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都市河川を活用した市民の居場所作り「かまがわ川床桜祭り」(ソトノバ・アワード2017一次WEB投票記事)

北関東最大の都市である栃木県宇都宮市。その中心部には一級河川である釜川が中心部を通っています。中心市街地の空洞化が進む中、宇都宮市では都市の活性化に向け、釜川を活用しています。河川上に床を設けた「川床」をご紹介します!

宇都宮市ならではの市民の居場所

釜川は宇都宮市の中心市街地にあるオリオン通り商店街のすぐ近くを通る川で、都市の中に豊かな環境を生み出しています。
その釜川で行う川床は京都の鴨川や貴船川などの歴史的な事例としてはありますが、中心市街地の活性化を目的に行われているものは みられません。
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Photo by 宇都宮大学安森亮雄研究室

 

二層構造化された河川「釜川」

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宇都宮の城下町と釜川(左:明治6年 釜川20周年パンフレットより)

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釜川の氾濫の様子(昭和57年 釜川20周年パンフレットより)

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釜川の断面図(宇都宮大学安森亮雄研究室)

栃木県宇都宮市の中心部を流れる釜川は、古くは宇都宮城の防備の役割を果たし、 明治以降は染物屋や川魚料理屋が軒を並べて賑わうなど、宇都宮市の市街地形成に重要な役割を担う河川でした。しかし、台風や集中豪雨による度々の氾濫により、周囲の商店や住宅に浸水被害をもたらしました。宇都宮市では氾濫防止のために平成4年に全国初の二層構造化を行うとともに、プロムナードを整備しました。しかし近年では、中心市街地の人口減少や隣接する商店街の衰退により、人通りが減少し空地が目立つなど、かつての賑わいが無くなっています。

川床のデザイン

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川床の平面図(宇都宮大学安森亮雄研究室)

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川床の断面図(宇都宮大学安森亮雄研究室)

川床は釜川沿いに枝垂れ桜が咲く約30mの区間にあります。川幅約3m、川底まで1.5mという親密感のあるスケールを活かし、リズム感を持って地面レベルと川底に近いレベルで6帖から10帖程度の5つの川床を設計しています。それによって中心市街地の中に「都市の部屋」のような市民の居場所と、都市の自然を活かした「新たな風景」を創出しています。

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ぼんぼり(Photo by宇都宮大学安森亮雄研究室)

それ以外にも、ぼんぼりや募金箱などの制作も合わせて行なっていて、会場全体が統一感のあるデザインとなっています。

川床で生まれるアクティビティ

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夜の川床様子(Photo by宇都宮大学安森亮雄研究室)

川床では、子供から高齢者まで利用することができ、昼夜問わず様々な人が利用しています。11時のオープン前から席を取るために待っている人や、席が空くのを待機している人がみられるほど市民の人たちにとってなくてはならない場所となっています。川床に合わせ、バンド演奏や周辺の飲食店の出前などもあり、花見にはもってこいの場所になっています。

これからの川床

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(Photo by宇都宮大学安森亮雄研究室)


川床は2013年から毎年行われており、2017年で5回目を迎えました。事業主体である宇都宮まちづくり推進機構を中心に周辺の商店の方々の協力を受けながら開催されています。川床の区間の延長や枝垂れ桜の増植の声が上がっており、将来、宇都宮市の春をさらに盛り上げるのではないでしょうか。

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