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誰でもどこでもプレイスメイキングを始められる!リモートワークショップ『グローカル・プレイスターゲティング』PWJ2021 #5-2

このセッションは、PPS(Project for Public Spaces)が開発したツールである「プレイスゲーム」から着想を得て作られた、オンラインを含めてどこからでも参加できる リモートワークショップ『グローカル・プレイスターゲティング』です。

新型コロナウィルスの感染拡大により、人々が1つの場所に集まって交流することが難しくなってしまいました。一方でこの出来事は、リモートワークやオンライン飲み会など、オンラインで人と人が繋がれることの可能性を見出すことになったり、生活圏が徒歩圏に限定されたことで近所の魅力を再発見するきっかけにもなりました。

本記事では、 そんなコロナ禍だからこそ開発することができた、オンラインとオフラインをハイブリッドしたワークショップの試みについて、わたくし比嘉祐哉が実際にワークショップに参加し体験した立場からレポートします!

*Placemaking Week JAPAN 2021の情報は、こちらからご覧ください。


ワークショップの全貌を説明するインプット編

5-2_2プレイスゲームの実施手順(下)とグローカル・プレイスターゲティングの実施手順(上)

インプット編では、参加者と一緒にワークショップを実施するための準備を行いました。最初に主催者から『グローカル・プレイスターゲティング』の目的と進め方を紹介し、その後ブレークアウトルームでグループワークごとに別れ、自己紹介とワークショップの進め方について確認し合いました。

今回のリモートワークショップの目的は、全国から集まった参加者がそれぞれの住む地域について横断的に議論することで、自分の地域のことをより深く理解し、次へのアクションへとつなげるヒントを手に入れることです。

ワークショップは大きく、自宅近所の対象地を歩きながら評価する「まち歩き」と、評価した対象地を持ち寄ってオンラインで議論する「グループワーク」の2つから構成されています。インプット編では、それぞれの内容に加え、まち歩き後にグループワークに向けて各自で準備してほしいことを共有しました。

私は普段から大学の授業でオンラインミーティングを使っているので、どこからでも参加することができるオンラインの魅力を実感していました。しかし、こうして新しい人と出会う機会がめっきりなくなってしまったので、初めての人とオンラインで人間関係を築くのは新鮮でした。

個人でプレイスの評価をするまち歩き

5-2_3対象地の選び方やスマート評価シートはQRコードでシェア

まずは各参加者が自分の近所から対象地を選定します。選定のポイントは、その地域にとって大事だったり重要だと思う場所であること、まち歩きをする時間帯(15時から17時ごろ)に良い使われ方をしてほしいと思う場所であること等が挙げられました。

対象地を選定したら、さっそくまち歩きをします。まち歩きの際に使用するのが、プレイスゲームでも用いられる評価シートです。同じ評価シートを用いて対象地を評価することで、全国どこの対象地であっても横断的に議論することが可能です。今回は現地で読み取った情報をオンラインに持ち込みやすいように、スマホ1つで評価できるようになっていました。

評価するときのポイントとして、「自分自身がどう感じたのか、直感を大事にすること」「正解、不正解はないので思いのままに考えること」などを共有しました。

私にとって近所を歩いて観察、評価するという行為は、このような機会がないとなかなか行わないことです。十年以上このまちに住み続けている中で、変わった風景と変わらない風景があります。その違いが何なのか考えるきっかけにもなり、また、普段見慣れすぎていて当たり前だと思っていた風景がもしかするとこの地域特有のモノなのかもしれないと考えるようになりました。

5-2_4まち歩きで対象地を評価し、グループワークに向けて各自スライドを作成。評価項目は「快適さと印象」「アクセス、接続、情報」「利用と活動」「社交性」の4つ。

オンラインで互いの対象地について意見交換!アウトプット編

5-2_5ブレインライティングのイメージ

まち歩き、グループワーク用にスライド作成ができたら、オンラインでつながりグループワーク開始です。グループワークは、4人ほどのグループに分かれ、「ブレインライティング」という手法を使って実施しました。

ブレインライティングとはスライドをグループ内で見せあいの1人ずつ順番にコメントしていくブレインストーミングの方法です。自分のスライドについてコメントしている間、自分は他のメンバーのスライドを見てコメントし、終わったらまた別のメンバーのスライドを見てコメントする一方で自分のスライドはまた別のメンバーに手渡されコメントを記入してもらいます。

誰かが書いたコメントを読んで、2人目の人がアイデアを膨らませてコメントを書き、それを見た別の人がさらにアイデアを膨らませる、というように、回数をこなしていくうちにコメントの量が増えるだけでなく質も上がっていきます。

グループワークは、対象地の「課題とポテンシャル」をあぶり出し、それに基づいた「ショート・タームアクション」を考え、その先に起こりうる「ロング・タームチェンジ」を想像する、という手順で進められました。これら3つの項目について1つずつブレインライティングを実施し、アイデアを練っていきました。

課題とポテンシャル

まず最初に、対象地がどのような状況なのかを把握します。スライドを読み込み、ここは改善したほうが良いんじゃないか、この要素は対象地を良くするための資源として使えるんじゃないか、と思うことを書いていきます。

1つの対象地につきコメントを記入できるのはわずか5分と限られているので、すばやくスライドを読み取って、思ったことを書き込んでいきます。「こんな薄いコメントで良いのだろうか」と思ってしまいますが、たくさん意見が集まると全体的な課題とポテンシャルが見えてきます。

5-2_6課題とポテンシャルのブレインライティングの結果

ショート・タームアクション

対象地が持つ課題とポテンシャルに基づいて、1ヶ月以内に起こせるアクションを考えます。画像の例では、お店のミニマップをつくるという発想から、体験に焦点を当てた食べ歩きマップをつくることに発想が発展し、実空間の案内板を使ってのアクションにアイデアが発展していることがわかります。このように別々の人が伝言ゲーム的にアイデアを考えることで、自分ひとりでは思いつかなかったアクションのアイデアが生まれました。

5-2_7ショート・タームアクションのブレインライティングの結果

ロング・タームチェンジ

すぐにできそうなアクションを考えたら、それが5年後、10年後の町並みにどんな影響を与えうるのかを考えます。ショート・タームアクションで生まれたベンチを配置するというアイデアと食関連のアイデアが発展し、シェアキッチン付きの休憩所ができているのではないかという想像に繋がりました。そこで生活している人たちの地域のつながりや活気も創造することができます。

5-2_8ロング・タームアクションのブレインライティングの結果

課題とポテンシャル再考

5-2_9改めて対象地についての気づきを共有

これまで「課題とポテンシャル」「ショート・タームアクション」「ロング・タームチェンジ」を考えてきたことで、対象地に対する理解がワークショップ開始時よりも深くなりました。そこで最後に改めてワークを振り返り、対象地の課題やポテンシャルをはじめ、こんな場所と言えるんじゃないか、という感想を残します。様々な角度から考えたり、他の人の対象地とも比較して考えることで、相対的に対象地の課題やポテンシャルを発見できたと思います。

以上、自分の近所を紹介しあいポテンシャルや課題を見つけ出す取り組みでしたが、良い意味で「無責任に意見が飛び交う」有意義な時間でした。ワークショップを通して、どんな場所でもたくさんの可能性が眠っていたことがわかりました。リモートワークショップという新しい取り組みも刺激的でした。物理的な距離を超えて様々な地方の「近所」を見比べて考えることができるのは学びにもなり、視野が広がりました。参加者の1人が「自分の地元が増えた感覚がする」という感想を語っていて言い得て妙だなと思いました!

ワークショップの結果は以下のマップから見ることができます。ぜひ覗いてみてください!

*Placemaking Week JAPAN 2021の情報は、こちらからご覧ください。

クレジット:比嘉祐哉

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