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路上のアクティビティでまちの賑わいをつくり出す!オーストラリア・アデレードの歩行者専用道:「ランドルモール」の現地訪問レポート
皆さんは、「もっと歩道を広く使って、いろんなことをしたい!」と思ったことはありませんか?青空の下でのびのびとお茶をしたり、木漏れ日のさす空間で休憩できたら素敵だと思いませんか?
今回はそんなストリートの事例の一つとして、筆者が滞在していたオーストラリア南オーストラリア州の州都アデレードのランドルモールについて紹介します。
ランドモールって?
オーストラリアと聞いても、アデレードってどこ?と思われる方も多いのではないでしょうか?
アデレードは人口約120万人、緑地に囲まれた東西約2kmのシティと呼ばれるエリアを中心とした、歩いて事足りるコンパクトなまちです。
ランドルモールはアデレードの中心市街地で最も栄えている場所の一つで、まちの中心を通るキング・ウィリアムストリートからプルトニーストリートまでの約520mに、たくさんのお店やオフィスが並んだアデレードのまちの核のような場所となっています。ストリートが全面歩行者専用となっており、休憩スペースやオープンカフェ、イベントなどいろんな活動が展開する賑やかな空間です。
様々な歩行者のための設備が整う−常設と仮設の組み合わせ−
ランドルモール上には歩行者のためのベンチや街路樹、店舗スペースが設置されており、買い物客がベンチで休憩しておしゃべりしたり、オープンカフェでコーヒーを飲んでいる人がいたり、自由にストリート上で活動できるようになっています。
また、店舗スペースは常設のお店と仮設のお店があり、季節や時間に合わせて仮設のお店が変わるのも、ランドルモールを歩く楽しみの一つとなっています。
曜日や時間で表情を変えるストリート
ランドルモールに面しているお店は、金曜日のみ夜9時まで営業するため、フライデーナイト、いわゆる花の金曜日を楽しむ人々で賑わいます。
隣接するストリートのバーに飲みに行く人、着飾って遊びに行く人、家族みんなで買い物に来ている人など、イルミネーションのライトアップの中で金曜日のランドルモールは日中とは異なる表情を見せます。
また、土日の日中にはチャリティー団体や企業のプロモーション、子供向けのイベントの開催など、イベント会場のように使われ、市民に愛されています。
誰もがパフォーマー!ストリート上で起こる多様なアクティビティ
休憩スペース、オープンカフェや店舗、イベント活動などに負けないくらい活発なのが、ランドルモール上で行われるストリートパフォーマンスです。平日土日を問わず常に3〜5人のパフォーマーが歌、楽器、大道芸、マジックなどを道行く人に披露しています。
2月〜3月に行われるイベント、「アデレードフリンジ」の開催中は、フリンジでのショーのためにアデレードを訪れたパフォーマーがサービスやプロモーションのために芸を披露。クリスマスシーズンには本格的な歌や楽器のクリスマスソングを披露する人がたくさんいるため、さらなる盛り上がりを見せます。
また、ランドルモールのストリートパフォーマンスで特徴的なのが、パフォーマンスしているのがプロだけではないという点です。小学生の兄弟が得意の柔軟芸を披露したり、習っているバイオリンを弾いている子供達がいたり、屋外用の大きなチェスの駒と盤が設置してある日には、通りすがりの2人の勝負の戦局を十数人が見守っていることもあります。
いつも誰かのアクティビティが起こっているランドルモールは歩くだけでも楽しい気持ちにさせてくれます。
ランドルモールの空間、路上でのアクティビティの魅力を感じていただけたでしょうか。
オーストラリアを訪れる際は、ぜひアデレードまで足を延ばしてみてくださいね。