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ソトノバ・ラジオ#12 | 森口拓也さん|Mellow

ソトノバ・ラジオ#12を紹介します。

ソトノバ・ラジオ#11のゲストは、Mellowの森口拓也さん。Mellowは、日本最大級のモビリティビジネス・プラットフォームとして、キッチンカーとオープンスペースをマッチングしています。コロナの自粛期間には住宅街に、緊急事態宣言解除後にはオフィス街のオープンスペース向けにもサービスを開始。次々と素早くサービスやプロジェクトを仕掛けている、新しいパブリックスペースのスタートアップ企業に迫ります。

パーソナリティは、 ソトノバ共同代表の泉山塁威 さん 。

ラジオの様子は、YouTubeの「ソトノバ・チャンネル」でもご覧になれます。この記事では書き起こしをお届けします。


YouTube:「ソトノバ・チャンネル」

以下は、書き起こしです。当日の様子をお伝えします。

泉山:
本日のゲストはMellowの森口さんにお越し来て頂いております。森口さんどうぞ宜しくお願いいたします。

森口:
よろしくお願いします、森口です。

泉山:
Mellowさんの取り組みとかですね、どういったことやってるのかってことをちょっと今日迫れたらなーっていうふうに思うんですけれども。まずは森口さんの方から自己紹介お願いできますでしょうか。

森口:
株式会社Mellowの共同代表をやっております、森口と申します。
Mellowが何やってるかというとですね、フードトラックとかキッチンカーとか呼ばれているような移動販売車ですね。最近だと結構モビリティサービスとかMasSとかそういうモビリティ領域でビジネスをやらせて頂いていて。
今オフィス街とあとタワマンですね。下に空地があるんですよね。駐車場にもなってないし、何にも使われていないビル下にぽっかりあいた空地っていうところをマッチングしてますと。「フードトラックと空地のマッチング」っていうところをビジネスの中心としてやらせていただいております。それやると何がいいかっていうと、フードトラックがお昼時になると、勤めてるオフィスビルの下ないしは、在宅勤務してるタワマンの下まで、出来立てのテイクアウトができるお店が動いてやってきます、っていうところで、新しいテイクアウトの業態の飲食店ビジネスで、かつ飲食店が移動するっていうところでビジネスを展開させていただいているっていうところで。そこで代表をやらせていただいております。

泉山:
そうすると、キッチンカーっていうのは結構これまでもあったのかなっていう風に思うんですけれども、そこに公開空地とかオープンスペースとキッチンカーをマッチングするってところがMellowさんの新しい所って感じなんですかね。

森口:
キッチンカー自体、フードトラック自体はかなり昔からあったんですけど、やっぱり個人事業主の方が多くて。個人の方々が自分で出れる場所を探して、交渉して、出て、っていう感じのビジネスフィールドだったところに、プラットフォーマーとして今うちは800台以上フードトラックと提携してるんですけど、そこで800台束ねて大手の不動産の方と交渉して。
で、大きいビルの下の空地って、やっぱりでっかいビルつくってる会社ってだいたい大企業じゃないですか。そこに個人のフードトラックの方が行ってもなかなか稟議も通らないっていうところがもともとあったので、そこにプラットフォーマーとしてちゃんと間に入ることによってちゃんと信用力をしっかり担保するっていうところと。
あとは同じ場所に同じトラックが出ていると売上下がってっちゃうんで、スケジュールを組んで月曜日から金曜日まで毎日違うあの料理ができますよっていう、顧客価値をさらに押し上げるみたいな動きをしていたりだったりだとか。結構ITに強みのある会社なので、アプリを通じてお客さん側に、どこにどんなフードが来てるかっていうところをしっかりアプリ上で見れるようにしていたりだったりだとか。そういう様々な付加価値っていうところを付け加えて、業界をアップデートしていってるっていうところをやっている次第です。

泉山:
じゃあちょっと画像とかでお願いしますか。

radio12-1Mellowのビジネスモデル

森口:
こんな感じのビジネスモデルでやらせていただいて。空きスペースとフードトラックマッチングするっていうところは先ほど説明した通りなんですけど。そこでご飯を売るわけですよね、フードトラックの事業者の方々が。そうするとその場で食の良い体験が生まれて、場所がまず賑わうんで、賑わいができるとやっぱり場所の持ち主の方としてはまずここでプラスがあると。
さらにここの家賃が固定費、「1回出たら5000円だよ」みたいな形とか「1ヶ月10万だよ」みたいな形で取ってるわけではなくて、実際にここの場所で上がった売り上げの15%をロイヤリティーとしていただいて。うちの1/3ですね、なので現場の売り上げの5%っていうところを場所の持ち主の方に還元するっていう形で。全部ロイヤリティみたいな形でやっているので、コロナが来てオフィスから人が全然居なくなっちゃって売上が下がったってなるとそれに連動して賃料も下がるっていうところで。そこで3者が一心同体になるようなビジネスモデルでやっているっていうところも、特徴のひとつになっています。

泉山:
これ読み方はトランチでよろしいんですか。TLUNCHっていうのがサービス名ですね。

森口:
はい、トラックランチでTLUNCH(トランチ)です。
(※ラジオ放送後の2020年6月19日に、「SHOP STOP」へとコンセプトをアップデート)

泉山:
ロイヤリティーで結局売り上げがなければみんな貰えないという事で、みんな必死になってというか、みんな頑張って高めようという、そういうような仕組みですね。

森口:
ここが「ビルのテナントを貸してください」で「売り上げと連動します」ってなるとビルの持ち主の方もリスクを感じられると思うんですけど。公開空地の最たる例だと思うんですけど、それ以外にもポカンと車1台分置ける場所が空いていて、使ってなかったみたいな、もともと賃料の設定してなかったみたいな、そういう空地にフードトラックを使って活用しているっていうところがあるので。もともとゼロだったところがプラスになっていくっていうところを、コンセプトとしてやらせていただきます。

泉山:
売り上げの管理というか、例えばフードトラックの方が幾ら売り上げました、みたいな管理はどうやってやるんですか。

森口:
ここはまだ現金商売は結構多くてですね、まだ現金ってところが売上の殆どを占めているという感じにはなっています。ただ売上の管理が、ちょっと細かい話になりすぎちゃうんですけど、結構複雑で。普通お店って1箇所にあるじゃないですか。で動かないんで、PARCOさんとかららぽーとさんとかって基本的に入ってるお店のやつを毎日売上管理していけばいいと思うんですけど。移動店舗プラットフォームにしようと考えると、「今日はこのお店あそこでいくら売り上げた」「明日はまた別の場所で売り上げた」みたいな感じで、場所ごとの売上管理と、トラックに紐づいた売り上げ管理と、1つの事業者の方が複数台トラック持ってたりするんで、すごいややこしいんですよ。
なんでここはもう完全にシステムをゼロから内製して、社内にエンジニアがいるので、しっかり作り込んでいて。そのシステムでトラックの運行管理、スケジュール管理っていうところと、売り上げは事業者の方々に入力していただいて。それを精算したりだったりだとかビルのオーナーの方にお渡しする時に、売上を報告書みたいな形でまとめるだったりだとか、そういうかなり煩雑な業務が膨大にありますので、そこはシステム使ってまとめて効率化はしているっていう風な形でやってます。

泉山:
その場所にはMellowさんのスタッフの方もどなたか行ってたりするってことですか。

森口:
ずっとベタ付きで張り付いているわけではないんですけど、実際に新しい場所で開始した直後とか、売り上げとか定点的に観測はしているので、そこで下がってきているとか、様々ありますね。あと実際その現場で「タイヤの跡がちょっとついちゃいました」とかそういうトラブルがあった時とかは、もちろん対応させていただいてるという次第です。

泉山:
イベントのオーナー、みたいなそういう感じなんですかね、感覚的にはね。

森口:
そうですね。実際イベントの支援ってところも我々やらせて頂いていて。フェスのフードエリアを支援するとか。なかなか屋台って、保健所の規制で提供できるメニューにかなり制限があるので、そこでお祭りのところに呼ばれていったりだとか、花火大会とか、今はコロナでなかなか開催が難しくなってるんですけど。去年とかはラグビーワールドカップのところでフードをやらせていただいたりとか、そういうところはやっていますね。
ちょっと実を言うと、ニュアンスが若干違うというか。イベントだとかなりしっかり準備して、当日そこに行って一気に人が集まって、っていうモデルなんですけど。どっちかというと我々がメインでやらせて頂いている、オフィス街だったりタワマンでっていうとこの「ランチ」っていうところは、毎週特定の曜日に同じトラックが来るんで、固定店舗とイベントのフードトラックの中間地点というような、「毎週月曜日に常連客がつく」みたいな感じの、呼ばれたら行きますみたいなニュアンスではなくて、場所を育てていくみたいなそういうニュアンスが非常に強いビジネスのやり方でやらせていただいています。

泉山:
他にも写真がありますね。

radio12-2公開空地で展開するフードトラック1

radio12-3公開空地で展開するフードトラック2

森口:
実際にやっている場所の写真なんですが。実際ランチでフードトラックやっている場所も大きく分けて2種類あって。まさに今日のテーマであるようなパブリックスペースですね、公開空地。条例で営業活動基本的には出来ませんと。公共空間として住民のためになるように使ってくださいっていう風に決められてる場所もあれば、そういう規制がない完全な私有地ですね。私有地の方が比率としては大きいんですけど。今日の用意してある写真は両方とも公開空地の写真なんですけど、広いですよね。広くて植栽もしっかり植えられてて、そもそも空間として気持ちのいいものであるようにっていうところで、高層ビルの麓にある半分公園半分ビルの敷地みたいな、そういう場所でやらせて頂いてるところの写真を今日は持ってきています。

泉山:
これは2枚ともオフィス街なんですか?

森口:
2枚ともオフィス街ですね。マンションの写真もあったんですけど、ここには出てないですね。

泉山:
Mellowさんはいつ頃から始められているんですか?

森口:
Mellowは創業4年ですね。今4年と4ヶ月かな。スタートからこの事業をやっているという感じです。もともとフードトラックと空き地をかけ合わせようみたいなビジネスは、うちの共同代表の石澤っていう人間がいるんですけど、彼がもう10年以上やっていて。ただITをなかなか活用しきれてないみたいなところだったりだとか、もっともっと広げていきたいんだけどスケールをつくってくためにはまだまだ足りないポイントがたくさんあるっていうところで。ちょうど私が20歳の時に IT企業立ち上げて、1社売却して、2社目の起業がMellowなんですけど、ちょっとITのところで一緒にできる人間がいないか、っていうところで共同創業しているっていうところですね。

泉山:
さっきのアプリとかシステムとか、結構ITが肝なんですね。

森口:
実際内製エンジニアいなくて外注とかで遅い開発ペースで頑張ろうとすると、相当労働集約性高くなっちゃうんで、結構ビジネスとして大きくするのはかなり難しいんじゃないかなと思います。

泉山:
今まではオフィス街というふうなところだったと思うんですけども。ニュースとかで見させていただいて、コロナでみんな外出禁止とか在宅勤務になってオフィス街に行かなくなりましたよね。その辺はどうなんですか。その事業であるとか、キッチンカーの利用だとかって。

森口:
実際やっぱり減っていて。とはいえ飲食店で夜の宴会、飲み会が収益の中心ですよっていう業態と比較すれば、まだ下がり幅はある程度は小さいかなと。
とはいえ下がってはいたので、何もしない訳には我々としてもいかなくて。3月は2、3割とかで、まあまあ踏ん張れてるかなっていうぐらいだったんでよかったんですけど、緊急事態宣言が4月の頭に出たタイミングで、これはもういよいよ本当にオフィス街から人がいなくなるぞ、とほぼ確定したので、そのタイミングでMellow社としては、スペースを貸してくださいっていう営業を日常的にやってるんですけど、その営業のリソースを完全にマンション、タワマンの方の空地で、在宅勤務が増えて1日3食全部自炊するのも大変だよね、だけど住宅街って周りにふんだんにオフィス街ほど飲食店があるわけでもないので、そこにフードトラックで行って飲食を提供しませんか、というところで、そっちに事業を戦略を完全に振らせていただいて。かなりそちらが好評での導入が進んでいるところです。

泉山:
住宅街でなくタワーマンションっていうのは、公開空地とかオープンスペースがあるからっていうことですか?

森口:
オープンスペースが確保しやすいっていうところも1点ありますし、やはり上に伸びてると人口密度が高いので。あとプラスあるとすれば、例えば晴海だったりだとか豊洲だったりだとかは、人口密度と比較した時に飲食店舗の数が密度として相対的に低い、薄いので、そこには確実需要があるだろうというところで優先して展開はさせていただいているというところです。

泉山:
割と近くに繁華街であるとか、あるいは既存飲食店が多いっていうところよりも、お店が少ないエリアを重点的に攻めてくっていう感じですかね。じゃあ東京の郊外というか周辺でっていう風に考えてくと、湾岸エリアとかそっちの方が多かったりするんですか?

森口:
そのエリアも結構ありますし、それ以外のエリアでも実際には展開はかなりはさせていただいていて、結構幅広にやらせていただいてます。なので湾岸エリアだけの話ではなくて、人の密度と飲食店の密度っていう2軸あった時に、飲食店が少なくて人の密度が高いところから順番に展開は進めて行っているところ。住民の方からお問い合わせいただいてっていうケースは完全に無いわけではないんですけど、やっぱりメインはマンションをたくさん管理してらっしゃって、住民の方々が困っていてなんとかしてあげたいっていう会社の方と組んで、その法人の方が持っている不動産物件に、一括でどこができますかねっていう形で話を進めさせていただくケースが多いので、そちらありき、にはなってきてはいますけどね。

泉山:
ちなみにオフィス街から住宅街に移ってきて、変化って何かあったんですか?実際の場所の利用だとか、あるいはキッチンカーの食事の種類だとか。

森口:
そこは如実に変化はあって。基本的にオフィス街のランチとはちょっと違うというか。まず売れる時間帯が広くなりましたね。お昼休み1時間の間だけしか売れませんみたいな場所も正直オフィス街だったらあるんですけど、それがマンションだと比較的なだらかにお客さんが来ていただけるってのが1つ。
それに付随したものでもあるんですけど、おかずだけ売るとか。基本的にお弁当モデルでご飯とセットで売る、みたいなのがオフィス街のベーシックなスタイルだったのが、例えばローストチキンのお店がローストチキン丸ごと1個とか家族4人で食卓に行くためにそれを用意する、みたいなメニューのバリエーションの増加みたいなのも起きていますね。

泉山:
なんかスーパーでお惣菜買うような、そういう感覚ってことですね。

森口:
だけどやっぱり車の中で調理行為が発生しているので、出来立てで、お惣菜とは完全に一味違うところが楽しめるってとこが好評になっているというところです。

泉山:
基本的にオフィス街の時はランチタイムだけって事なんですけど、住宅街の時もランチだけなんですか?

森口:
ランチだけでやらせていただいてる所もありますし、夜まで展開させて頂いてる所もあるっていう、両方ありますね。オフィス街だと夜やっているところはほぼなかったので、そういう意味では時間帯は広がっていっているというところは1つトレンドとしてあります。

泉山:
キッチンカーが数台集まってくると、オフィス街だとさっき時間が1時間とかって話だったんですけど、住宅街だと少し長いっていう意味だと、イベントとか他の使われ方と重ねるとかそういうことがあったりするんですか。

森口:
そこはあの、これからの展開としてはいろいろ検討させていただいていて。例えばフードトラック以外ですね。八百屋さんの鮮食品販売のトラック、鮮魚販売のトラック、お花屋さんみたいなものだったりだとか、マンション住民の方々からしてみたら通販でも買えるかもしれないけど、魚屋さんに「今旬の魚どれ?」って聞いて「今朝上がったからこれ鮮度いいと思うよ」みたいな感じでコミュニケーションを通じて物を買う体験は、やっぱりECでは実現できない価値があると思っていて、そういうものをもっとモビリティに乗せてどんどん動かして、体験っていうところを運んで行きたいっていう思いを持ってやっているので。
オフィス街で魚は買わないかもしれないですけど、マンションの下で魚は全然買うし、野菜も多分同じなので、そういうこうマンション下に事業が広がって、コロナがきっかけではありますけど、広がってきたことによって、スペース活用の種類っていうところが、幅が広がっていくっていうところは、相当前に進めることができるかなっていう風に考えている所です。

泉山:
滞在時間が上がると、遊んだりとか何か他のことが起こるみたいな。例えば子供の遊び場になるのかなぁとか思ったりしましたか?

森口:
そうですね。

泉山:
あとホームページを見ると、イベントチケットみたいな。チケットですかね…EVENTっていうサービスもありますよね?

森口:
チケットみたいなビジュアルなんですけど、EVENTって書いてあるだけで(笑)
イベントって、俗に言う所のフェスとか、コロナで全然開催できなくなっちゃってますけど花火大会とか、モーターショーとか、催事とかのイベントごとってあると思うんですけど。幕張メッセって普段から、いつもあんなに沢山人がいるかって言われるといないわけで、何かイベントごとがあると人が集まってくる。ライブとか、スポーツの試合とかもそうだと思うんですけど。そういう場所にお店を構えられるかって言うとやっぱり構えられない、平時で採算が取れないので。そこでニーズが発生するので、お問い合わせいただいて、我々の方で相談乗らせていただいて、「そういうイベントをやるのであれば客層多分こうなので、こういうフードでどうでしょう」みたいなフードエリアをトータルでコーディネートさせていただくみたいなことも、やらせていただいています。
ただちょっとそっちはコロナで完全に収益がゼロになっちゃったので大変、みたいなところはあるんですけど。そこは戻ってきたら嬉しいなとは思ってるんですけどね。

泉山:
あとは昨日プレスリリースされていた、さいたま市さんと包括連携協定?を見たんですけど、これはどういうものですか。

森口:
さいたま市さんとの取り組みが日本初っていうことになっているんですけど、かなり幅広に様々な面で提携させていただくっていうところで合意しておりまして、その中で大きなものの1つが公共空間の活用ですね。今までって公開空地の活用実績とかも我々結構あるんですけど、なんだかんだ私有地と区分されるフィールドが全てで。公開空地の事例もそこそこあるものの、マジョリティは私有地っていうところが今までで。
公開空地に限らず公園だとか、あと先になるかも知れないですけど道路空間。チケットパーキングみたいなところがあると思うんですけど、ああいう路上空間の使用用途の緩和を行えないかだったりだとか、そういった部分で様々な実験的な取り組みっていうところも含めて色々…色々やらせていただくくって言うとかなりフワッとした表現にはなってしまうんですけど、そこは視野には入っているという。

あとは防災の観点も結構あってですね。ほんとに命に関わるような炊き出しは、フードトラックには流石に荷が重いというか、そこまでハードな場所になかなか行くのも難しいですし、そこは範囲からは外れるかなと思うんですけど。避難生活が長引いた時に、食がメンタルの支えになるみたいな部分があったりだとか。二次災害、三次災害というところで何かケアできるものがあるのかというところで、防災観点でフードトラックを活用できないかって言うところを、共同の取り組みっていうところもありますね。
やっぱりあの有事になっていきなりフードトラック行こうって言うとなかなかできないので、平時から公共空間の活用っていうところでさいたま市さんとは連携させていただいていて、普段使っている公共地にいるトラックが有事の時に、そこが避難スポットというか心の避難スポットになるみたいな、そういうことを考えさせていただいているっていうところです。

泉山:
確かに道路とか公園とかキッチンカーって言うのは、イメージ的にはまだ少ないのかなっていうか、結構東京とかだと公開空地がすごい多いですよね。
道路だと今日路上飲食店の緩和とかの話もあったりとかしましたけど、オープンカフェだとか道路空間とか色々やって行く時も、お店があるとこはいいんですけど、お店がないところっていうのもあったりしていて、そういう所ってなんかすごい可能性があったりしますね。

森口:
お店もやはり、室内空間の仕様の見直しっていうところも今後どんどん増えていくかなっていう風に思っていて。席を間引かなくてはいけないだったりだとか、今まで通りのビジネスを飲食店側としても維持する難易度が上がっているっていうのが、これからの世界としてはそうなっていくだろうと。で、なった時に生き延びられるだけの体力のある飲食店事業者の方々が、多分ビフォーコロナよりは減ってしまう可能性は十分にあるだろうと。
そういった方々が移動店舗っていうところに業態転換していくっていうところは、我々としては非常にポジティブに考えてもちろんやってますし。そういう方々が飲食の業界からリタイアしなきゃいけない、ではなくて飲食の業界の中で自分の強みを形を変えて、公共空間の活用っていうとことも交えて、翼を羽ばたかせて行けるっていう世界は、まさにこれからつくっていきたいなと思っているところです。

泉山:
ちなみにさいたま市さんとか自治体の方と連携っていうのは、今後もどんどん増やしていこうという方向なんですか?

森口:
今後もどんどん増やしていきたいなと思っていて。地域の飲食業界と飲食産業、さいたま市内の飲食産業のボトムアップというか、盛り上げみたいなところをフードトラックを使って創業支援の文脈でやって行くみたいなところも、連携の内容の一つとして含んでいるので、ある種の町おこしというか。
地価って、ビジネスが上手くいっていても上手くいってなくても、基本的には同じ額の賃料はかかってくるっていうところが、移動販売になると前提を変えられるので、より新しい人が始めやすい、そういう要素は側面としてあるので。なんでもかんでも参入コストが下がればいいっていう話ではないとは思うんですけど、多様性ってのはこういったところから生み出していけるんだろうなと思っているので。空地だったり公共空間が多様性の発信フィールドになっていくっていうところが、我々が見ている世界かもしれないですね。かなり強いものとしてある次第ですね。

泉山:
今は東京とかがやっぱり多いんですか、首都圏というか。

森口:
多いのは東京で。ただ大阪と関西と福岡では始めさせていただいていて、実際うちのメンバーが一部移住して向こうで頑張って場所を増やしたり…東京と比べると、まだまだフードトラックをやられてる方そのものがまだまだ少なかったりするので、そこの開業の支援だったりだとか。それこそ行政の方々と、神戸市さんと連携させていただいたりするんですけど。そこで部分的に開業支援の取り組みだったりってところはやらしていただいているんですけど。ただ包括的にっていうところは、さいたま市さんが初めてだったっていうところですね。

泉山:
コロナで飲食店さん大変っていうところもあって、キッチンカーに移るっていうのも結構増えてたりするんですか?

森口:
そうですね、増えてますね。お問い合わせの中に占める飲食店舗の比率は確実に上がっていますし、メディアも多分そういう依頼一番たくさん出たかもしれないすね、4月5月って。かなりの注目していただいて。まだやっぱり一般の認識として「ちょっと屋台で汚いよね」とかそういう印象が完全にゼロになってるかっていうと、4年で大分変わってきてはいると思うんですけど、まだゼロにはなってないかなと思っているので、ここが「お店のクオリティと全然変わらないよね」って言っていただけるような状態にまで持っていけたら嬉しいなと思っていますね。

泉山:
最近結構お洒落なキッチンカーとか多いですよね。

森口:
絶対増えたと思います。我々も見た目の部分では、イベントでゴテゴテしたというか、安い!早い!みたいな、でっかい黄色い字、赤い字とかで、のぼりが5本立ってとかそういう派手派手なトラックも4年前は結構いましたけど、その辺はビルの景観とかをかなり大事にされている方とか、まちづくりでしっかり考えられている方だと、まちのトーンを壊されたくないってところが、一定のレギュレーションが必要だと思っているので。そのあたりも我々の方で間に入ってレギュレーション作らせていただいたりとか。
とはいえ、フードトラックやられてる方々もそっちの方が売れるからそっちにしたいんだっていうモチベーションもやっぱりありますので、そこは間にしっかり入って売り上げがなるべく下がらない、むしろ空間に合ってるので上がるケースの方が多かったりもすると認識してるんですけど。そういったところで両サイドサポートさせていただきながら、見た目の改善っていうのも実直に取り組んでまいりましたので、そこもかなり良くなってきているかなと思ってますね。

泉山:
今日お話うかがっていて、写真だとキッチンカーが出ているっていう風な状況なんですけど、最初のビジネスモデルの図とか、あるいはアプリとかITを結構使っているという目には見えない部分が非常に僕としては新しいなという風に思いましたし、Mellowさんのおもしろいとこなのかなと思いました。

泉山:
「モビリティビジネスプラットフォーム」と言われてるんですけども。最近結構モビリティって僕たちの都市系とかでも結構注目されてて。スマートシティとかのトヨタの話だとか、自動運転とかって、色々あると思うんですけど。モビリティという風に打ち出しているところとか、あるいは、これからキッチンカー以外のモビリティみたいなことってなんか考えてるのかとか、モビリティっていう言葉への期待とかって何かありますか。

森口:
「モビリティ」って言葉の範囲が非常に広いので、その様々な領域に隣接しているし、それこそまちづくりにも隣接するし、店舗だったりだとか土地の価格がどう決まるかとか、人の流れ動きがどう変わるかとか、様々な前提が変わりうるポテンシャルを秘めていると思っていて。世の中でどちらかというと、モビリティっていうところでいうと、サービスだったり生産拠点が動くっていうよりかは、人が動くっていう方のモビリティの方が全体の、私の見聞きしている中では、非常に多いなーっていう風に思っていて。そちらに起こる変化は変化で多分にあると思いますし、実際に地方とかだと車がないと生活が非常に難しいエリアで、とはいえ危険だから免許返納しなきゃいけないみたいな、かなり足元でも逼迫した課題も多くあるという認識はしています。
ただそこに対して基本的にソリューションが人を動かすっていう、動かせる要素が人で、後はデリバリー化(ECで送る)っていうところがベースにはなってくると思うんですけど、私としてはそこに生産設備そのものを動かすことによって、どういうまちづくりの変化であったりだとか、人の動きの変化、価値の変化っていうのが生み出せるかっていうところが、Mellowとしては1つメインのテーマですし、大きく広げていきたいところであるとは思っていますね。

泉山:
モビリティって僕らのイメージだとキッチンカーの方の、車の方に目が行くんですけど、人を動かすっていう方がなんかすごい意識としてあるっていうことですね。

森口:
人を動かす、まちづくりっていうものを考える時に、最低限観光客いなくても街が消えない的に成り立つ住民の人口密度が都市としてどれぐらいなのかとか、ビジネス性と場所の価値と、人のいる量と、その人たちの可処分所得と、そこに対して外から物が運び込まれてくる物量と、みたいな経済的にも物流的にも人のモチベーション、感情…色んな要素の噛み合わせで街って成り立ってると思っていて、それのあり方っていうのが、人口が増える中でどんどん日本の中でも変わってきたし、その中で経済発展もしてきているので場所の価値も変わっていくし、テクノロジーが進むと人が移動するときのパターンが変わったりするから、そういう沢山の変数で街って成り立っていると思っていて。
そこが移動販売だったりだとかお店そのものが動くことによって変わっている街は絶対にあるし、まちっていうものが成立してくプロセスの中で「実はお店って動かせるんですよ」っていう前提が1つプラスされただけで、まちづくりの考え方って全然変わっていくし、それがすごい面白いし。今までだったら、正直チェーン店しか置けません、みたいな街がまだまだ変われるポテンシャルがあるはずだし、なんかそこを追求して行きたいし、その中で公共空間っていうところがよりポジティブに使えるようになっていく。今なかなかまだまだ公共空間の活用っていうところは、踏み出したばかりだという風に認識していて。なのでそこが「どんどん使っていこうぜ」っていう流れになっていくと、かなり街は変わっていくだろうなとは思っていますね。

泉山:
ありがとうございます。すみません、ちょっと時間が押してしまいまして。僕も非常に勉強になりましたし、しかもキッチンカーが公開空地に展開されているのを、さらにまた自治体とか公共空間の方にも展開されようとしているところが非常に面白かったし、可能性を感じたところです。
森口さんどうもありがとうございます。

森口:
ありがとうございました。

Photos by 森口拓也
テキスト:秋元友里

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