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ストリート|道路空間

「コロナ道路占用許可」アーカイブ|路上客席の実践に役立つ資料・質疑公開!

2020年6月5日,新型コロナウイルス感染症による緊急措置として,2020年11月30日まで,屋外客席やテイクアウト営業のための道路占用許可の取り扱いについて発表しました.国土交通省大臣が発表するなど注目度が高いです.

即日解説したソトノバ(主体手続き整理はこちら)では、緊急開催「コロナ道路占用許可」ーゼロから始める路上客席の実践ーソトノバTABLE#34を開催し,国土交通省の道路局企画専門官をゲストに招き,オンライン勉強会を開催しました.240名が全国から参加するなど,注目の会でした.

アーカイブ動画は,ソトノバ・コミュニティ会員に共有しています.ぜひご入会ください.

本記事では,当日説明された資料の公開と,後日,質疑回答について公開します.

質疑公開しました!説明資料の下をご覧ください.(2020.06.22UPDATE!!)


説明資料公開!

ご要望が多かったため,国土交通省道路局さん了承の上,当日の説明資料を公開します.

新型コロナウイルス感染症による道路占用許可の緊急措置について

国土交通省道路局路政課道路利用調整室
令和2年6月

資料:ISSUU

資料:PDF

資料画像一覧

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質疑公開!(2020.06.22UPDATE!!)

当日白熱した質疑応答.後日,国土交通省道路局・高橋潤さんに確認を経たので,質疑回答を公開します.

【ポイントの詳しい解説】

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Q.「暫定的な営業」は、飲食業だけではなく物販やテイクアウトなども含むか?

A.コロナ対策として「三密」を避けるために外で営業する必要がある場合等であれば、物品やテイクアウトも含まれる。

Q.テイクアウト、テラス営業のための「仮設施設」の設置はどの程度か?

A.1日中設置し続けるようなものではなく、決められた時間が過ぎたら片付けて、次の日再度設置してもらうことを想定している。

Q.仮設施設のサイズ感は?

A.個別の場所ごとに判断すべきことであり、一概にいえないが、道路の構造又は交通に著しい支障を及ぼさないものであれば許可して差し支えないと考える。

Q.施設付近の「清掃に協力できること」の詳細

A.テイクアウトやテラス営業は、お客さんの出したゴミなどで付近が汚れることがあるので、店舗を出した以上は、営業により生じるゴミを片付けて周辺の美化に協力する意思を示してもらうことが、許可を出す要件である。占用料の免除は、経済的に困窮する飲食店等を道路管理者として支援するための措置であるが、申請時に意思表示をしてもらったとおり、周辺の美化にご協力いただくことを条件とさせていただいている。

Q.清掃や美化に関しては、飲食店等だけではなく、占用主体が責任を持ってマネジメントすることが必要か。

A.そのとおり。占用主体の責任において、飲食店等による周辺の美化の徹底を指導していただくこととなる。

Q.交通量が多い、少ないといった判断は?

A.地域ごとの柔軟な判断を可能とするため、占用を検討している場所や時間ごとに個別に判断させていただく。

Q.沿道店舗前の道路に設置可能だが、2階以上の店舗や自分の店舗の前に場所が確保できない時は、占用の主体がエリアをまとめていくと思うが、場所に関して指南することはあるか?

A.地域の合意形成が必要なので占用主体が調整していただく必要がある。

【参加者からの質疑応答】

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Q. 幅員2mを確保できない商店街が多く、空き地や駐車場、駅前などへの、この措置は活用できるのか。

A.(泉)法的に道路なのかを行政に確認して相談しながらやっていく。道路であれば今回の緊急緩和の対象になるし、道路で無ければ、法規がまた変わるので、そこを行政と相談しながらやっていく。民有地であれば、土地の所有者と交渉できれば、もっと簡単にできるケースも多い。

Q.まちづくり団体が道路占用利用に至るまでの具体的なプロセスを知りたい

A.(高)まずは、地方公共団体と対話を始めてみてほしい。まちづくり協議会の中に自治体の関係者がいればそのまま占用主体になることができる。自治体の関係者がいない場合でも、書面で自治体が支援する旨の文書があれば、占用主体となることが可能。いずれにせよ、自治体には、コロナ対策や食品衛生、地域活性化などの観点から検討してもらう必要があるので、自治体とよく連携してもらいたい。

Q.部署はどこからが良いか

A.(高)自治体の事例でよく耳にするのは、産業振興部門や都市計画部門である。

Q.泉山さんからステップについてアドバイスあれば。

A.(泉)相談しやすい部署はそれぞれ違う。いきなり道路管理者に行くのはハードルが高い印象。商工や、企画や、都市など普段お付き合いがあるところへ。

Q.協議会の構成員は、オブザーバーの構成員でも占用主体になることができるのか

A.(高)オブザーバーとしての関わり方次第であるが、重要なのは、自治体にコロナ対策や食品衛生、地域活性化等の観点からしっかりアドバイスしてもらっていることである。

Q.まちづくり団体は、専門家がいなければ、寸法や法律などを自分達だけでは、しっかり理解するのが難しい部分がある。地方公共団体に相談する中で、様々なやりとりで応答して頂き、頼りながら進めていくということで良い?

A.良いと考える。

Q.飲食店が客席として使うことの注意点。今回の緩和について国土交通省さんと保健所とある程度の調整をされているのか。本制度により全国での具体的な活用予定の情報があれば。

A.(高)今回の特例措置について、国が果たすべき重要な役割は、現場のハードルとなっている規制を緩和することと考えた。具体的には、道路占用の許可基準が現場でのハードルとなっているものと考え、そこの規制緩和をスピード感を持って実施させていただいたもの。他方でテイクアウトやテラス営業に関する食品衛生上の観点については、国レベルの規制緩和は必ずしも必要ではなく、現場の工夫でやっていけるところもあるのではないかと考えていた。

ただ、実際の運用においては、保健所との連携が必要であるという声は自治体からも聞いている。地方公共団体の中でプロジェクトチームを作るなどして対応している事例もあると聞いているので、今後もご紹介すべき事例があった場合には、共有していきたいと考えている。

(泉)保健所は、許可ではなく、届出なので、そこは相談してもらいたい。

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Q.報道資料の「テイクアウトと保健所の関係」について、事前に協議されているのであれば、協議内容をお伺いしたいです。東京都の場合、テラス営業は保健所に屋外客席設置の許可が必要と理解しています。一方で、飲食店が店内で調理をした弁当等を路上で販売することは、行商等の許可が必要になるのではないでしょうか。

A.(高)別々に届け出が必要。

A.(泉)事例も参考いただければ。

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Q. 一時的な対応でなく、今後も継続する可能性があるのか知りたい

A.(高)12月以降の継続については決めていない。全国各地でこの制度を使ってもらいたいと考えているが、絶対に死亡事故等を起こさないようにしてほしいとも考えている。そのためには、安全面で手堅く、スモールスタートで少しずつ取組を拡大させていってほしいと考えている。いずれにせよ、安全面には十分気を付けて制度を活用してもらいたい。

Q.時間制限駐車区間に飲食店の客席としてパークレットのような使い方、設備の設置が可能かどうか。

A.(高)今回の緊急措置の対象とはしていない。

A(泉)パークレットは今後の課題。ポールや植栽を置き車の交通安全を確保した上でのワンレーンとめるのは可能性がある。社会実験の事例を踏まえて挑戦しても良い。

Q.ステップとしてどうすれば良い?

A.(泉)車道は時間や一時的な場所として車の交通を規制しないと歩道的な場所にならない。車の規制は交通安全や迂回路などの警察との調整がいる。

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Q. 警察との当該制度の必要性の認識共有はどの程度あるのでしょうか。

A.(高)警察と基本的な方向性は同じと考えている。今回の取組は、道路管理者の立場であっても、警察の立場であっても、思い切った取組であることに変わりはないが、何とか飲食店等を支援するための取組をという思いで打ち出したもの。国が通達を出したから、すぐに現場で運用できるかというと必ずしもそうではないと思うが、国レベルで通達を出したことの意味は大きいと考えている。現場においては、道路管理者や警察に思いを伝え、しっかり議論してもらいたい。

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Q. XX市の道路管理課は歩道幅や公共性、安全性の観点から躊躇しており、その一方では地元の事業者さんは大いに期待をしており、その不安要素を取り除くようなことを教えていただけたらと思ってます。

A.(高)国が通達を出したから、すぐに現場で運用できるかというと必ずしもそうではないと思うが、国レベルで通達を出したことの意味は大きいと考えている。過去の事故の発生状況など、単なる通達の適否だけで結論が出せるわけではないと思うので、現場において、よく議論してもらいたい。その際、飲食店だけで検討するのは難しいので、地方公共団体や関係団体が積極的にサポートしてもらいたいと考えている。

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Q.スモールスタートするときのコツ

A.(泉)現場で協議するのが大事。2mや3.5mの話も、現場で測ったり、いすやテーブルを置いて確認するのが一番早い。それを書類にまとめて話をした方が良い。席数もなるべく少なく、始めは2席だけとか置いてみて実験してみるなど。死亡事故等が一番懸念されるので、小さい実験でやってみて、問題なければどんどん増やしていく。

A(高)関係者で合意できない時は、規模が小さくても安全面で手堅いところから、まずはスタートさせて課題を検証してほしい。そこで大丈夫であれば徐々に拡大していく。こうしたやり方で段階的に進めていくとうまくいく可能性が高いのではないかと考えている。

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Q.キッチンカーや移動販売などの店舗を持っていない人たちも緊急緩和の対象になるのか?

A.(高) 占用主体となる団体に話を通していることが前提となるが、地域の実情に合わせてケースバイケースで判断すべきことなので、個別に道路管理者に確認していただきたい。

A(泉)地域外のお店が入るケースでは、地域のお店との合意形成が必要。

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Q.若い飲食店やイベント主催者など今一番切迫している人たちを考えると、自治体の方の年齢層やスピード感では交渉するだけで時間がかかりすぎて動かないケースが多々出るのでは。うまくスムーズにするには?

A.(泉)1店舗だけではなく、どれだけの店舗が望んでいるかを店舗リストで視覚化するのが大事。周りでサポートしてくれる人を見つける。

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Q.施策の効果の評価方法、本格運用する時に大事なこと

A.(高)現段階で、評価方法は考えていないが、例えば、飲食店等へのアンケートから取組の効果を検証したり、事故などのトラブルはなかったか、自治体から聴取するやり方があるのではないかと思う。

A(泉)交通量調査もだが、写真で記録していくのは大事。人の流れがどう変わるのかなど、行政や占用主体が調査をカバーするのが大事。

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Q. 経済的視点のみならず、「空間・活動・イメージ」を大切にしてきたこれまでのパブリックスペース利活用の流れに沿った施策にしたいと考えている。

A.(泉)今までは集客などが効果検証だったが、滞留時間やアクティビティを図って行くことが大事。

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Q. 複数店舗が連続的に立地している場合、店舗に並行して共用の長テーブルを出すことは可能なのか。また、その場合、テーブルをはさんで店舗側席と道路側席を設けることは可能か。

A.(高)地域できちんと合意が形成され、歩行空間の安全が確保されていれば、基本的には問題ないと考える。

A(泉)1階の店舗がやりやすく2階以上の店舗はやりづらいが、共有テーブルがあれば2階以上の店舗と協力してやれると良いと思う。

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