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住民それぞれの「これやりたい!」を詰め込んだ、 老若男女が楽しめる団地の広場「左近山みんなのにわ」(ソトノバ・アワード2017一次WEB投票記事)
緑豊かな環境を活かして、住民が主体となり、団地再生の切り札として計画された「左近山みんなのひろば」
この記事では、日常的に広場をつかう住民自らが計画段階から関わりつくりあげた、団地暮らしに楽しみを生み出す、あたらしい広場の取り組みをご紹介します!
住民主体の広場づくり!
左近山団地は全体で約4800戸の巨大団地。
約50年が経過した老朽団地であり、住民の高齢化と空き家の発生なども顕在化しています。
広場の位置する左近山団地中央地区では、管理組合が主体となり、「団地再生」のあり方について検討していました。
「左近山らしさってなんだろう?」
左近山団地の最大の特徴は、公園に負けないくらい緑豊かなこと。
この「豊かな自然環境」を左近山のもつ最大の価値と捉え、外部空間を住民が日常的にもっと使えるようにしていこうと、左近山団地中央地区住宅管理組合は「魅力的な外部空間づくり」をひとつの目標に広場を計画。団地再生を目指すことになりました。
「左近山みんなのにわ」は団地再生の取り組みの一つとして、管理組合が所有し、共有財産である場所を自ら整備した、先進的な広場事例です。
新しく子育て世代を呼び込むこと、一方で一人暮らしのお年寄りが安心して健康に暮らし続けることができるよう、団地に住む多様な年代の人がそれぞれに楽しめる「仕掛け」を広場の中にたくさん詰め込むことを目指し、いよいよ広場の計画は始まりました!
住民を巻き込んだ計画づくり
〜「計画ワークショップ」と「ものづくりワークショップ」の開催〜
広場の計画は、住民とのワークショップを通じて「可能な限り多くのアクティビティを実現する」ことを目指していました。
計画ワークショップでは、「広場でどんなことしたい?」「どうつかおう?」をグループごとに議論し、出されたアクティビティは100以上。その後、計画ワークショップでの住民意見をもとに広場の計画は検討されました。
また、広場をつかう住民自ら「広場をつくる」段階から関わり、愛着をもってもらえるよう、様々なものづくりワークショップを開催。子供から親子、お年寄りまで、様々な世代が「広場づくり」に参加しました。
アクティビティーを実践する様々なしかけ
計画ワークショップによる「やりたいことを実現するためのアイデア」や、
ものづくりワークショップでつくった「広場を楽しくするアイテム」など、多世代がたのしめる、多様なアソビのしかけのつまった広場ができました。
さまざまなアクティビティーの実践
広場完成時のオープニングイベントでは43のプログラムが同時進行するしかけをつくり、この広場の「可能性」をたくさんの住民に体験してもらいました。
今後は、年数回のイベント時だけでなく、日常的にこのようなアクティビティが自然に発生するしかけを構築していくため、これからも「広場でやりたいこと」をひとつずつ実践しながら、広場が生み出す魅力、暮らしを楽しくする広場の可能性を探っていく予定です。
現在、広場の利用ルールと維持管理体制についての検討を進めています。
共有財産としての「広場」の維持管理主体は基本的には管理組合になりますが、組合の役員のみが責任を持つ体制ではなく、様々な活動団体やサークルが運営や管理に関与し、皆で運営できる体制づくりを考えています。
これから「左近山みんなのにわ」でどんなことが生まれていくのか、見守っていてください!