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ソトノバ・ラジオ#02|伊藤大貴さん|Public dots & Company

ソトノバ・ラジオ#02を紹介します.

ソトノバ・ラジオ#02のゲストは,Public dots & Companyの伊藤大貴さん。
日経BPから横浜市議会議員になり、現在はデータに基づいた都市経営に注力し「公共を再定義する」をミッションに公民共創事業の企画、アドバイスなど幅広く活動されています。ウィズコロナ、アフターコロナで皆が考えているこれからの都市とパブリックスペースについて、都市政策の目線で迫ります.

パーソナリティは,オンデザインの西田 司さん.

ラジオの様子は,YouTubeの「ソトノバ・チャンネル」Spotifyのポッドキャスト,この記事では書き起こしをお届けします.


YouTube:「ソトノバ・チャンネル」

Spotify:ポッドキャスト

以下は,書き起こしです.当日の様子をお伝えします.

西田:
ソトノバ・ラジオは、今旬なゲストをお呼びして、都市やパブリックについて話すというラジオです。4人のパーソナリティが交代で行います。今回は僕の番の第1回目ということで、Public dots & Companyの伊藤大貴さんに来ていただきました。伊藤さん、よろしくお願いいたします。

伊藤:
よろしくお願いします。

西田:
伊藤さんは非常に変わった経歴ですけど、解説していただいてもいいですか?

伊藤:
大学卒業して最初の5年間は日経BPという出版社でエレクトロニクス業界の記者をやっていました。で、特にその時僕が担当していたのは、レギュレーションでどうやって産業を作るのかという視点から、世界のエレクトロニクス産業に関わるレギュレーションの動向であったり、或いは産学連携とか知的財産だとかを取材していました。そういったバックグラウンドのせいかもしれないですけど、議員になってからも、特に力を入れていた分野っていうのは、「どうやって規制緩和で新しい社会を作っていくのか」のところです。ある程度皆が納得性がある社会に作っていくためには、その合意形成と、合意形成の根拠となるデータって絶対必要だよねという問題意識があったので、コミュニケーションのデザインとか、データ周りを整えることに関心を持っていた議員時代です。そこを10年経験して今また民間に戻ってきて、改めて、世界と比較したときに日本のパブリックセクターの価値って全然解放されてないなって、議員時代からずっと思っていたので、どっちが偉いとかの関係性ではなくて、それぞれの強みと特徴を良い感じにハイブリッド出来る社会を作りたいと思って、新しい会社を起業して、仲間とともにビジネスをやっています。

西田:
やっぱり元議員だということもあって、パブリックセクターのことを理解した上で、いかに官民が連携できるかの目線をもたれていますね。今このコロナの時期に、議員がどうしたらいいかみたいな発信をされていたのを見て、結構先駆的というか、今求められている感じが凄いあると思うんですけど、議員の方の反応はどうですか?

伊藤:
そうですね、この前も女性の議員さん20人ぐらいからZOOMでちょっと話してくれってお声がけいただいたりとか。僕もその世界にいたからそれはよく分かっていて、頑張ってる議員さんっているんですよ、ただ、社会のほうが、議員が何が出来て何ができないのかの基礎的なことすら理解されていないので、今真面目にやっている人ほど発信しにくい状況なんですよ。なので、真面目にやっている人は結構しんどい思いをしていて、この前彼女たちと議論して僕が一つ言ったのは、「行政は現実の対応。政治は未来の対応です」と。危機が起きた時、どうしなきゃいけないかは、行政の対応が求められているので、行政が決められたルールで、とにかくスピード感もってやっていく以外ないわけですよ。けど問題は、こんな新型コロナみたいな新しい感染症が起こるって誰もが想定しないというか、まさかそんな…「お相撲さんが死ぬ」みたいな感染症が日本に上陸するなんて、誰も自分事としては考えないわけですよ。そういう不確定な未来をちゃんと見据えて、起きるか起きないか分かんないけど、起きたときに社会が混乱しないように、どうする?っていうのを議論できるのは、政治家・議員の役割なんですよね。だから、新型コロナの対応は、細かいところはまだ足りないところいっぱいありますけど、それはもう行政に任せておけばよくて、むしろこの先の未来に対して社会がどう変わっていくのか、特にこの先って社会的に弱い人のところに絶対しわ寄せが行っちゃうので、社会にどういうしわ寄せが来るのか、誰が声をあげられずに困るのかとか、とにかく現場対応の人たちじゃ目鼻がいかないところを、議員は今のうちに先回りして、イマジネーションを働かせて、次はこういうことを考えなきゃいけないっていうのを、僕はやってほしいし、それをやるのが議員の役割だよな、と思ってディスカッションをしました。

西田:
今回のソトノバラジオは、都市とか公共セクターが、パブリックスペースとかパブリックにどういうことをやっていくのかということを伊藤さんと話せればいいなと思っているんですけど、まさに今コロナの話出ましたけど、伊藤さんが感じている公共空間とか、市民側の意識の変化とかで、こういうことに着眼していったらどうかみたいなトピックはありますか?

伊藤:
公共空間っていうと対象が凄く広くなっちゃうのですが…「今まで価値だと思われてなかったものに、価値が集まるかもな」という気は凄くしています。例えば、それこそ公園って分かりやすいですよね。駒沢公園とか代々木公園とか、或いはそこまで有名じゃないけど、空の抜け感が良いとか、水辺があるとか、何かエッジがある公園は以前からも注目が集まってたじゃないですか。今回の新型コロナで、もちろんそういうのは大事なんですけど、自分たちの身の回りにある何気ない公園とか、名も無い道とか、知らない人ばっかりだけど、なんか楽しそうに歩いていてたり、犬の散歩をしている人がいるっていう風景そのものが、(これまでは当たり前だと思っていたけど、こういった当たり前のことすら)、新型コロナになったときに、かけがえのないものだったなって皆気づいたと思うんですよね。これは僕は、社会的に大きな変化じゃないかなという気はしています。

西田:
確かに、今言われたみたいに、街に出ると、街のハードに目がいくというよりは、人がどう振舞ってるのかを、もちろん自分のリスクに対するセーフティな気持ちもあるのかもしれないけど、やっぱり見ますよね。ちょうどいい距離感で使われてるなとか。ここ結構な人数いるな、みたいなことも含めて。

伊藤:
僕なんかこの一ヶ月、ずっと自宅にこもってオンラインで仕事してるので、最近でこそ人がいない時間帯を見つけて、体動かさなきゃと思って散歩はしてるんですけど、当初は本当に引きこもってて、1週間に1回外に出るかなって感じだったんですよ。なので外に出たときのこの喜びたるや!みたいな(笑)太陽が出ててあったかくて風が気持ちいいなみたいな、で人がいるっていう…感動しましたね。あんなに体の中から喜びが出るんだ!って(笑)

西田:
伊藤さんに事前に写真を3枚送って頂いていて、この写真について紹介頂けますか?

伊藤:
これは僕の自宅の近くにある「三保市民の森」で、ここは「三保市民の森」と「新治市民の森」っていう、2つ市民の森があって、それぞれ東京ドーム10個分の緑なんですよ。だからどんなに真面目に、早歩きで歩いても1時間半はかかるぐらい、結構しっかりした森なんですよね。3万人と4万人の集合住宅地、合計すると、この森に隣接する7万人ぐらいの人口の団地や新興住宅地があって、駅からも15~20分ぐらいのところに、そういう広大な緑が、横浜の郊外にはあるんですね。

96084465_273017757203602_6501585153242955776_n (1)三保市民の森

西田:
この写真が横浜って言われても信じられないですよね。

伊藤:
そう思います。僕も元は横浜市議会議員でしたけど、東京で働くようになってから、田園都市線って凄い混むので、「やっぱ横浜って遠いし大変だな、もうちょっと近くを考えなきゃいけないのかもな」って、よぎってたんですけど、コロナになってこの森に行くようになったときに、これから働き方も変わって、必ずしも毎日東京に行かなくてもオンラインでできること増えちゃうと、むしろ、自分が住んでる歩いても10~15分のところに、1時間半かけても回り切れない豊かな緑があるって、めちゃくちゃ価値だなと思って。それを再認識しました。だから僕今1週間に3.4回この森に行ってます(笑)いっぱいルートがあるので、1ルートじゃ回り切れないんですよ。

西田:
「1週間に3.4回森に行く」って普通使わない言葉ですよね(笑)

伊藤:
確かに(笑)

西田:
それを横浜で言ってるのが凄いですよね…さっき「価値だと思われてなかったものに価値が生まれている」って話されてましたけど、普通「今日俺森に行ったんだよ」って会話に出ないじゃないですか。

伊藤:
そう思います。

西田:
「森行ってる」って、「木こり」なのかって感じてしまう、その語感凄いです。(笑)

伊藤:
凄い良いんですよ。毎回ルート違うし。でね、不思議なことに山って人とすれ違うと「こんにちは」って挨拶するじゃないですか。この山の中でも挨拶が発生するんですよ!知らない人たちなのに。

西田:
ええ!凄いですね!

伊藤:
で、密じゃないからそれぐらいの挨拶はしても良いじゃないですか。どこの誰かはお互い知らないわけですよ。でもこういう状況で森に求めて入ってきてるっていう背景を共有しているせいか、「こんにちは。暑いですね。雨降りそうですね」っていう会話して。だから今、凄い不思議な空間です。

西田:
コロナが無かったら見られなかった景色というか、意識にも上らなかった場所っていうことですよね?

伊藤:
そうですね。もちろん仕事柄、森の存在は知ってましたし、過去に横浜で緑税が話題になったときに、足を運んでそこにいる人たちに話聞いたりとか、仕事としてはしてましたけど、一個人としての内面から出てくるものとして、この場所に積極的に行こうみたいなことは、正直無かったですよね。

西田:
いい話ですね。では2枚目の写真にいきます。これはみなとみらいでしょうか?

伊藤:
これは4月上旬のみなとみらいです。ランドマークプラザですね。僕はこの時1週間半ぶりに外に出たんですよ。横浜に用事があって。ちょうど緊急事態宣言が発令される直前ぐらいだったので、「こんなに人がいないのか!」って思いました。面白いのは、この写真を見た会社の人が「イメージパースかと思った」って言ったんです。あまりにも綺麗すぎて。

97450935_274727577039458_3054470892831637504_n横浜みなとみらい・ランドマークプラザ

西田:
なるほど(笑)、確かに人がいない風景がパースっぽいんですね。でもそれって、イメージパースの描いているものがハードで、僕ら設計者とか、都市を計画する人が、ハードの絵ばかりを、描いてるからだと思うんですよね。

伊藤:
なるほど。

西田:
伊藤さんは、それを計画時には見せられているけど、例えば、ご自身がみなとみらいに行ったときにはハードではなくて、そこにいる人たちの振る舞いというか。ハードを背景に人の動きが融合した全体像を見てると思うんです。その差が如実に現れているだなって、聞いてて思いました。

伊藤:
そうかもしれないです。だからやっぱり、「人が風景を作っている」んですよね。それって、僕は建築家では無いんですけど、企業や自治体と仕事をするときもそうなんですけど、僕らがよく話をしているのは、「アウトプットではなく、アウトカムをちゃんと議論しましょう」っていうことです。つまり、アウトプットっていうのは、(コップを手に持って)「コップ」をつくりましょうって言ってつくるのはアウトプットです。ただ大事なのはコップを作ることではなくて、「このコップがあると一体誰がどういう幸せな状況が生まれるのか?」それがアウトカムですよね。コップを作ることで何を作りますかっていうことを議論しましょう。そうじゃないと、どんなに素敵なデザインで、持ち方も持ちやすくて、お洒落でっていうコップを作っても、もう幸せを得ることはできなくて。むしろこのコップがあることで、何が社会として実現できるかの、そのアウトカムをちゃんと実現できれば、ハードだけじゃなくて、もっと人に刺さっていく政策だったり、サービスだったりプロダクトになっていくはずです。僕らはパブリックセクターを経験してるからこそ、そこに意識があるのかもしれないですけど。建物も、アウトカムの議論に人がつくる風景の意識や意味があるのかもしれないなと思いますね。

西田:
ハードをアウトカムで議論しようとすると、ハードを作りました、それはどういう価値なんですか?みたいなことを、効果検証する方法がなかなか無いんですよね。数字で良いのか、何人来たから良いのかみたいなことはありますけど。そのアウトカムを設定したり議論したりする感覚が、作り手側にそんなに養われてないと思うんですよ。ハード目線だと、メンテナンスが何年に一回とか、そういう効果検証はできるんですけど、例えばそれによって福祉的な、1人で来た人がパブリックスペースで賑わいを感じることによって、なんとなく孤独のストレスがなくなったみたいなことって、数値化できないから、結構都市の振る舞いのアウトカムって、難しいなって思います。都市を語る専門性が縦割りだから価値の横断が起こりづらいのかもしれないですけど。

伊藤:
確かに、都市はそのへんが難しいですよね。

西田:
だからこそ、その辺は議論したほうが良いなと思いました。

伊藤:
僕は始めにデータ周りを整えることに関心あるって言ったんですけど、数字は右って言ってるけど、左のほうが良いっていう判断も全然あると思ってるんです、実は。データだけに頼る社会だったら、AIに任せとけば良いじゃないですか。

西田:
なるほどー。

伊藤:
数字で見ると右って言ってるんだけど、左のほうが心地いいっていう感覚を持てる時って、それは「人間」だからこそだと思うんですね。実はそれが凄い大事だと思っていて。僕は、数字があることで、一個一個の意思決定の確からしさって言ったら変ですけど、今回は数字と自分たちの感覚がマッチしてる、ここは数字と違うんだけどでもこっちだと思うよっていうのをやっていくことが、社会をより良いほうへアップデートするときのポイントじゃないかなって思っています。

西田:
今の名言ですね。「数字が正しければAIに任せればいい」って、こんど数字の正当性だけで話を終わらせられそうになったら使います(笑)

伊藤:
だってね、そしたらそれは偏差値高い人たちに全部任しといておけば良いじゃん、みたいな話になっちゃうじゃないですか。

西田:
確かに。近いことが、建築でもあって、機能的に全部言語化できること以外に、「余白」にデザインが宿ると言われていて。例を挙げると、音響が完璧なコンサートホールを作ったとしても、そのコンサートホールの価値は音響だけじゃなくて、実は休憩時間を過ごすホワイエで、どういうコミュニケーションが生まれたかとか、居心地がどう良いかとか、そういうところにデザインの価値があるってよく言われるんですよ。だから人間的な感覚で意思決定する話に、共感します。

では最後に3枚目の写真です。

伊藤:
これは僕の会社の入ってるオフィス、渋谷のスクランブルスクエアという、去年の11月にできたビルです。一ヶ月半ぶりぐらいに、会社に行かなくてはいけなかった時の様子で、完全に閉まっちゃってるっていう。その写真です。

96803666_2697334947217366_2829136339885096960_n (1)渋谷・スクランブルスクエア

西田:
凄いですね、オフィスの価値を考えさせられる写真ですね。

伊藤:
うちの会社自身は、完全にオンラインだけで回っていて、もちろんオフィスは無くさないんだけど、オンラインで出来ちゃうところも多いなって感じてます。だから最近議論するのは、「打ち合わせも含めて、オンラインで大抵のことはできる、だからこそオフラインで会うことの価値が凄い高まったな」と話します。人に会う価値というか、オンラインで出来るのに、じゃあわざわざ会ってできることって何だって、逆に凄い価値です。今までは何気なく会ってたことも、因数分解されて、「ここはオンラインでできる、でもこっちはオンラインじゃできないから会うことに価値がある。」みたいな感覚が鋭敏になることを、閉まっちゃったオフィスを見たときに、より強く感じましたね。

西田:
ちなみにそういう議論の中で、伊藤さんが感じられてるオフラインの価値みたいな部分ってオフィスのどの辺ですか? オフィスって、場所にとらわれないで働けるようになってくると、極端な話、ミーティングはできちゃうじゃないですか。今日もオンラインでやってますけど。この感じが物足りないなと感じることってありますか?

伊藤:
それはありますよね。やっぱり、西田さんもさっき仰ってた「余白」って凄い大事だと思うんですよ。オンラインの良さは、1時間の中でアジェンダが設定されてて、決めなきゃいけないから決まるんですけど、人間のクリエイティビティって余白の時に、「そういえばあれさ~」みたいなところから始まるじゃないですか。それはまだ、オンラインじゃ厳しいかなって個人的には思います。

西田:
今日のスタートって「都市・パブリックを考える」みたいな話なんですけど、都市とかパブリックを考えるときに、余白感とか、いわゆるクリエイティビティ感みたいなのって、どういうところに発生すると思います?

伊藤:
そうですね、例えばオフィスだと、今までみたいな「デスクがあればいいや」っていうよりかは、デスクの数は半分か3分の1ぐらいに減って、3分の2はコミュニケーションが取れるような。それがキッチンなのか、なにかは分かりませんけど、そういうコミュニケーション、雑談、余白が生まれる場所。あとは、大抵はオンラインでできるから、仕事はオンラインでやって、夕方になると「最後の打ち合わせぐらいオフィスでやるか」っていって都内や都会に出て行って、っていうライフスタイルもあるかなと思います。

西田:
そしたらそのあと飲むみたいなこともあって、それがまちに来る意味や、楽しみみたいなことですよね。

伊藤:
はい。それはあるかなって思いますね。

西田:
そういう遊び感っていうか、まあもちろんオフィスだから仕事の話はすると思うんですけど、仕事の話をしてるだけじゃない、余剰感っていうんですか。終わってから「伊藤さん、今日の話面白かったから、このあともう一杯行きましょうよ」みたいな、その感じは、オンラインだとまだ物足りなさ感じますよね。

伊藤:
そうですよね。そこはまだちょっと難しいですよね。もしかしたらオンラインの技術が進んで生まれてくるのかもしれないけど、まだないですよね。

西田:
最後に、これからのパブリックスペースとか都市に対して、伊藤さんがこれまで取り組まれてきた官民連携的な目線で、逆に市民側としてこうあって欲しいみたいなのありますか?せっかくなので、今日リリースされている伊藤さんの関わられているSmart Citizen Visionも紹介頂ければ。

伊藤:
これ博報堂さんから今日リリースされたプロジェクトなんですけど、僕の会社が去年の10月から博報堂さんと新規事業開発のお手伝いをしてまして、スマートシティなんですね。そこで、ひとつ大事にしてたことは、スマートシティって今まで揶揄もするとテクノロジーでどう社会をスマートにするかっていう文脈で来ていることが多くて、ただ、本当に人の幸せの(ためなのか)、テクノロジーを否定するという意味ではなくて、やっぱり人が先にあって、皆の生活がどうなることが心地いいのか、そのためにテクノロジーってどうやって使えるのかっていう考え方で、スマートシティを考えようよっていうところで、うちの会社が必要とされて、ご一緒してるんですけど。その辺がようやくビジョンとして具体化してきて、リリースされました。具体的なプロジェクトの発表はこれからになってくるんですけど、テクノロジーとアナログ・ヒューマンの融合をきっちりやっていきたいなというふうに思いますね。

西田:
確かに、テクノロジー側のハードルもたくさんあると思うんですけど、シチズンって呼んでいる生活者側の感覚のアップデートも必要ですよね。

伊藤:
そうですね。今回のコロナは本当にチャンスだと思います。

西田:
伊藤さんはこういうことをコロナの前から取り組まれてますけど、コロナが起こったことによって逆に加速しているというか、新しい取り組みから目が離せない感じにどんどんなってると本日感じました。

伊藤:
ありがとうございます。未来が近づいたな、という感じはしています。

西田:
最後に、僕が伊藤さんの話をまとめたアジェンダを紹介したいと思います。

(1)「価値だと思われていなかったものに価値が生まれる」

これは公園とか身近な森とか、僕が一番印象的だったのは、人が歩いている風景とか、そういう日常に目を向けるっていいなと聞いてて思いました。

(2)「都市は人が風景をつくっていると再認識」

これはみなとみらいの写真を見て、パースに似ているって言われたときに、作る側の人間として刺さった言葉ですけど、人が風景をつくっていると再認識しました。

(3)「都市のアウトプットではなく、アウトカムを議論する」

これはほんとにバリューですよね。都市像って言ったときに、どうしても形から入ることが多いんですけど、形ではなくそこで起こる価値を議論する大切さ。

(4)「数字が正しい社会ならAIに任せれば良い、人間の感覚を信じる」

(5)「オフラインは、クリエイティビティや余白を価値にする」の5つです。

伊藤:
すごい。なんかかっこいいまとめで凄いっすね。

西田:
これ全部言ったの伊藤さんですからね! 
ということで、あっという間の30分でした!本日はありがとうございました。
ソトノバ・ラジオは、ゲストと都市を考えていく視点を探っていくラジオなので、また次回楽しみにしていてください。伊藤さん今日はありがとうございました!

伊藤:
ありがとうございました!

Photo by 伊藤大貴

テープライター:冨岡久美子

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