ストリート|道路空間
レポート
グランピング的ストリート活用!? 福岡・はかた駅前通りに期間限定のバル出現
福岡市博多エリアの大きな拠点である博多駅と、商業施設のキャナルシティ博多。これらを結ぶはかた駅前通りの歩道が、国家戦略特区の枠組みを活用して、期間限定の飲食店街「ハカタストリートバル」に変身しました。エリアで人気の5店舗が出店し、3月10日から20日の11日間開催。その様子をレポートします。
心地いい&フォトジェニックがポイント
初めて訪れた印象は「都会のグランピング」。豪華で快適なアウトドアレジャーが楽しめるグラマラスキャンピングは人気ですが、その雰囲気がすごく出ており、利用者が居心地良さそうにしているのがとても印象的でした。
そして何といってもフォトジェニック! 写真映えするというのはInstagramなどのSNSで拡散しやすい。もちろん直接周りにも伝えたくなる動機にもなるので、シンプルですが効果は抜群でしょう。
筆者が滞在してる間も、地元の方や観光客も多くの人が足を止めて写真を撮ったり、笑顔で一緒にいる人と話してたりと楽しそうな表情を見せていました。
博多エリアの人気店が集結!
博多エリアで人気のビストロ、日本酒、コーヒー、ドーナツの店舗が集まっており、このセレクトが意外と重要です。
人気店であればどこでもいいわけではなく、この界隈でお店を構えている店舗が出店することで、期間終了後もそのお店に足を運び回遊性が生まれます。出店店舗にとっても、一緒に博多エリアを盛り上げていこうというモチベーションになりやすいでしょう。
主催側と出店側の垣根を超えてパートナーとして一緒に取り組んでいく姿勢が、こういう取り組みを持続可能なものにする大事な鍵かもしれません。
博多らしさ=お酒がある楽しい場
こう言い切ってしまうと少し語弊があるかもしれませんが、お酒と美味しい食べ物と楽しいコミュニケーションがあるのが博多っぽいと思うのは私だけではないはずです。昼の雰囲気とは一変して、夜はワイワイガヤガヤとすごく楽しそうな様子が通りにあふれ出ていて、屋台の立ち並ぶストリートに共通するような魅力がありました。
「お酒がある楽しい場」が博多の文化的DNAにすりこまれていることが、開催期間中、毎夜満席に近いにぎわいを生み出した最大の要因ではないかと推察しています。
パブリックスペース活用にもローカライズが必要で、そのまちならでは、その通りならでは、その場所ならではの要素を上手く取り入れてました。
通りの主役が車から人へ
はかた駅前通りの課題として、立ち寄るような店舗が少ないので、ただの通り道になってしまっていることが挙がります。
今回のような取り組みが、通り沿いの建物の低層階に物販や飲食店を誘致することにつながれば、日常的に歩いて楽しい通りになりますよね。さらに再整備によって、歩いて楽しいまちがこの通りを起点にどのように広がっていくのか、引き続き注目してお伝えしていきたいと思います。
ハカタストリートバル
期間:2017年3月10日(金)〜20日(月) 11:30〜22:00
場所:はかた駅前通り歩道
出店:GARB LEAVES、manu coffee、ケンジーズドーナツ博多、住吉酒販、日々のてまひま
主催:博多まちづくり推進協議会
Cover photo by まっくす