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ストリーツ・フォー・キッズ 最先端のデザイン支援を受けられるプログラムが募集中!
ストリートを魅力的にしたい。でもどうすれば?
そんな思いをもっている皆さんにおすすめしたいプログラムのお知らせです。
世界のストリートデザインの知見を集約したGlobal Street Design Guide。ストリート活用に関心があれば、通称「青本」としてご存知の方もいらっしゃる方もいるかもしれません。
このガイドラインをまとめたのがアメリカの非営利団体National Association of City Transportation Officialsの一部であるGlobal Designing Cities Initiative (NACTO-GDCI)です。
今回NACTO-GDCIが全世界の都市を対象に、子どものためのストリートづくりに対する技術支援プログラムを展開するようです。英語でアナウンスされた募集要項の概要をお伝えします!
ストリーツ・フォー・キッズ・プログラムとは
ストリーツ・フォー・キッズ(SfK)・プログラムは、子どもたちが安全に学び、遊び、移動できるようなストリートデザインとガイドラインの開発を目指すもので、世界中からベストプラクティスを収集していきます。
2019年から2021年にかけて、NACTO-GDCIは対象都市の関係者と協働して、子どもたちのためのストリートのリデザインと実証プロジェクトの実施を行います。
以下がSfKプログラムの目標です。
・持続的なモビリティの選択を助け、子どもたちと保護者の福祉を増進するストリートデザインの実施を触媒する。
・子どもに焦点を当てたデザインガイドを提供する。
・トレーニングによって現地の能力を向上させ、安全で楽しくインスピレーションにあふれたストリート創出のための拡大版ツールキットを参加者に提供する。
・大規模な変化の可能性を感じさせる実証プロジェクトを支援する。
プログラムで何を受けられるのか
トレーニングとワークショップ
選定された8都市を対象に、NACTO-GDCIのスタッフが1日から2日のトレーニングをファシリテーションします。
Global Street Design Guideに基づいて参加者のニーズに合わせた内容になります。
30~60人の現地参加者を想定しており、参加者は受講後もスキル向上のウェビナー(オンラインセミナー)を受けることができます。
応募者には職員のプログラム参加時間を確保とNACTO-GDCIスタッフとの調整、ロジ支援が求められます。
技術支援
4つの都市はトレーニングに加えて、NACTO-GDCIスタッフによるデザイン支援や資金マッチングなどのより踏み込んだ支援の対象となります。
3回予定の訪問のうち、第1回では上記のトレーニングを行い、第2回と3回で現地チームと協働した実施プロジェクトのデザインおよびデータ収集を実施します。
以下がプロジェクトの条件となります。
・6~12か月のうちに実施可能であること
・NACTO-GDCIがプロジェクト実施のために提供する最大20,000ドル相当のマッチング資金が予算条件に合うこと
・将来的に恒久化ないし多くの場所に展開するポテンシャルがあること
・市のリーダーや住民に対して、ストリートを改善し、安全な場をつくる支援をしてもらえるよう影響を与える意図があること
応募条件は?
政府機関、自治体(ないしその部局、市長室)が対象となります。
非営利・非政府組織も自治体とのパートナーとして、あるいは自治体と何かしらの合意文書に基づいた上で、応募が奨励されています。
個人や民間セクターは応募対象となりませんが、応募のパートナーとして記載は可能です。
応募にはプロジェクトを実施する都市の特定と、地元行政の実施に対するコミットメントを示す必要があります。
また、応募者には一時的・恒久的実施に際して必要な許認可等についての知識も求められます。
応募者は全世界に開かれており、選定される12都市の地理的な分散も考慮されますが、低・中所得国の都市が優先されます。
応募方法
オンラインフォームでの応募になります。
応募者の都市政策を、特に道路安全の観点から記述することが求められます。
また任意項目として、行政やコミュニティの参加意思を示す書面や、どのようなことを達成したいかをまとめたショートビデオの提出も奨励されています。
応募締め切りは2019年2月26日午後5時(ニューヨーク時間)となっており、結果の通知は同4月に予定されています。
応募にあたっての記述事項
よくある質問
質問窓口 sfk@nacto.org
選定の基準は?
自治体のリーダーシップ、コミュニティの参加意思、子どものための道路安全の改善必要性、実施前後の効果測定をする能力、子どもとコミュニティを意味ある形で巻き込む意志などを示す必要があります。
また、次の条件が求められます。
適切な期間で短期ないし長期の介入が実施可能・達成可能なサイトがあること
重要な地元行政関係者および組織の参加意思と、長期のパートナーシップを形成する可能性を示すこと
現地組織と推進者の能力とリーダーシップを示すこと
資金の割り当てとして長期的なコミットメントを示すこと
物理的なインフラと政策を変えていくことに対する意欲を示すこと
最終候補者に対しては、インタビューなど他の要素を考慮する場合もあります。
選考に際しては、首長ないし意思決定機関(議会、評議会、部局など)の意志表明書が必要です。
国際的な知見を吸収し、モデルケースとして発信するチャンス!
応募プロセスはすべて英語で、公式文書の添付が求められるなど、ハードルがある内容となっています。
ですが、日本では広まっていないノウハウを吸収したり、これまで身近な関係者では実現が難しかったプロジェクトを進める契機としたりすることができるのではないでしょうか。
そして、世界でも先進的な事例をつくり、発信していける可能性があることが、NACTO-GDCIのプログラムに参加する大きな魅力だと思います。
アイデアお持ちの皆さまはぜひ応募をご検討ください!
Cover Photo by NACTO-GDCI