ストリートが変われば、まちが変わる。【ソトノバtable#2公式レポート】

12月1日。2回目の開催となったソトノバTABLE#2が原宿のIKI-BAにて開催されました。

今回のテーマは「ストリート」。20名以上の方に参加いただき、会場は満員御礼!コンサル・行政・鉄道・旅行関係・学生さん等々、あらゆる分野にわたった方々に参加いただき、「ストリート」というテーマが多くの皆さんに関心高いということを改めて実感する会となりました。

そんな今回のテーマ「ストリート」についてお話しくださったプレゼンターは三浦詩乃さん(横浜国立大学助教)と鈴木美央さん(慶応義塾大学大学院博士後期課程)。御二方とも、これまでの自身の研究等を事例にストリートのあり方や魅力について熱く語ってくださいましたので、その様子をレポートいたします!

会場となったIKI-BA

会場となったIKI-BA (photo by やまさきまさき)

 

まずはじめ、ソトノバ編集長・泉山より、国内におけるストリートをはじめとした公共空間の動向についてのレクチャーから。

オープンカフェやマルシェがあたりまえに行われている今日。道路という一種の公共空間でオープンカフェやマルシェをやる意義について、そこでの出展者同士の交流等からうまれる新しいメニューの開発や文化がつくられることにあるとはなします。

-なぜ、道路空間活用なのか-

今回のソトノバTABLE。〝道路を活用しなければいけない本質的な意味とは?〝といった命題のもとスタートです。

 

「20年後のストリート空間に想像を膨らませる」

研究成果のグラフ等を次々と出しながら丁寧なプレゼンをしていただいた三浦さん

研究成果のグラフ等を次々と出しながら丁寧なプレゼンをしていただいた三浦さん

 

まずは三浦さんから、現在のストリートの現況・課題からみた今後のストリートマネジメントのあり方や方向性についてのおはなし。

既存の課題が反映されがちな現在のストリート整備に対し、5年10年とかけ完成したころには、既に新たなライフスタイルの変化が起きてしまうことを懸念し、「20年後のストリート空間に想像を膨らませる」ことが必要と投げかけます。

「ストリートにはだれでも受け入れられる公共性や移動する楽しさがある」とストリートの魅力をあげる一方、①従来のメインストリートと新しいストリートの共存②広場とストリートの使い分け③実験から定着といった戦略的実験設計が課題であるといいます。

その上で、三浦さんは今後のストリートマネジメントについて、交通や空間のシェア、リニアインフラ、防災対策、上手くいくところから効果を見せつけることなどの重要性を訴えます。

さらに「管理者が違うからといって道路・公園・広場をばらばらに整備するのではなく、その境界を取っ払い整備することが大事」というように道路を道路、広場を広場といった単体ごとの計画として考えるのではなく、一つのオープンスペースとして一体に考えるといった視点の提案も。

最後に三浦さんから、20年後のストリートマネジメントのキーワードとして「観光」「福祉」「働き方」などもあげられ、ストリートマネジメントといえども、都市計画といった視点だけでなく、あらゆる視点からの提案が必要であることに気づかされるおはなしでした。

 

 

「小さな運動が長期化・集合化することで、都市に多大なインパクトを与える」

調査の際の写真をあげ、本場ロンドンのストリートマーケットの魅力を語る鈴木さん

調査の際の写真をあげ、本場ロンドンのストリートマーケットの魅力を語る鈴木さん

 

つづいて鈴木美央さんは、ロンドンのストリートマーケットとグラフィティーからみるストリートの魅力・可能性についてのおはなしが。

ご自身が調査に行った際の写真をあげながら、本場ロンドンのストリートマーケットの様子を紹介してくださいました。

広場文化が薄いロンドンでは、道路上でのマーケットが主流だとか。会場の参加者のなかにもロンドン観光中、たまたま出くわしたという人もいるくらい、ロンドンでは、まちのそこら中でストリートマーケットがおこなわれているのだとか。

今の日本では、このようなマーケットやマルシェをやるとなると、警察協議が大きな壁となり、場所や規模が制限されることが多々・・・

しかしロンドンの場合、ストリートマーケットに関しては、ロンドン全体の共通ルールはあるものの、運営は大半が自治体だそう。自治体がどこでマーケットをやるか自由に決められること、その現場により臨機応変に対応できることが成功の秘訣と鈴木さんは言います。

二つ目にお話しいただいたのはグラフティーについて。一人のアーティストよるアートが集まることによってできる地域性にグラフティーの可能性があると話します。ロンドンではグラフティーツアーなどもあるようで、観光資源となったり、美術館に行かなくても芸術を楽しめたりするのがグラフティーの魅力なのかもしれません。

さて、このストリートマーケットにしても、グラフティーにしても共通するのは、小さな集合体であること。鈴木さんは、「小さな運動が長期化・集合化することで、都市に多大なインパクトを与えることができる。大きな建築を建てなくてもストリートマーケットのような小さなものの集積でまちは変わるのではないか。」とストリートの可能性を熱く語ってくださいました。

 

ストリート×異業種交流

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さて、ディスカッションが終わった後は、美味しいごはんを囲みドリンクス!

参加者の皆さん同士が交流し、自身の仕事や活動について情報共有する交流時間となりました。

多種多様な業種の方々に参加いただいただけあり、ディスカッションの際の質問・意見も多種多様であったのが印象的でした。

今後もこのソトノバTABLEでは、様々な分野の人同士が集まり公共空間についてハイブリッドに語れる場としていきたいですね。

 

 

【ソトノバTABLE#2 概要】

テーマ:ストリートマーケット・ストリートマネジメント〜道路空間の魅力と可能性〜

日時:2015年12月1日(火)19時〜22時
場所:IKI-BA
プログラム:
1) 「ストリートの向かう先:ライフスタイルの未来像から考える」三浦詩乃(横浜国立大学助教)
2) 「街路から街が変わる!~ロンドンのストリートマーケットとグラフィティーを通じて~」鈴木美央(慶応義塾大学大学院博士後期課程)

photo by ShihonaARAI

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荒井 詩穂那

荒井 詩穂那

ソトノバ副編集長/(株)首都圏総合計画研究所研究員/NPO法人・ハマのトウダイパークキャラバン実行委員会メンバー  神奈川県横浜市出身。行動派。現場派。学生時代は、近代における東京・大阪・横浜の公園計画や小広場空間の採用について研究。現在は、都市計画コンサルタントとして働く傍ら、休みの日には地元横浜で、公園等の活用プロジェクトを実施。