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公園にアクティビティを生み出す実験コンテナ「PARK PACK」に込めた3つの工夫
アクティビティを生み出す公園運営の挑戦
PARK PACKは公園運営の実験です。
いつのまにか禁止事項だらけになってしまった公園に、都市に暮らす人々の豊かで生き生きとしたアクティビティを取り戻す。そのために、それらを可能にするファニチャやツールを用意し、様々なコンテンツを展開することで、多様なアクティビティを「禁止」ではなく「推奨」しました。
公園を楽しくするのに必要な全てのハードとソフトを詰め込んだPARK PACKは、トラックで運搬できるコンテナで構成されるため、あらゆるパブリックスペースに展開させることができ、パブリックスペース再生の新たな手法となることが期待されます。
(本記事は、ソトノバ・アワード2018応募に伴う応募書類を記事化したものです。本プロジェクトは、「実験のデザイン部門賞」を受賞しました。)
公園運営の実験として取り組んだ、具体的な3つの取り組み
1.モジュールデザイン
収納性が高く、軽量な素材を使用したモジュールと呼ぶツールをいくつかのパタンでデザインし、コンテナに収納しました。
パブリックスペース利用者のニーズに合わせ様々な用途で使用することが可能です。折り紙のように組み立てが簡単な椅子やテーブルに加え、ユーザーのアイデア次第でレジャーシートにも遊具にもシェードにもできるFree Form Moduleを開発。
自在で幾何学的なモジュールがユーザーの能動性を高めました。
2.センシングデータ
画像顔認証技術を用いてリアルタイムに公園内の人数が把握できる仕組みを構築した。PARK PACKのWebサイトでは、その人数に応じたおすすめアクティビティを表示し、公園をより能動的に使うための提案をしています。
またWi-Fi環境探索型ビーコンによって、利用者属性やリピート率などを測定。公園の使われ方を定量的に把握し、よりよい場所づくりのために活用しています。
3.運営のデザイン
ファシリテーターを常駐させ、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取った。サインの掲出やモジュールの配置の仕方も、状況に応じ日々試行錯誤しながら変え、ユーザーとの対話をしやすい状況をつくりました。
結果として、運営側から提供するイベントとは別に、会期中にワークショップを自ら開催するユーザーが現れるなど、PARK PACKのコンセプトをある程度浸透させることが出来たと考えます。
PARK PACKは、パブリックスペースで何かを起こしたい個人や企業と、スペースの所有者・管理者とをつなぐメディアになりえると考えます。
2019年3月からは場所を移し、渋谷川に設置されているが、ここでも現地で活用アイデアを募ったところ300を超えるアイデアが集まりました。
これらをいかに実現させ、経済的に自立させるかというところが今後のカギとなります。
パブリックスペース利用者の能動性を高める取り組みとして今後も期待したいです。
PARK PACK by ULTRA PUBLIC PROJECT 開催概要
東京ミッドタウンが主催する
Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2018に出展
2018年10月19日~11月4日(17日間)
テキストおよび写真
ULTRA PUBLIC PROJECT※