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レポート

仙台のオープンスペースに屋台が復活!?屋台じゃなく「ヤタイ」??

仙台支部の筆者は、市民が作った什器やストリートファニチャーを市民でシェアする、シェアヤタイサービス「せんだいヤタイ」を仲間達と運営しています。

2016年度は、仙台市内を中心として、18団体、160台のヤタイが室内外を問わず、まちのオープンスペースで使用されました。
市民が実験しながらまちの将来像を自分達で積み上げていくような仕組みをつくりたいという思いからはじまったこの活動。その主旨や作られ方、どんな使われ方をされているのか報告します。

シェアヤタイサービス「せんだいヤタイ」とは?

「せんだいヤタイ」は、まちのシェアヤタイサービスです。

仙台市のまちにかつて多数存在した屋台と「移動する」、「仮設的である」、「まちのオープンスペースに現れる」という点を共有しており、ネーミングはその屋台からきていますが、運営方法は異なる別の活動です。

せんだいヤタイの運営はシンプルです。

皆でお金と力を出し合いストリートファニチャーを作り、それを貸し出して運営費をまかない、また、余剰金をつぎのヤタイの開発・制作に投資し、さらに収益の一部を、拠点エリアの整備費用にあてています。

初めてワークショップでヤタイをつくったのが、2015年の10月4日(日)でした。

この当時に考えていた、次の問題意識がせんだいヤタイをはじめるきっかけとなりました。

○自分の好きなエリアの整備費用を稼ぐ活動をしたい!
○色々な人が主体的に係るまちづくり!
○まちのオープンスペースでもっと多様な実験を!

自分の住んでいたエリアのコミュニティとのかかわり「自分の好きなエリアの整備費用を稼ぐ活動をしたい!」

せんだいヤタイは、私が仙台のとあるエリアの自治会を紹介してもらい、自分の家を引っ越し、自治会の活動に参加させてもらうようになったことから活動がはじまりました。

自分が住んでいるエリアの自治会活動に参加するようになり、まちの整備費用を自分たちで稼げるような仕組みがあれば!と考えていました。
そのため、せんだいヤタイの収益の一部は、自治会と協力し、エリアの整備費用に充てられるような仕組みとしています。

このエリアの自治会では、廃止となった都市計画道路跡地の管理運営を市から任されており、そこに交流のための農園を自分たちで整備し、農園の運営を行いつつ、四季イベントなどでエリアの住民間の交流を促してきました。

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自治会が管理・運営する都市計画道路跡地 photo by keita odaira

最初のワークショップは、この農園のオープンスペースを会場として使わせていただきました。

また、ワークショップ準備を農園にかかわるメンバーに助けてもらうなど、このエリアの住民の方のおかげでヤタイを作ることができました。せんだいヤタイを通じて、このエリアに多様な人がかかわり、住民の方も交えて多様な交流がうまれればと考えています。

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最初のワークショップの風景。農園のオープンスペースで作らせてもらった photo by aoyama kyouhei

「仮説→作成→実験!」なまちづくり「色々な人が主体的に係るまちづくりを!」

せんだいヤタイを利用することで、誰でも手頃な値段で、ヤタイを使う事ができます。

1台1日3,000円で使うことができます。2日以上借りると、1台1日2,000円です。
「こんなまちが欲しい」という想いを持っている方が、一時的にでも自分が欲しいと思っている空間を、自分のまちに自分でつくることができれば良いなと思っています(実際は、ヤタイを使う場所の所有者の方の同意が必要になってきますが・・・)。

そんな時に、手頃に使える什器や空間の設えとしてヤタイを利用してもらえればと考えています。
今後も、店舗型のヤタイだけではなく、色々な仮設的な什器やストリートファニチャーなど、仮設空間の設えを市民でシェアできるようにしたいと考えています。

自分たちが欲しいまちをつくる一歩として、ヤタイを使ってもらって、様々な人による主体的な実験が多種多様にまちで行われれば良いなと考えています。

また、ヤタイはワークショップを通じて、色々な人の手によって作られることをコンセプトにしています。

「自分もまちをつくりたい!」というまちが好きな人や、ものづくりが得意な人がヤタイ作りを通じて、様々な人と知り合ったり、まちに行ったり、まちの事を考えたりするきっかけになれば嬉しいです。

まちのオープンスペースでもっと多様な実験を!様々な市民によるオープンなまちづくりが新しい可能性をうむ。

公園や、公開空地、コインパーキングなどの空間資源が都市にはたくさんあり、ここで、さらに様々なことが起こり、多くのモノやコトと出会えれば新しい可能性がうまれ、まちがさらに面白くなるのではと考えていました。

私1人が提供できるコンテンツは限られますが、多様なプレイヤーの方々にヤタイを使ってもらい、オープンスペースが多様な使われ方をし、様々な出会いがまちでうまれれば、さらに都市が楽しくなるのではと考え、シェアヤタイを運営しています。

おかげさまで、2016年度中に18団体の方々に、計160台のヤタイを使っていただきました。

使っていただいているプレイヤーの方々も多様です。

仙台のまちをもっと豊かにしたいという想いで事業を営む人や、それぞれの思い描くまちの姿をつくるフェスティバルや市民活動団体が、自分たちの活動をまちのなかで展開する場づくりに活用する。何かのイベントで自分たちの活動を紹介する際や、仲間達たち皆で楽しむパーティーの什器としてなど、本当に多様な方々に様々な使い方をしてもらいました。

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ヤタイを使っていただいたTOHOKU COFFEE STAND Fes‘16 Photo by keita odaira

ヤタイを作る市民、コンテンツを提供する市民、そして、まちを楽しむ市民によって、ヤタイがまちで多様な使い方がされることで、まちづくりの雰囲気がさらにオープンなものになっていけば良いなと思っています。

今後も、まちを独自に調査し、ワークショップを通じてヤタイをみんなで作っていきます。
せんだいヤタイを使っているイベントなども紹介しておりますので、せんだいヤタイのFACEBOOKページもぜひチェックしてみてください。

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