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スペイン・バルセロナのパブリックスペース ダイジェスト7選!
今年も残るところもうわずか。年末年始を海外で過ごす方も多いと思います。
スペイン・バルセロナには、パブリックスペースを楽しく、上手に使いこなす工夫やアイディアがいっぱい。そんな、バルセロナで見つけた、パブリックスペースの見どころを、ダイジェストでご紹介します。
歩道を彩るフラワーショップの路面販売(新市街)
拡張市街の公共空間は、整然と街路が区画され、交差点は四つ角に大きな隅切りがされています。この一角の歩道に面するフラワーショップの前には、お店の前の歩道上で路面販売をしています。売りものが、歩道を歩く人を楽しませ、街を彩っている、街とお店の良好な関係が生まれていました。
お城でパブリックビューイング(モンジュイック城)
市街南側にモンジュイックという小高い丘があります。
ここは、20世紀半ばまで監獄だった「モンジュイックの城」があり、現在は、バルセロナ市の所有で、地中海を望む、市民のための公園として開放されています。
日が暮れ始める休日、カラフルなモバイルチェアを持った市民が丘を登って集まってきます。その先には、お城の外庭で、ライブやパブリックビューイングを楽しんでいました。
お城という歴史的な空間だから保存して使わないのではなく、お城だからこそ持つ広い庭を使うことで、暮らしの中に、お城という存在がより身近になり、多くの人の憩いの居場所となって、お城の歴史や文化が受け継がれていくのかもしれません。
ノリノリなキオスク型の観光案内所(ランブラス通り)
自由気ままな雰囲気を感じられるバルセロナは、たくさんの店やオープンカフェで賑わいが続いていき、街歩きに飽きません。そんなたくさんの観光資源があるバルセロナの街の観光案内は、キオスク型の案内所で、ノリノリな女性たちが気軽に街を紹介しています。歩道上にあり気軽に立ち寄れることで、街歩きや観光を、より一層楽しめる空気感にしているのかもしれません。
歩けば憩えるベンチあり!(グラシア通り)
ちょっと休んだり、本を読んだり、会話をしたりと、バルセロナの街中には、あらゆる場所に、色々なベンチが設置され、人々の暮らしや活動を受け入れています。観光客はもちろんのこと、オープンカフェも多いため、ちょっと気軽に外に出で、コーヒーを飲みながら新聞を読む。そんな日常の暮らしの光景をよく目にします。街中のベンチが、まるで自分のリビングのような使われ方をしています。
遊び場がたくさん!公園には、卓球台やメリーゴーラウンドも。
旧市街に位置するエリアは、路地も不規則で、子どもの遊び場が多くありません。そんな中、まちなかのオープンスペースの一角には、ポップアップのプレーパークが出現!他にも大きなメリーゴーランドがある公園や、本格的な卓球台がある公園も。まちなかの公共空間で楽しめる仕掛けがたくさんあります。
コミュニティファーム(ゴシック地区)
旧市街のまちなかに整備されたオープンスペースには、周囲に面する住民たちのコミュニティファームがありました。手書きで書かれたメモ紙などを見ると、そこに暮らす人々の生活が垣間見えます。私的な利用を制限されがちな公共空間ですが、地域のために解放することで、公共空間が暮らしの中に根付いたり、コミュニケーションが生まれるきっかけにもなります。
オープンカフェや屋台で補う賑わいの連続性(バルセロネータ)
同じストリートでも、お店のショーウィンドーが並ぶストリートと、マンションのエントランスや駐車場ばかりが並ぶストリートでは、歩いて体感する時間感覚が違います。しかし、地区と地区の間や、幹線道路で分断される街などは、どうしてもお店などが途切れてしまうところがあります。
旧市街から少し東に歩くと、1714年にバルセロナ旧市街の城壁外に初めて整備された住宅地バルセロネータがあります。そして、1992年のバルセロナオリンピックを契機に再整備が進み、海岸公園や人工ビーチなどの公共空間が整備されました。
旧市街からバルセロネータに向かうには、幹線道路を渡り、さらに海岸沿いを少し歩く必要があります。この旧市街とバルセロネータの地区を繋いでいたのが、オープカフェや屋台などの移動式店舗でした。オープンカフェや屋台などを置くことで、退屈することなく、地区と地区の間を移動できてしまう、こうした人と人の回遊を楽しくさせる視点でも、公共空間は活躍していることが伺えます。
賑やかなバルセロナの街には、たくさんのアクティビティを生み出す仕掛けがたくさん。観光客はもちろん、そこに生活する人々が、街を居場所に出来るたくさんのパブリックスペースのアイディアが見つけられました。