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イベントレポート「UDCK公開座談会 人が集う「まちなか広場」のつくり方、つかい方」

先月、ソトノバにて案内がありました、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)での公開座談会「人が集う「まちなか広場」のつくり方、つかい方」にUDCKスタッフとして参加してきましたので簡単にレポートします。

【4/17】「UDCK公開座談会 人が集う「まちなか広場」のつくり方、つかい方」開催!

今回の座談会の参加者はなんと40名近く!
講演者は、「富山市まちなか賑わい広場」(愛称:グランドプラザ)を現場で指揮したまちなか広場界のレジェンドであり、ソトノバでも「あいうえお 広場ニスト入門」を連載している山下裕子さん。

グランドプラザを通して見えた「まちなか広場」の可能性や運営のコツ、柏の葉でのまちなか広場の可能性についてなど、様々な視点や考え方を聞くことができ、非常に有意義な座談会となりました。

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まちなか広場の役割とは?

そもそも「まちなか広場」とは、街の心臓のように機能し、人の流れを街につくるものであると山下さん。

また、街に人の流れと賑わいを長期的に生むには、近接する組織や敷地の垣根を超えた連携が必要であり、「近隣の百貨店でお弁当を買って、まちなか広場で食べて、近隣の駐車場のゴミ箱にお弁当のゴミを捨てられる。その駐車場の管理会社からすると何の利益もなくゴミを捨てられることになるが、そのような使われ方をまちとして容認していくことが大切。」と力説していました。

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とにかくやりたいことをやってみる!やりたい人を応援する!

グランドプラザ運営のスタンスについては、「「社会実験実施事業がメイン事業である。」とし、グランドプラザの可能性を追求することが街の賑わいとエネルギーを持続的に生むことに繋がる」とおっしゃっていました。

なんと、ガラス屋根が付いている半屋外空間であるグランドプラザでサンマを焼き、その煙で問題が起きないか実験したこともあるそう!
また、街でアクションしたい人とそれを応援したい企業をマッチングするなど、まちづくりに積極的に関わることで、街に賑わいを生む担い手づくりも行っているとのこと。

市民が主体的に街に関われる場づくり!!

何を意識してグランドプラザを育ててきたかという話では、かの有名な建築家ルイス・カーンの名言である「都市とは、小さな子どもが歩いていくと将来一生をかけてやろうとするものを教えてくれる何かに出会う、そんなところだ。」を挙げ、「市民が街に関わりを持てて、様々な世代が街へ出かける機会となるような街の遊び場づくりを意識してきた。」とおっしゃっていました。

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柏の葉の可能性とこれからとは??

柏の葉の印象については、「柏の葉キャンパス駅前の道路は横断禁止になっているが、市民は横断防止の鎖を越えて無理やり横断しているよう。であれば、鎖で歩車分離するのではなく、市民が自由に道路を横断することを前提とした街にした方が良いのでは。」とのこと。
「街の地形や構造物、ストリートファーニチャーを活かした公共空間の一体的な活用をすると街により一層の賑わいが生まれるだろう」とのアドバイスを頂きました。

まちなか広場は歴史的な転換点!!!

最後に、UDCKセンター長の出口敦さんからは、「まちなか広場は古代のアゴラのようなもので、街に不確定なアクテビティを生む場として機能している。そのアクティビティがきっかけとなって市民活動的に街に新たな施設や場所を生まれることもあるだろう。また、昔から西洋は広場の使い方が上手く、東洋は道路の使い方が上手いという文化があるが、グランドプラザのようなまちなか広場づくりはその関係を大きく変える歴史的な転換点になるかもしれない。柏の葉もそのムーブメントに乗れるようにしていきたい。」との総括がありました。

現在、全国各地で同時多発的に起きているまちなか広場づくり。
これは、単に街の賑わいをもたらす場所づくりというだけでなく、市民と街の関係のあり方をも大きく変える歴史的なムーブメントの始まりなのかもしれません。
そんなことを強く感じた素敵な座談会でした。

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イベント概要

【講演者】山下裕子さん(全国まちなか広場研究会、NPO法人GPネットワーク理事)
【日 時】2016年4月17日(日)13時半~15時
【場 所】UDCK(柏の葉キャンパス駅西口徒歩1分 東大駅前サテライト1階ホール)
【参 加】申し込み不要・無料
【主 催】柏の葉アーバンデザインセンター[UDCK]
http://www.udck.jp/event/003294.html

photo by 遠藤翼

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