日本版タクティカル・アーバニズムの先駆者とアクションのはじめかたを議論! ソトノバTABLE#17レポート

ソトに関心を持つ人たちがつながる場となっている「ソトノバTABLE」。

6月7日に開催した17回目では、建築家でmi-ri meter(ミリメーター)共同代表の笠置秀紀さんと宮口明子さんをゲストにお迎えして、彼らの活動とタクティカル・アーバニズムに対するアイデアを共有してもらいました。今回のソトノバTABLEは通常とは違うスペシャル版として、JSURPまちづくりカレッジのスピンオフとして企画。カレッジ受講生の発表をゲストも聞き、意見を交換するという大変充実したソトノバTABLEとなりました!

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ミリメーターの笠置秀紀さん(左)と宮口明子さん(右)が初登壇

まず、タクティカル・アーバニズムとは? ソトノバでも随時発信しているこのキーワード。アメリカ・メイン州出身で現在はブルックリンを中心に活動するマイク・ライドンさんが普及させたこの概念は、近年サンフランシスコやニューヨークを中心に広まってきている都市計画の手法論のひとつです。

ボトムアップで実際に市民レベルで活動を起こし、「小さなアクションから将来的な大きなチェンジを巻き起こそう」というコンセプトを持ったタクティカル・アーバニズム。実際に日本ではどのような方がどのような活動しているのか、プレーヤーとして街中でアクションを起こしているミリメーターの2人にお話を聞きました。

公共空間に感じる違和感を掘り下げていく

今でこそタクティカル・アーバニズムという言葉が使われていますが、そもそも2010年を過ぎたあたりから使われ始めた用語です。その概念が普及する以前から活動していた笠置さんと宮口さんは、一体どんなものをタクティカル・アーバニズムと考えているのでしょうか。

「何をすればタクティカル・アーバニズム、という定義はない。ハウツーではなく、ただ公共空間に対する違和感のようなものを追求していく」のが笠置さんと宮口さんのスタイル。「アートは民族のアンテナ」という言葉を大切にしており、アーティスティックな視点から、彼らが感じた違和感に対して問題提起をしていくアプローチが印象的でした。

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渋谷のセンター街で話題となった「ジベタリアン」からアイデアを得たプロダクト「MADRIX 2000」。「地べたは彼らのリビングルームなのではないか?」という発想から生まれたアイデア

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鳥取で実践したこのプロジェクトでは、地元の方々から廃品を少しずつ分けてもらい、濾過装置をつくりました。住民と地元の川との距離を縮める試み

JSURPまちづくりカレッジ受講生の企画発表

第2部ではまちづくりカレッジ受講生ら4グループによる企画の発表がありました。日本の居心地のよい空間を考えるAチーム。都心で足水など、涼とくつろぎを考えるBチーム。「30 Yard Zoo」というタイトルの下、本能を刺激するアクティビティを企画するCチーム。「こどもも」というコンセプトで、子供のアクティビティに着目するDチーム。

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各チーム、持ち時間5分のプレゼン。チームを組んでから2週間とは思えない提案が続々と

第1回の講義から約2週間という短い準備期間でしたが、とても興味深く、魅力的で創造的な4つの企画がそろいました。7月23日の当日にはこの4グループに加え、以前丸の内仲通りに“卓球台”を設置したソトノバ・ラボのパブリックスペースツールラボに所属するメンバーも参画し、夏の仲通りでアクションを実践していきます。

社会への問題提起を

ミリメーターの2人のお話と、まちづくりカレッジ受講生の発表が終わった後は、各チームごとにテーブルに別れ、ディスカッシションです。受講者以外のソトノバTABLE参加者は、自分の興味のあるチームのテーブルに移動してもらい、ブレストに加わりました。

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チームごとのディスカッションも夜遅くまで盛り上がります

今回の発表では、どれもとてもクリエティビティを刺激するアイデアが出そろいました。「面白いアイデアをいかに、初めのコンセプトを忘れずに、日常性を忘れずに」形にしていけるかが大切であると、笠置さんは言います。プロジェクトを進めていく中で、その根底にある解決したい問題が何かを忘れてはいけないということだと思います。

これをすればタクティカル・アーバニズム、という単純な話ではない。時代とともに変わる社会背景やパブリックスペースの文化に常にアンテナを張り、そこで感じた違和感をクリエイティブな方法で、仕掛けを通して人々と社会に問題提起をしていく──。それがタクティカル・アーバニズムなのではないかと思いました。

さて、もうすぐ6月も下旬。7月23日、各チームのアクションが真夏の仲通りをどのように彩るのか、乞うご期待です!

「タクティカル・アーバニズムのはじめ方」ソトノバTABLE#17

日時 2017年6月7日(水)19:00-22:00
会場 好奇心の森「ダーウィンルーム DARWIN ROOM」(東京都世田谷区代沢5-31-8)
主催 ソトノバ
企画 ソトノバ・ラボ|タクティカル・アーバニズム・ラボ(Tactical Urbanism Japan)
ゲスト 笠置秀紀、宮口明子(mi-ri meter)