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レポート
大きなパラソルの下に本好きが大集合!「しのばずくんの本の縁日」
東京・文京区千駄木。このまちにあるお寺の境内を使って様々なイベントが開催されているという噂を聞きつけ、11月3日、「しのばずくんの本の縁日2017」に行ってきました。
千駄木はいわゆる谷根千(谷中、千駄木、根津の愛称)と呼ばれるエリアのひとつ。かつて森鴎外や高村光太郎など多くの文人が居を構えた地でもあり、今でも大通りや路地を歩くと個性的な新刊書店、古書店、ブックカフェなどに出会うことができる「本のまち」でもあります。
それでは、早速レポートしていきましょう!
つくり手と読み手がつながる場
「しのばずくんの本の縁日2017(以下、本の縁日)」は、2016年から開催されている年に一度のブックイベントです。
主催は「不忍ブックストリート」。谷根千界隈の個性的な書店が連携して活動している団体です。
ソトノバで過去に掲載した「一箱古本市」も不忍ブックストリートが開催しています。
このイベントの特徴は、新刊書店、古書店、ミニコミ誌・リトルプレス発行者など、様々な立場の出店者が一堂に会していること。書籍販売以外にも、お寺の本堂でのトークイベントや音楽ライブも開催されていました。
境内をエリア分けした手書きの案内板も味があります!
実店舗と異なり、出店場所に持ってこられる本には限りがあります。そのためか、出店者のこだわりを感じる品々が並び、目移りしてしまいます。
出版社エリアではなんと編集者の方が直々に販売しています。何気なく本を眺めているだけでも積極的に話しかけてきてくれ、その本を出版するに至った裏話を聞かせてくれます。
このようなコミュニケーションも、対面型のブックマーケットならでは。
逆に、古書店の店員さんはお客さんが本を眺めてじっくり選ぶ様子を、静かに見守るスタンス。私も様々な本の中から悩んだ末に購入した本の支払いを終えると、「今日その本みんな手に取るんだけど、ついに売れたわ〜」と笑って話してくれました。さすが、観察しているんですね!
境内にあるものをフル活用! 手づくり巨大パラソル
「本の縁日」の風景を強く印象付けたのが、会場に設えられた巨大なパラソル。
こちらなんと、ビニールシートでつくられているんです!
日差しの強い日でしたが、陽の光が白いパラソルを通して会場にやわらかく降りそそぎます。会場の空気感とマッチして、とても気持ちのいい場がつくり上げられていました。
境内に植えられた樹木や、塀、倉庫、柵などあらゆるものを活用してテンションを張っているようでした。すごいアイデアです!
ひだまりの中でソトを満喫!
芝生の休憩エリアでは、のんびり日向ぼっこをしている人たちも。
フードエリアでコーヒーを買ってきて、その場で買った本を読むこともできます。
また、芝生にシートがあらかじめ敷いてあるのもうれしい心遣い! ちょっと座って休もうかな、という気持ちになります。
ここにしかない風景と文化をつくるもの
地域に根差したお寺の敷地を使ったブックマーケット。
昔からの街割りが残り、密集市街地でもある谷根千エリアには、大きな公園があまりありません。
かつて寺社の境内は信仰の場であると同時に、現代の公園のように、行楽の場、地域コミュニティの行事や集まりの場としても使われており、上野公園など日本の一部の公園は、最初は寺社の境内地を転用したことからはじまっています。
地域に根差す空間と、現代のまちの個性が見事に合わさった場から、谷根千エリアの面白さを改めて感じる1日となりました。
しのばずくんの本の縁日
開催日 | 2017年11月3日(金・祝) |
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場所 | 養源寺(文京区千駄木) |
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