雪まつりだけじゃない!?ビルの谷間で雪と光のインスタレーション「SAPPORO YUKI TERRACE 2017」#レポート

皆さんは「札幌」というワードから何を思い浮かべますでしょうか?

おそらく「ゆきまつり」と答える人が多いと思いますが、今回は、ゆきまつりの関連イベントで雪と光をモチーフに冬の魅力を伝えるアート作品を展示するイベント「SAPPORO YUKITERRACE 2017」(サッポロユキテラス2017)を公共空間の活用という視点からレポートしていきます。

「SAPPORO YUKITERRACE 2017」は2017年2月4日から12日まで、札幌市北3条広場(通称:アカプラ)にて開催され、かまくらの中でのアート作品展示や建築家による屋外インスタレーションなどが高層ビルの谷間に展示され、それらをイルミネーションの光が包み込み魅力的なソトの空間を演出していました。

会場のアカプラ一帯は、札幌の都心に位置する金融・ビジネス街であり、近くには時計台や北海道庁旧本庁があり、北海道開拓の歴史が色濃く残っている観光スポットです。
ビジネスマンや観光客が行きかうアカプラは、一年を通して様々なイベントが行われています。雪のない季節では赤レンガの上でイベントをしたり、イベントのない日にはイチョウ並木の下で、スケッチを描いたり、佇んでいる日常の時間が流れています。そんなアカプラは冬の風景はあまり知っている方も少ないでしょう。

それでは、幻想的な雪と光のアート空間を、写真と共に、札幌支部で学生ライターの田中翔太が紹介します。

ビジネス街のソトを、雪と光で幻想的な空間に

雪国に住む人々にとって雪とは、冬の生活における厄介者でもあり、生活する領域から日常的に排除しなければならない存在でもあります。

一方で、雪とは雪国・さっぽろを象徴する存在でもあり、貴重な観光資源にもなっています。そんな厄介者でもあり、貴重な資源でもある雪を、アーティスト達が斬新な演出で雪の新たな可能性を表現しており、雪の持つポテンシャルの高さや、付き合い方を考えさせられるような作品が展示されていました。

また、都心のビジネス街のソトとは思えないようなエキゾチックな空間が広がっており、会場は普段とは違う賑わいを見せていました。

3
建築家 五十嵐淳氏による作品「Warm air pool(暖かな空気のプール)」

6
赤の膜から下がやんわりと温かい。まるで冬の露天風呂のような感覚…

寒いソトでもホットなワイン、ロマンチックな氷の家で

会場にはスタイリッシュなキャンピングトレーラー「エクストリーム」が出現し温かい食べ物やホットワインを提供していました。2月の札幌のソトは、氷点下を下回ることが多く、非常に寒いのが特徴ですが、そんなソトで飲むホットワインはとても温かく、とても幸せな気分になれます。

2

キャンピングカーで買った食べ物や飲み物は、氷の家のなかで持ち込んで食べることができます。青い光の氷に包まれながら、ホットワインを飲む。ロマンチックな至福のひと時です。

4
エクストリームと氷の家

5
氷の家の中には氷の机とソファーが設置されている。ロマンチック

ちいさなかまくらの中に広がる異世界

会場内には4つのかまくらが設置されており、かまくらの中ではアート作品の展示が行われていました。薄暗いかまくらや、やんわりと明るい光を放つかまくらもあり、その中で繰り広げられるアート作品はかまくらのなかに広がる小宇宙のようでした。

7
人が入れるサイズのかまくらですが、異世界につながっているような感覚になります

いかがでしたか?

ビジネス街と観光拠点の2つの顔を併せ持つアカプラでこのようなイベントが行われることは、都心の新たな魅力の創出に大きく付与していると思います。

一方で札幌都心には、人がただ通るだけの公開空地や広場が多く、ビル街のソトの使い方がわからないまま今日まで来ていると考えます。

アカプラからソトの使いこなし方を発信することで、札幌都心の眠っている広場がより賑わっていく。
そんなアカプラの可能性を「SAPPORO YUKITERRACE 2017」を通して感じました。

Photo by Shota TANAKA

The following two tabs change content below.
田中翔太

田中翔太

木更津高専環境都市工学科卒業/かつて札幌オリンピックのメイン会場だった街、真駒内においてまちづくり活動に参加する傍ら、都心の余剰容積率に見るコンパクトシティの在り方について研究している。高専時代は土木工学を専攻し、建築と土木の二刀流を目指すべく修練の日々は続く。