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路上駐車場で休憩、エリアマネジメントの財源にも! 栄ミナミ「パークレット」社会実験

名古屋市都心部に位置する栄ミナミ。都市再生推進法人に指定された「栄ミナミまちづくり株式会社」が、歩行者の安全性確保とにぎわいあふれる道路空間を目指した「パークレット」の社会実験を2年連続で実施しています。

2017年11月〜12月には「ISEMACHI PARKLET」を2カ月間実施し、また、2018年11月〜2019年1月には「プリンセスパークレット」を2カ月間実施しています。これまでの栄ミナミのまちづくりと合わせて、その様子をレポートします。

(本記事は、ソトノバ・アワード2018応募に伴う応募書類を記事化したものです。本プロジェクトは、「特別賞 アーバンデザイン賞」を受賞しました。)

まちをブランディングし、エリアマネジメントの効果を上昇させる!

碁盤目状に整備された名古屋都心部。その中で、南北の通りが屈折しているという、他エリアにはない特徴を持っているのが栄ミナミです。通りの「くの字」をモチーフと設定し、ロゴマークや事業のデザインコードとして展開しています。また、各通りの現状を整理し、通りごとのイメージに合わせてコンセプトとテーマカラーを選定することで統一感を出しつつ、各通りの特徴を表現しています。

また、栄ミナミまちづくり株式会社が、様々なエリアマネジメントに取り組んでいます。2016年から、収益事業としてデジタルサイネージ事業や有料路上駐輪場事業、シェアサイクル事業などの社会実験を実施し、都市再生推進法人に指定後(2018年2月22日指定)は本格実施に移行しています。これらにも、統一したデザインコードを用いており、認知度や利用率の増加といった効果が見受けられます。

2_街路灯
「くの字」の街路灯が景観を統一する。 Photo by 谷川ヒロシ
3_デジタルサイネージと街路灯
エリアマネジメント活動の一環であるデジタルサイネージの形状や色も、統一したデザインを採用している。

歩道上を活用したエリアマネジメントに取り組んできた栄ミナミまちづくり会社では、さらに歩行者優先の道路空間を目指しました。そこで、道路空間再配分の計画に際し、海外のパークレットを参考にしようという動きが出ました。

オフィス街の駐車スペースで、もっと気軽に休憩!「ISEMACHI PARKLET」(2017年)

4_伊勢町休憩スペース
街路灯と調和のとれた景観を形成しています。

従来までの自動車中心から歩行者優先の道路空間を目指し、駐車スペースを歩道化することで、歩行者が滞在できる休憩スペース「パークレット」を2017年度に設置しました。さらに車道から入ることができる駐輪スペースを併設し、歩道を走行する自転車を車道へ誘導することで、道路空間全体を再編集しました。

5_駐輪スペース
車道の駐車エリア(時間制限駐車区間)を活用した休憩スペース 
6_伊勢町メインパース
自転車の通行するナビラインを設置し、自転車走行空間としての社会実験も同時に実施しました。

繁華街の駐車エリアで、みんなと飲もう!「プリンセスパークレット」(2018年)

ISEMACHI PARKLETにおける効果検証の結果を受け、さらなる飲食連携を強めたパークレットである「プリンセスパークレット」を2018年度に実施しました。国による「民間まちづくり活動促進事業」の補助金制度を活用しています。前面店舗である地元の飲食店と連携し、券売機でのテイクアウト商品をパークレットで飲食できるようにしています。また、歩道上の看板を集約して違法状態を解消しつつ情報を発信するため、パークレット内に周辺店舗の広告を掲出しています。

7_プリンセス実施前
パークレット設置前の実施箇所は違法看板やゴミが乱雑に置かれていました。
8_プリンセスアクティビティ
歩道の一部と時間制限駐車区間を活用し、パークレットの広さを確保することで多様なアクティビティをつくり出しています。
9_プリンセス広告
パークレット内やパラソルに掲出された広告は、情報発信の役割を担っています。
10_プリンセス券売機
テイクアウトメニューの券売機で名古屋メシを購入! パークレットに持ち込んで、外でゆっくり食べることができます。


11_プリンセスアーチ
アーチや街路灯と統一したテーマカラーのオレンジ色が、景観に一体感をつくりだしています。

パークレットを常設し、さらなる歩行者中心のまちへ!

栄ミナミは、今後の歩道拡幅やパークレットの常設化を目指しています。歩行者中心の街路空間にすべく、日々先進的な取り組みをおこなう栄ミナミを、ぜひ体感しにきてください!

All of Photo by 名古屋工業大学伊藤孝紀研究室, unless otherwise stated

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