レポート
これからのパブリックスペースを考える!ソトノバ・コミュニティ体験会2023開催
ソトノバは、ソトやパブリックスペースに関心のある人とつながり、交流し、一緒に活動するためのコミュニティプラットフォームとして「ソトノバ・コミュニティ」を2019年から運営しています。
ソトノバ・コミュニティをもっとよく知りたい方を対象に「ソトノバ・コミュニティ体験会2023」を2023年5月17日に対面・オンラインのハイブリットにて開催しました。
ソトノバ・コミュニティ体験会では、社会人として働きながらソトノバ・コミュニティメンバーとして活躍する中野竜さん(ランディクト)、田中裕之さん(株式会社建設技術研究所)、小林みなみさん(株式会社フジタ)が登壇し、各々の活動紹介、参加者と登壇者でワークショップを実施しました。
筆者は、ソトノバ・コミュニティ体験会の主催者兼コーディネーターとして参加していました。当記事では、当日の様子を主催者の視点からレポートします。
Cover Photo by Koichiro TAMURA
Contents
ソトノバコミュニティ体験会開催!
開催にあたり、当会のコーディネーターの筆者から、ソトノバの活動内容、ソトノバ・コミュニティの概要を説明しました。
ソトノバがこれまで活動してきたメディア、プロジェクト、ラボ、クラブ活動、アワードなどを事例を交えながら、紹介しました。また、ソトノバが多種多様な職業の方々が交流する場として、ソトノバ・コミュニティの枠組みや内容を説明しました。
ソトノバ・コミュニティが気になる方は、こちらをご覧ください。
ソトノバ・コミュニティの活動内容を真剣に聞いていただきました Photo by Chihiro HASEGAWAこの日は、「ソトノバ・コミュニティ」で熱心に活動されている登壇者3名を招待し、それぞれの活動や想いを語っていただきました。
ソトノバからのインプットを語るゲストトーク
ゲストトークでは、当日ゲストの田中さん、小林さん、中野さんから会社や研究等の活動内容、ソトノバでの活動内容を語っていただき、様々なお話を聞くことができました。
まずは、田中さんからゲストトークが始まりました。
田中さんは、建設コンサルタントの社員として、都市計画や交通計画等の広域的な計画から、公共空間活用等のスポット的な計画・検討と、幅広いまちづくり業務に従事しています。
一方、ソトノバでの活動では、仕事と関わりのある分野の記事の執筆することによって、日頃、業務的な観点から見る都市や地域とは違った視点で、より細やかな地域の実情やトレンドを見ることができると話していました。
田中さんが考える理想的な技術者を目指す上で、ソトノバでの情報収集や記事執筆は、欠かせないものとなっている印象でした。
自身の仕事やソトノバの活動について丁寧に整理しながら話す田中さん Photo by Chihiro HASEGAWA次に、小林さんのゲストトークです。2022年まで大学生だった小林さんは、ソトノバ・インターンとして積極的にソトノバに関わり、学生では習得できなかったスキルやノウハウ、経験を習得できたと話していました。
また、ソトノバにはまちづくりに携わる様々な社会人の方がいることから、イベント等をきっかけに、貴重な繋がりもできたといいます。
社会人になっても、社外活動の一環でソトノバに関わり続ける積極的な姿勢は、自分自身も見習いたいと思ってしまいます。
参加者とコミュニケーションをとりながら話す小林さん Photo by Chihiro HASEGAWA最後に、中野さんのゲストトークです。
中野さんは、造園設計、遊具メーカーなどのキャリアを経て、ソトノバでは、主に編集部として、ライターとの意見交換、入稿記事のブラッシュアップなどを行っています。
また、自らの仕事としては、これまでの経験を活かしたプロダクト提案やDIO(Do It Ourselves)によるコミュニティづくりをライフワークとしているようです。
さらに、若い世代の育成、プロダクト開発によるまちづくりの後方支援をやっていきたいとまとめていました。
中野さんの様々なキャリアの中でもソトノバでの活動は、異なる世代とのコミュニケーションの場として、自身の仕事・活動に欠かせないものになっていると感じました。
中野さんの興味深いキャリアに聞き入る参加者 Photo by Chihiro HASEGAWAパブリックスペースの未来を語るワークショップ
ゲストトークの後に、参加者との意見交換の機会としてワークショップを実施しました。
参加者・登壇者が班ごとに同じ机を囲み、「ソトノバやパブリックスペースの未来」をテーマに各々の立場から意見を出し、取りまとめました。
初めてソトノバに来られた方々、ソトノバ・コミュニティになかなか参加できていない方が体験会に参加しており、その職種も行政、コンサルタント、学生など多岐に及びました。
対面とオンラインを用いて、参加者及び登壇者が3班に分かれ、各々自己紹介をしたのち、テーマに沿って意見交換、議論しました。各班で議論した結果は、全体に共有され、ソトノバやパブリックスペースの未来やみなさんの関心ごとが明らかになりました。
登壇者が中心となり参加者とのディスカッション Photo by Takuma OBARAまずは、田中さんがファシリテータを務めた班(会場班)より発表です。
これからのパブリックスペースは、愛着、活動・調査の継続性、多様な世代が利用しやすいデザインの必要性があると話していました。
そのような議論の中で、どうしたらそのような空間をつくることができるかについて話しました。その中でも、「小さい公園」のように集まりやすく参加しやすい場や空間がよいという意見が印象的でした。
次に、小林さんがファシリテータを務めた班(会場班)より発表です。
パブリックスペースの印象を聞いた際に、公園、道路のような公共空間のみならず、公開空地、民地と公有地の境目にパブリックな印象を感じるといった意見もあり、その境界が曖昧であると感じました。
また、パブリックスペースの課題意識としては、場所によって空間への入りづらさがあると指摘がありました。一方で、最近のパブリックスペースは、多様な世代が集まることができる取り組みやデザインが多く見られ、潜在的なコミュニケーションの場になっていると話していました。
最後に、中野さんがファシリテータを務めた班(オンライン班)より発表です。
オンラインでの参加者は、遠隔地(地方都市)の参加者が多く、遠隔地でも得られるソトノバ参画の利点を話しました。
議論の中では、ソトノバのプラットフォーム自体に参加できると意見があり、Slack上でのコミュニケーションに利点があると話していました。さらに、様々な知見を持つ方々が集まるため、多様なプロジェクトに対してアイデアが集まることが特徴であると話していました。
3班それぞれ、短い時間の中で様々な意見や課題が出され、筆者もパブリックスペースを取り巻く議論を継続していく必要があると感じました。
ソトノバの気になることを質問!
体験会の中では、参加者からソトノバに対する様々な質問がありましたので、抜粋して紹介します。
Q:他のトークイベントや勉強会でも知識は身につけられるとおもうが、ソトノバならではのものはありますか?
田中さん:
ライターなので、書くことによって自分自身のインプットになることが多く、書いた後も専門の方々から感想をいただけることが自分にとって大きいと感じています。
小林さん:
ソトノバ・コミュニティに参加されている方々は、学生や社会人など立場が異なり、専門としている分野も異なることから、新しい発見にも繋がる点が面白いと感じています。
Q:本業の仕事もあると思いますが、どのようにソトノバの執筆活動を両立していますか?
田中さん:
基本的に就業時間外で活動はしています。その中で、本業に活用できることが得られることも多々あるため、勉強の一環としてやっています。
小原(本稿筆者):
自分は、移動が多い仕事だったので、移動中などの空いている時間で気軽に書いています。
Q:社会人で知見や人脈は十分に持っていると感じていますが、ソトノバに参加するとさらに広がりますでしょうか?
田中さん:
仕事では、同じコンサルタントや学識者との関わりが多いが、ソトノバで他業界の方と関わる機会があります。
たくさんの質問に経験談も交えながら、回答する登壇者の皆さん Photo by Chihiro HASEGAWA中野さん:
他業界の知り合いは確実に増えます。名刺交換による人脈とは違い、テーマ性のある交流なので相談などがしやすい人脈が増えていく印象です。
ソトノバ・コミュニティ体験会を終えて
ソトノバ・コミュニティに興味を持った方々が集まり、様々な話題とともに議論・意見交換をすることができました。体験会後には、会場を居酒屋へ移し、お酒を飲みながら互いの活動について意見交換する様子にソトノバ・コミュニティらしさを改めて感じました。
複数の体験会参加者の方から、ソトノバ・コミュニティに入ってみたいと申し出があり、現在、ライタークラスやウォーカブルノバに積極的に参加しています。
今後も、ソトやパブリックスペースの様々な情報とともに、ソトノバ・コミュニティの活動の様子を配信していきます!