レポート

Reports

レポート

ソトノバ・ラジオ#07|向井隆昭さん 小田急電鉄 & 鈴木衣津子さん UDS|下北線路街空き地

ソトノバ・ラジオ#06を紹介します.

ソトノバ・ラジオ#07のゲストは,下北線路街空き地を手掛ける,小田急電鉄の向井隆昭さんと,UDSの鈴木衣津子さん.小田急線跡地開発の暫定活用である,下北線路街空き地は空き地の象徴の土管広場と,コンテナにお店の出店,マーケットなどのイベントなどが仕掛けられている.そんな暫定活用空き地の事例の取り組みや想いのほか,コロナ後のアクションにも迫りたいと思います.

パーソナリティは,ソトノバ共同代表の泉山塁威さん.

ラジオの様子は,YouTubeの「ソトノバ・チャンネル」Spotifyのポッドキャスト,この記事では書き起こしをお届けします.


YouTube:「ソトノバ・チャンネル」

以下は,書き起こしです.当日の様子をお伝えします.

泉山:
今日は7回目ということで、ゲストを招きしております。下北線路街空き地の、小田急電鉄の向井さんとUDSの鈴木さんです。おふたりとも、どうぞよろしくお願いします。まず自己紹介ということで行きたいと思うんですけれども、まずは向井さんから簡単な自己紹介をお願いします。

向井:
よろしくお願いします。私は小田急電鉄という会社に所属しておりまして、2013年に新卒入社しています。そこからずっと不動産開発に携わっておりまして、小田急沿線の経堂、あとは海老名ですとか、あとは座間駅周辺の開発に少し携わった後に、4.5年前から下北沢エリアの線路跡地の不動産開発業務について、まちづくりを考えて実行していくと、そんな仕事をしております。よろしくお願いいたします。

鈴木:
私はUDS株式会社というところで、小田急さんのグループ会社になるんですけれども、そちらで事業企画の仕事をしています。もともと新卒から10年弱ぐらい、商業施設の企画とかをしていたのですけども、その後UDSに入って、小田急さんの仕事をずっとさせていただいてたこともあって、今回も2017年ぐらいから、下北沢のプロジェクトをやらせていただき、向井さんたちと一緒に開発の仕事をしているところになります。よろしくお願いします。

泉山:
お願いします。今日は下北線路街空き地に関わっているおふたりということで、僕のパーソナリティのコーナーは、パブリックスペースの実践に関わる方の声を聞こうということで、特に今回のコロナや、本日から緊急事態宣言解除されました、東京も全国も。これからどんなことを考えていくのか、やっていくのか、ぜひお伺いできればと思っております。

まず下北線路街空き地について、知っている方も存知上げてない方もいるのかなと思いますので、ぜひ何かの写真などを使ってご紹介いただければと思うんですけれども。

向井:
ちょっと前提として、空き地なんですけども、下北線路街という開発の場所の一角になってます。これは、小田急線東北沢駅、下北沢駅、世田谷代田駅の3駅間、約1.7kmの鉄道の線路が2013年に地下化をされて、そこの地下化されて創出された上部を開発していくというプロジェクトを、「下北線路街」という名称をつけています。その中で、下北沢駅と東北沢駅の、丁度間から下北沢寄りぐらいのところの、赤い丸のところを「下北線路街空き地」というところで、こちらが場所になります。全体の下北線路街、かなりこの空き地のコンセプトに近しいですけども、この「BE YOU.シモキタらしく、ジブンらしく」ということで、我々の開発ではこの「であうを支援する」「まじわるを支援する」「うまれるを支援する」ということで、支援型開発という造語を作っていまして、何かこう新しくゼロから作り上げるってわけじゃなくて、既存の下北沢の良さを引き出していく、あるいは地域のプレイヤー方を支援していくと。我々が支援していくことによって、街を発展させていくというスタンスで、下北線路街の開発に取り組んでいます。で、今回空き地を作った経緯にもなるんですけども、全部は一気に開発はできないということで、段階的に開発をしていく中で、ずっと工事の仮囲いで立ち入り禁止にしていくのももったいないので、一部暫定利用をしながら、街に開放していくといったことをしていきたいというところと、あとは下北線路街というコンセプトを具現化・体現する場所をひとつ作りたいなという風に思っていて、こういったコンテナだったりとか、あとは土管、芝生広場っていうのを配置して、基本的にはレンタルスペースだったりとかをいちばん基本において、地元の方々が「やってみたい!」というものを使ってみたり、我々と地元の方々と一緒にこう作っていこうと。ある意味余白を持たせた場所にしていて、使い方も、空き地がどうなっていくのかも、皆さんと一緒にやって行くとか、そういうようなオープンスペースになっております。

下北線路街空き地レンタルスペース案内-compressed_ページ_02

泉山:
ありがとうございます。最近思うのは、表参道のコミューンとかもそうですし、開発の中で暫定利用っていうのは、この数年だいぶ増えたのかなと思うんですけども、この線路街空き地で暫定活用をやろうって、どういう話からなっていったのですかね?

向井:
そうですね、やっぱりこの下北沢エリアは、もともと線路が地下化するにあたって、複々線化事業という我々の事業があったのですけども、まあ長い間かなり工事をしていて、近隣の方もいつ工事が終わるのかとか、かなり入れない場所があったり、かなり不安や心配の声があって、本当はもっと前からやれればよかったのもあったのですけども、少なからず早く地域の方々が使える場所っていうのを、ある意味作り込み過ぎず、皆さんが屋外空間でうまく活用しながら、気持ちいい空間っていうのを提供したいなというところで、まず暫定利用という形で、まず早く開くという所を我々としては意識していました。

100630477_340368803614541_1201103461345656832_n (1)

泉山:
結構開発の時間が長かったり、いろんなスケジュールの中で仮囲いにしておくのではなくて、開いてということですよね。

鈴木:
この線路街が長くて、ブロックがいくつもあるので、2019年に一部は出来てたんですけど、まだ今後まだ2021年になってできるものとかもあったりするので、そういう徐々に出来てくるっていうところが楽しみでもあるものの、それ単体で出来てしまうとあまり意図も伝わっていかないかなというところもあるので、まず線路街で目指してるスタイルというか、場のあり方みたいなところを体感していただけるような場所になったらいいなというイメージをしていました。

泉山:
なるほど。実は僕住民で、結構通ったというか、利用させていただいてて、すごい特徴的だなあっていう風に僕が思ったのは、この布製の屋根というか、タープと、コンテナと、あとやっぱり土管かなというふうに思ってまして。どうやってこの線路街空き地のデザインというか、何を置こうとか、どうやって決まっていったんですか?

101615964_2670154156597151_5517708437510684672_n (1)

鈴木:
先程の「いろんな人がチャレンジできる場」っていうのを作ったらいいんじゃないかっていうところと、かといっての全てが誰かに貸すというスペースだと、管理も含めてなかなかこう、今日は行って何もできない日が生まれてしまってもという点で、基本的な機能はまず最初に考えようと言っていて、でも今常設の「空き地カフェ」というのがあるけれども、そこは直営の店舗という形でやってるのですが、その他にいろいろなスタイルでいろんな人がチャレンジできることで考えて、「空き地キッチン」っていうのは厨房スペースを備えて、そこを借りられるような、日替りカフェのような違うスペースにしていて、そんな機能があったら良いよねって決めたり。あとはやっぱり屋外スペースっていう所もあるので、下北沢って子供が遊べる公園が、羽根木公園まで行けば大きな公園があるのですけども、まちなかにあんまりないという声がもともとすごくありました。今回も緑道とかへの期待値とかいうところも、聞いていたところがあったので、子供が遊べるような場所にしたいなという点も、ひとつの企画のコンテンツとしてもともと考えていたこともあったので、こんなものがあったらいいよねというのをまず挙げて、ここにデザイナーさんに入っていただいて、建築はツバメアーキテクツさんに入って頂いて、ランドスケープをFOLKさんに入っていただいて、具現化していっていただいたということになります。

泉山:
なるほど。確かに下北沢って若者の街っていうイメージが強いですし、たくさん人が来てるのですけど、僕も住んでて分かりますが、すぐ周りは住宅街なんですよね。高齢の方もいるし、若い方もいらっしゃるということで。そこでやっぱり結構平日・日中は子供とかが多いですもんね。

鈴木:
心がけたのが、ターゲットを絞らないっていう、間口をすごく広くしようということにすごい心がけていて、なので逆に若いカップルが語り合ってても良いし、子供が遊んでいても良いし、お散歩でシニアの方がいらっしゃてても良いしっていうようなところが、それぞれに抵抗感なく使えるようなデザインの余白というか、関与性みたいなのを高めたいなというところは、一個一個選ぶときに基準にしながら。

泉山:
なんかそれってターゲットがないってことではなくて、いろんなゾーンで、ここはこんな人が使えるだろうみたいな、多世代の人がターゲットにされているという感じなんですかね。

鈴木:
そうですね。場所の使い方だったりとか、まあオープンの時間もそうかもしれないですし、あとは本当にデザインといっても色味だとか、そういったところも含めて、全体的に。泉山:あとはイベントの方だとどういったことかを行われているんですか?

下北線路街空き地レンタルスペース案内-compressed_ページ_06

鈴木:
イベントエリアというのが、このレンタルスペースBっていうのが出てるところなんですけど、まさにここは本当に空白で、普段は何もない、まっさらな空間なんですけど、芝生があってステージがあって、その奥が普段はこういったアスファルトのゾーンです。そこでマルシェを月1回ぐらい開催してきてました。ちょっと冬季のお休みとコロナで、やっとできるっていうタイミングでちょっと自粛せざるを得なくなってしまったけれども、こういった形を秋からやってきています。後は泉山さんお話頂いてますけど、ワークショップをやってトークイベントをやったりとか、音楽のライブをやったりとか、そういった色んなタイプのイベントを開催してきています。

100788359_1144964465859411_6864557035610963968_n (1)

泉山:
イベントは結構問い合わせとか、あるいは出店したいとか地域の方から来るのか、あるいは皆さんの方から仕掛けて、イベントを呼んでこようなど、どっちが多いですか?

鈴木:
基本的には仕掛けてるものが多いですけども、仕掛け方も単純に「空き地として主催しますよ」っていうだけではなくて。空き地をつくる時からそうですけど、地域のライブハウスさんと事前にお話させて頂いていて、今実は空き地でやっているライブとかは、地域のライブハウスさんが主催者になってやっていただいたり、あとは子供のイベントを「シモキタおやこのまちつどい市」というのを開催してるけれども、それも地域の子育て広場などを運営されている団体さんと、最初「空き地があってここで何かできないかな」とお声を頂いて、それを一緒に発展させていってイベントにつなげていったり。いくつかのパターンがあるんです。単純にデモンストレーション的にやったイベントはオープンイベントの時にあったですけど、それだけで終わらなくて、一緒に地域の方とつくっていくようなイベントだったり、地域の方が出店者になれるようなイベントをこちらで組んで、出展者として出ていただくというような形をとっています。

泉山:
なるほど。結構こういう広場とか空き地って、運営がすごい気になるところなんですけど、普段はどういう風な運営というか、例えばイベントのない時とか、どんな感じですか?

鈴木:
そうですね、普段は「空き地カフェ」が朝から夜まで運営してまして、今UDSのほうで運営させていただいます。レンタルキッチン、キッチンカーとかイベントの予約管理をしているので、予約が入ってる方は出ていただく感じなんです。空き地カフェの一緒にやってくれているスタッフが鍵の開け閉めとかをやりながら。段々、最初はもちろん立ちあって 皆さん慣れてくると、(キッチンカー)で来て、とめて、(自分たちで)出店を始めていただくという形になっています。

泉山:
僕はホームページとかインスタとか、広報とか、ブランディングがすごい上手いなあって思ってまして。最初の作り込みももちろんそうですけど、ランニング(運営)、インスタとかも特に。僕もやってて大変なんですけど(笑)、ただそのクオリティを維持しながら続けるというのは、それなりのスキルというか能力なのかなと。そういったのはどういった方がやってるんですか?

スクリーンショット 2020-06-04 9.02.53

鈴木:
インスタの方も弊社の方で運用させていただいてるですけど、コンセプトで「出店者さんをご紹介する」っていう役割もあるので、ちょっと「こんなシモキタの風景があるよ」っていうところとかを、伝えられるようにしたり。画像はいろんな出店者さんに頂いたりとか、自分達の撮影した空き地の風景とか、そういったものを使ったりですとか。あとBONUS TRACKはできましたけど、これから続々とまたほかの施設もできていくので、この空き地が発信源となって、下北線路街全体のことが伝わっていけば良いなというところで。そういう役割を担っていってます。

泉山:
あとあれですよね、入り口のところに植栽とか、ポコポコとたくさん緑があるかなと思うんですけど、なにか工夫もされてるんですか?

71234217_534516353974613_654196271631826944_n (1)

向井:
そうですね、植栽のところはですね、FOLKさんという方々に実際に入ってもらっていて、単なる植栽ではなくて、「その地域の方々が関われる植栽」という設計をしていて。 今この場所に愛着を持ってもらうところの観点からも、皆さんでその植栽について、例えば水やりをやったりですとか、育てていく。例えばそのEDIBLE GARDEN(食べられるお庭)じゃないですけど、育てたものを収穫をして食べてもいいよってなっています。実は空き地の中に果樹園を、実際芝生広場のところに作っていてですね。そこは本当に、柑橘系のなったものとかは、皆さん取ってって食べてもいいですし、ジュースにしてもいいよとなっています。あんまり知られてないところもあるですけど、そうやって触れられる植栽・食べられる植栽とかっていうので、地域により緑を身近に感じてもらいたいという意図から、そういう植栽をテーマにしたコミュニティづくりも、立ち上げをしています。

泉山:
食べられる植栽って、なかなか公共の場所、道路とかだと難しいですけど、そこを民間の敷地というか、民間がやっているからできるみたいなとこなんですかね。

向井:
そうですね、まあリスク的なものがゼロではないですけど、まあそこはやっぱり、面白さですとか、子供たちが触れられて、実際都心に住んでるとなかなかそういう体験できないと思うですけど、そんな感じてもらいたいという、我々のスタンスをしっかりと表現したいなというところなので、そういう仕組みも都市公園だったりとかも出来てくると、より良いパブリックスペースなってくるんじゃないかなというふうに思います。

泉山:
なるほど。そういった下北線路街空き地なんですけども、やっぱりこのコロナでここ数ヶ月自粛であるとか、いろいろ影響があったのかなって思いますが、コロナの時はどんな状況だったのでしょうか?

向井:
そうですね、結構ちょくちょく現地にも行くと、実際この外出自粛の中でどうなのかなと思ったのですが、やっぱり密閉空間には皆さん行かないですけど、下北線路街空き地は屋外空間なので、人が集まっていることも実際あったりしてですね。「これが結構密なんじゃないか」っていうふうに、我々としてもそこは心配をしつつも、ただそれをこう閉じるっていうのは、スタンスとしてもちょっと違うかなと思っていて。外出自粛の中でも、例えばちょっとした地元の散歩の中で、少し屋外空間の気持ち良い場所を通って、気分転換をしていただくとか、カフェでテイクアウトもできますので、自宅で食べていただくとか、空き地なりにできることっていうのが結構あるかな思っています。ソーシャルディスタンスとか、密を防止する注意喚起をしつつも、レンタルスペースは、イベントは全部中止していますけど。キッチンカーはテイクアウト推奨という形で、ある意味事業者さんの経済活動の場所もなくなってしまうので、応援したいという観点からも、キッチンカーのスペースとかは、引き続きやったりはしています。

泉山:
この緊急事態宣言中も、基本的には入れて、キッチンカーとかも来てたりはしてたんですか?

向井:
そうですね。カフェは短縮営業という形で、いつもよりは短くしてるんですけれども、基本的には場としては開いて、事業者さん応援と、テイクアウトを推奨していくということでやってます。今ホームページに「シモキタテイクアウト最新情報」っていう黄色いバナーがあるんですが、こういった取り組みをソフト的にも応援していきたいなというところで、下北線路街運営事務局の方では、テイクアウトできるシモキタエリアの飲食店さんたちが始めたデリバリーとかテイクアウトをまとめていけるプラットフォームを立ち上げまして、空き地のカフェも、ほかの地元の飲食店さん達をしっかり支援していくというところも、我々の強いスタンスとして持っているので、こういった取り組みも少しですけれども始めたりはしています。

泉山:
なるほど。先日札幌駅前通まちづくり会社さんにも出ていただいたんですけども、札幌でもテイクアウトマップをやられているという話で、面白かったのが、普段つながりがなかったけど、テイクアウトマップのプロジェクトでも飲食店さんとつながりが生まれるっていう話が面白かったかなと思って。それも下北線路街空き地の場合も一緒ですか?つながり生まれてますか?

鈴木:
そうですね。もともとカフェの企画とか運営で、地域の飲食店さんにもお手伝い頂いてるんですけども、そこからさらに飲食店さんの生の声を聞きながら、こういったサイトが あるといいねっていうところでやってまして。今はテイクアウト情報をまずいち早く届けるというところでやってるのですけれども、もし今後この1.7kmある線路街と、地域の飲食店さんで何か取り組みができないかなみたいなイメージを膨らませていく時にも、具体的に連絡先とかもやり取りさせていただいたところもあるので、お声がけをさせて頂ける、ネットワークとしても広がったかなという所もあります。具体的に何かアイデアが思いついたときに、ご相談できる相手が集まったというか。押し売りじゃなくって、本当に求めているものはなんだろうかってところを伺いしながら、一緒につくっていけるかもしれないですね。できればデリバリーとかもできるといいねみたいなことも話をしてまして、今もちろん空き地カフェも一部テイクアウトメニューとかもやってるので、できたらいいなと思ってるのですけど。上手く地域連携みたいなところにつながっていける可能性もあるんじゃないかなと思いつつ。まだ具体化できないですけど、予想に入れています。

泉山:
なるほど。やっぱりソーシャルディスタンスとか、距離をとろうっていう話があって、コロナになってから、普段利用されている方とか、行動の変化みたいなのって何かあったりするんですか、現場を見られてて?

鈴木:
そうですね、皆さんやっぱりコロナで自粛っていうことはしなきゃって思ってらっしゃって。まず一つは屋内で集まれないので、屋外でってところもあります。もうひとつは、テレビも今リモートでやってますけど、空き地で撮影しても撮影自体のリスクも軽減して、さらにそれをインターネットで配信するという形を取りたいというようなお声もきてまして、音楽のライブハウスの方からもお問い合わせがきたりですとか。あとはもともと空き地ってラジオ体操を有志でやってくださってた方がいらっしゃるんですけど、ラジオ体操協会も最初の頃はやはり自粛をしようということで、強制ではないけど方針を出されているということで、やはり一旦空き地のラジオ体操も中止にしてたんですけど、最近のZOOMで配信を、空き地から行って、ラジオ体操再開という形でやっています。

泉山:
空き地のリアルでラジオ体操するんだけど、それをオンラインで見れるということですね。

向井:
先生だけ空き地でやって、他の方はおうちで(笑)

泉山:
もし現場で参加したい人がいれば参加するみたいな感じ?

鈴木:
そうですね、これからは。今まではそれはなかなか難しかったのかなと思ってたのですけれども、これからは少しずつそういうことも可能になってくるのかなと。

泉山:
確かにこれだけオンライン化が急激に進むと、ハイブリッドになっていきますよね。パブリックスペースもいろいろ変わってきそうですね。

質問も来ているのでご紹介したいと思うんですが、「小田急さんが最近コミュニティ関係の事業をもろもろ積極的に広げていっているように見えて、気になっています。どういった変化があってこういった取り組みが加速したんでしょうか?」って質問が来ているんですが。僕も確かに10年くらい下北沢に関わっていて、やっぱり最近変わったなっていう印象はあるんですよね。お話できる範囲で何かあれば。

向井:
そうですね、個人的に考えられることとしては、やっぱり短期的な収益を目指す事業っていうところだけじゃなくて、やっぱりこの鉄道会社であるから、長期目線ですとか、やっぱりもう間接的なそのプラスってのが絶対あるよねっていうのは、多分前よりも論調としてはあって。かつビジネスが難しくなっているので、なかなかその不動産も簡単に作ればっていう話じゃなくて。考えなければいけないことが多くなっているので、そういうな風潮で。その中でもまちづくりって考えていくと、コミュニティという部分で、その地域の方々が主体的になっていく街がやっぱり良い街だよねっていうのは、中でも思っている人が少し増えてきて。その中で、我々のグループに入っているUDSさんがやっぱりコミュニティづくりというのが非常に上手いので、そういった我々と、UDSさんの方でも連携をして、今回のシモキタみたいにしっかりと事業を作っていくってことが出来始めてきているので、それが、小田急が最近そういうのが増えているところにはつながっているんじゃないかなというふうに思います。

泉山:
確かUDSさんがグループになったのも最近ですもんね。ここ何年かですよね。

向井:
やっぱり開発しても、具現化していく運営っていうのは、しっかりとこうスタンスを具現化していくことができないと、なかなか継続性ってないと思って、そういう面では非常にUDSさんの存在は大きいなと思います。

鈴木:
空き地も企画と設計が、設計はチームでやったんですけども、あと運営のところが、ひとつの想いでできてるというところが結構ポイントかなと思っていて。多分場所だけつくって終わりだと、なかなかそういう地域とのつながりにはならないかな。最初の開発全体の想いを受けて、どういう機能が必要かを考えたりとか、それだったらこういう運営が良いよっていうのを、実現することを見据えながら企画ができたのが良かったのかなと思います。まあかなり模索しまくってるんですけどね(笑)やり方も、我々もこういう施設は初めてで、一部行政の公園管理みたいなものはやっていたりするんですけど、また違うスキームではあります。それはかなり考えつつ、小田急さんに相談しながら、これならできるかなとか、試し試しやってます。

泉山:
下北線路街空き地を企画したり、あるいはやられてる中で、参考にした事例とかってあるんですか?国内・海外でも。

鈴木:
そうですね、園芸部の活動はハイラインとかやっぱり参考にして、その地域の市民がどう緑づくりに関わるのかとか。あとは意外とキッチンカーってビジネス街ではやってるけど、住宅地というかこういうところでやってる事例が少なかったりですとか、レンタルスペースのSHARE GREENさんとかは、屋外でやっているので参考にさせていただいたりとかはあるんですけど、やはりちょっと性格が違ったりもするので。ひとつひとつ。

向井:
あとはあれですね、ドラえもんの空き地ですね。

泉山:
もう現実というよりは漫画から。ドラえもんの空き地は何でですか?あれやっぱり凄い衝撃的だったんですけど。

向井:
はいはい。やっぱりですね、なんか空き地っていうと皆さんドラえもんの世界を思い浮かべる。なんかちょっと悪だくみというか、何かちょっとこう悪知恵が働いて、何かやってみようとか、でも考えようによっては何でもできちゃうみたいな、なんかああいうことって結構大事だなって思ってて。そういう意味を込めて、その時は企画を地元の方もやりたいみたいなことは「たくらむ」って言葉を採用して、そういうようなコピーでやってるっていうところですね。だから、土管を置いたら面白いんじゃないかっていうところは実際ありましたね。

泉山:
空き地の象徴として。土管広場といえば、僕は松山のみんなのひろばっていう、あれは土管一つだけで丘になってるみたいなんですけど、まさかそっくりそのままの土管を3つ置くっていうのは初めて見ました。

向井:
そうですね、土管は安全性大丈夫かっていうような議論もあったりとか。固定しましたけど、あれで60万ぐらいかかってるんですよね。

鈴木:
でも子供が遊ぶ場で、もともと土管とは別に何か遊具を考えたほうが良いのかとか、いろいろ検討してたんですけど、最後予算のこともあって土管だけにしようと割り切ったら、土管がやっぱり子供が、遊び方を規定されてないというか、そういう部分で逆にやっぱり土管だけにしてよかったねっていうふうになりました。

泉山:
あーなるほど、確か遊び方を自分で考えるっていう遊びになりますもんね。
時間も迫ってきてるんですけど、今日緊急事態宣言が解除されて、僕も個人的に気持ちが晴れやかになってるんですけれども、これから下北線路街空き地でやっていきたいこととかあるいはやってこうって思ってることをぜひ教えていただけますでしょうか。

向井:
では僕から少し簡単なんですけども、今回のコロナで屋外空間の価値というか、あり方ってもっといろいろと活動の幅って広がりそうだなとちょっと思っていて、せっかくなので、そういった屋外アクティビティのいろんな実験の場なので、これは我々の方で主催するっていうのもありますし、地元の方々からもこういうのあったら面白いんじゃないかみたいなのをどんどん吸い上げて行いけるような、そんなコミュニケーションを図っていて。まあそれがヨガなのかとか焚火なのか、アーバンキャンプとかたくさんあると思うんですけれども、そんなアクティビティを通じたコミュニティづくりみたいなのが、もう少しできてくると面白いかなと思っているので、そういった誘致だったり企画を、一緒に進めていきたいなというふうに思っています。

泉山:
コロナでまたパブリックスペースが変わりそうっていうのは、どういった所で変わりそうですか?

向井:
変わりそうというか、やっぱり密閉空間ではないので、しっかりとソーシャルディスタンスを保ちながらも、密閉空間じゃないからこそ、より安全安心でそこに行けるっていう考えは多少あるのかなと思っていて。そういう意味ではいろんなアクティビティがまたさらにできてくるんじゃないかなというふうに思っています。

鈴木:
皆さん在宅がこれからスタンダードになるのではっていう、働き方も変わってきてる中でいうと。下北沢ってお住まいになってる方の方が多いので、そういった場で、平日の昼間の使い方でいうと、空き地って我々もちょっと外でパソコン作業したりするのですけど、そんな使い方もできますし。なんかこう住むと遊ぶと働くというところが近づいてくるところで、空き地の使われ方もより多様なってくるのじゃないかという話をしています。

泉山:
確かに住宅街と商業地がミックスしてるような街だからこそのパブリックスペースのあり方っていうのがモロに、都心の商業地とはまた違う形ですよね。確かに今回密だとかって、屋内がやっぱりすごい不利になってきて、もともと屋外は天候で不利なんだけど。でもやっぱり屋外だからこそできるみたいな、なんかそんなところでどんどん価値が上がっていきそうですよね。
ありがとうございました。また明日以降、下北線路街空き地の活動も楽しみにしておりますので、また僕も行きたいと思います。ありがとうございました。

Photo by 下北線路街空き地
テキスト:冨岡久美子

Twitter

Facebook

note

0