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ソトノバ副編集長が直伝! 伝わる文章が書けるコツ【ライター説明会・講座レポート】
「文章で伝えるって、なんでこんなに難しいのだろう!」
昨年の夏からソトノバの学生ライターを始めて、壁に何度もぶち当たっている三栗野です。
そんな私に朗報! 某大手出版社出身のソトノバ副編集長が、ライター講座を開催すると言うのです。
当日はソトノバの新規ライター説明会も兼ね、10人の参加者を迎えました。私もその1人として加わり、1時間ほどの講座とワークショップを受けました。その体験レポートをお届します!
女性9割、ソトノバ初経験も多く
4月末の開催当日。講座に先立って、まずはライター説明会からです。ソトノバ編集長の泉山塁威さんがソトノバの概要やライターについて紹介しました。
参加者はほとんどが女性。PR会社にお勤めの方や、子育てをしながらまちづくり活動の起業準備中の方など様々です。意外とソトノバをご存知ない方が多く、興味深げに話を聞いていました。
ソトノバ・ライターとは、日々の記事を発信したり、ソトノバTABLEの企画・運営をしたりする、ソトノバの中心として活動するメンバーです。ライターの中にも、学生ライターや支部ライター、コラムニストがいます。その他、研究グループのソトノバ・ラボなどもありますので、詳しくは「ソトノバのあるき方」をご覧ください。
現在は、関東を中心に記事を発信しているソトノバですが、もっともっと全国各地のソトのアクティビティの情報を発信したいと思っています!あそこのソトの使い方面白い、自分の活動を伝えてみたい、など少しでも心の引っかかる方はぜひともソトノバへご一報ください! 問い合わせフォームは、「ソトノバのあるき方」のページ下にあります。
ますます高まる「一次情報」の価値
20分ほどの説明会の後、副編集長の樋口トモユキさんにバトンタッチ。いよいよライター講座の始まりです。
みなさん、一次情報と二次情報という言葉を知っていますか? 一次情報とは、自分が直接見聞きし、仕入れた情報のこと。対して二次情報とは、情報源に直接当たっていない情報のことです。
インターネットの普及によって情報があふれている時代なので、直接取材して発信する一次情報の価値は、ますます高まっています。どうすれば一次情報を聞き出し、伝えられるのでしょうか。講座では取材するときと執筆するとき、それぞれについて気を付けるポイントを説明しました。
取材は徹底的に調べて「忘れる」!?
まず、取材をするまでの心得から。ソトノバでは、パブリックスペースの関係者からの一次情報にこだわっています。プロジェクトの情報や苦労した点、どうやって実現したかなど、関係者に直接聞くことで初めて見えてくるものがあるからです。
取材時には、次の3つの段階を意識していると、樋口さんは言っていました。
(1) 調べる:取材前に相手について事前に徹底的に調べ、自分だけの切り口を探します。この段階で、良い取材になるかどうかが8割方決まるそうです。
(2) 好きになる:取材対象を調べるうちに、自分の気持ちが高まり、徐々に取材対象が好きになっていきます。この気持ちが重要。ああでもないこうでもないと自分なりの仮説(ストーリー)に思いを巡らし、取材の日に備えます。
(3) 忘れる:ところが取材中には、今まで調べてきて好きになったことを「忘れる」ことも重要だと言います。それは、自分が立てた仮説を一旦脇に置くということ。思い込んだ自分のストーリーを押し付けるのではなく、取材相手から直接、本音の言葉を引き出すようにします。
「忘れる」ということはとても大事なポイントだと思います。これは記事を執筆する際にも大切なのです。記事を書いている際に、自分の気持ちで先走りして、読者に伝わらなかったら元も子もありません。執筆時も「忘れる」ということを意識して、読者の目線に立ちつつ執筆するといいそうです。
届けたい人に呼んでもらうためのタイトル付け
取材が終わったら、次は執筆です。
この際に大切なことは、読んでもらうこと。どんなにしっかり取材しても、読んでもらえなければ意味がありません。
そのためには、タイトルと冒頭のリード文で心を掴むことが重要。タイトルを書く上での5つのコツを教えてもらいました。
(1) ターゲットを決める:誰に向けての記事なのか、誰に伝えたい内容なのかを明確に。
(2) 内容をちょい出し:この記事を読んで何が分かるかを入れます。ターゲットが知っていそうであれば、固有名詞を盛り込んでもよいでしょう。
(3) 数字を入れる:数字こそ最大の説得力です。例えば、“3億円投じた超大作”
(4) 扇動する表現を入れる:相手の感情に訴えかけます。例えば、“知れば得する○○”
(5) 簡潔に伝える:一目で読み下せることを意識します。同じ内容が伝えられるのであれば、短ければ短い方がよいとのことです。
みなさんも文章を書く機会はよくあると思いますが、タイトルや冒頭文を書くときに、上記のことはいくつ当てはまりましたか? あっさりとしてしまっても読者の心には響かないし、盛り込みすぎると字余りしてしまう。とても大変で、とても大切な作業です。
執筆した時、読者からの反応がよかったら、自分自身も嬉しいですよね。私も冒頭がうまく書けた時は、反応が良いことが多く、その時はうれしく感じます。
相手にタイトルを付けてみよう!
さあ、最後に実践です。お題は「インタビュー記事のタイトル」。2人一組になって、お互いに取材し合います! 座学で学んだ、取材時の心得を意識しながら臨みました。
タイトルが出そろったところで、樋口さんからの講評です。
私のタイトルをご紹介すると、
花を気軽にとれるまちがいい。と話す中村さんにインタビュー
※中村さんは仮名
このタイトルの添削例は、
好きなのは「花を気軽に摘めるまち」。下町女子の日常に迫る
ポイントは、「中村さん」と言っても誰も分からないので、もっと一般名詞を使うべきということ。そして、「インタビュー」という長い言葉を使う代わりに、「」で括ることでも十分意味が通じます。
ワークショップを体験してみて、インタビューの際は、仮設を組み立てつつ、誘導し過ぎないように忘れつつ、本筋を聞き出すこと。簡潔かつ客観的なタイトルにつける難しさを改めて感じました。今後もライターとして経験を積み、ボキャブラリーも増やして、早くライティングの型を覚えていきたいと思いました。
私がソトノバを始めた理由は、パブリックスペースの大切さを感じたこと以外にも、同世代の学生がもっとまちの中にあるパブリックスペースに目を向けてほしい気持ちがあったからでした。なので、パブリックスペース×学生というテーマで書くこともあります。
これからも「ソトを居場所に!イイバショに!」を心がけて執筆していきます。今後ともソトノバをよろしくお願いいたします!
All Photos by SOTONOBA