最前線ではさらに踏み込んで、水辺のカフェをどうやって自走させるのかという議論にまで達しています。(岩本さん)

河川空間のオープン化について

河川空間のオープン化について(国土交通省河川局水政課 平成23年3月8日通知)

水辺活用はチーム戦!フォロワーシップだからこそできること

実際に水辺を活用するには、空間デザインや店舗運営、行政協議など、様々な専門の人達がチームとなって取り組む必要があります。その際に重要な考え方となるのがフォロワーシップ。従来は、チームを強く牽引するスーパーマンによるリーダーシップがプロジェクトの実現において求められてきましたが、それは一方で意見の偏りを生んでしまうため、公共空間活用という世界ではあまり好ましいこととはいえません。

むしろ、それぞれ異なる専門をもつチームメンバー同士が意見を言い合えるフォロワーシップの関係のほうが意見の偏りを防ぐことができ、一部の専門家のみではこれまで見逃していた課題を見つけることができるようになるのです。

また、ミズベリングのために地域で一から組織やネットワークを築くことは大変な労力がかかります。そうではなく、例えば自治会といった既存組織とフォロワーシップを築くことで、新たな人材の発掘や思いもよらない良い展開につなげることができるのです。

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ノウハウ紹介をされた登壇者のみなさん  (photo by ミズベスクール)

ミズベリングビジョンブックが次世代の水辺を切り開く!

上述の規制緩和によって、水辺空間は行政が管理する「パブリック」な場ではなく、パブリックマインドを持った市民が管理・活用できる「コモン」な空間となりました。その変化に市民はどう対応したらよいのか、今回のミズベスクールではその方法を学ぶことができたといえるでしょう。

また、ミズベスクールの最後に、160ページに及ぶ水辺活用ガイドブック『ミズベリングビジョンブック』が今年3月に公開されると発表されました。このビジョンブックは単なる事例紹介集ではなく、どんな立場で水辺を活用したいのか選択していくことで、自分に合った活用方法が見えてくるロールプレイング形式にまとめられているのが特徴とのこと。

ミズベスクールとミズベリングビジョンブック。この2つの強力なツールを使って、みなさんも自分のまちでミズベリングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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【イベント概要】
イベント名:ミズベスクール ~河川空間活用ノウハウを学ぶ~
日時: 平成30 年2 月1 日(木) 13:00~16:30(受付開始12:30~)
場所:大阪市中央公会堂 小集会室(大阪府大阪市北区中之島1丁目1)
参加条件:参加無料(河川活用を実践しているもしくは関心のある方)
定員数:120 名
主催:国土交通省 近畿地方整備局
事例紹介:ミズベリング越前若狭、ミズベリング乙川、わかやま水辺プロジェクト、淀川アーバンキャンプ
アドバイザー:忽那裕樹、泉英明、田中尚人
事例紹介者:一般社団法人環境文化研究所代表理事 田中謙次
      NPO法人岡崎まち育てセンター・りた事務局長 天野裕
      わかやま水辺プロジェクトプロデューサー 岩本唯史
      国土交通省 近畿地方整備局淀川河川事務所副所長 岩崎健
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