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【展示会レポート】日建設計・国際コンペ受賞の「レールコリドー展 パブリックスペースがまちをつなぐ」に行ってきました!

先日、ソトノバでもお伝えしました、「日建設計・レールコリドー展 パブリックスペースがまちをつなぐ」ですが、昨日(2/4)に泉山が行ってきましたので、レポートとしてお伝えします!会場では、日建設計の金香昌治さん、岡田惇史さんにご案内いただきました!

展示会場の公開空地も廃線跡地で、レールコリドーだった!

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まず、会場の日建設計東京ビルに向かうと、オシャレなキッチンカーが!単なる賑やかしかなと思うと、担当の方によれば、日建設計東京ビルのあるアイガーデンエアは、元々鉄道貨物操車場跡地!まさにレールコリドーということで、単なる展示会ではなく、エリアや場所の価値を上げる取り組みを展示会と共に仕掛けているそうです。

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実際に、公開空地を活用する取組みはこれまであまりなかったということで、新たなチャレンジを始めています。

つくりっぱなしではなく、周辺の住民の方の生活にも溶け込むパブリックライフを!

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さて、このプロジェクトの名前は、「RAIL CORRIDOR|LINES OF LIFE」(レールコリドー|ラインズオブライフ)。パブリックスペースをつくりっぱなしではなく、周辺の住民の方の生活にもパブリックライフとして溶け込むようにデザインや仕組みが提案されています。

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レールコリドーは、シンガポールを南北に結ぶ24kmの長さを誇る鉄道跡地です。シンガポールのKTM鉄道の貨物鉄道が、2011年に廃線となり、マレーシア政府からシンガポール政府に土地が移管され、2015年春に国際コンペティションが行われました。一次、二次審査が行われ、日本からも数社、海外からも多くの事務所が応募をしたようです。いくつか賞があるうち、マスタープラン部門で賞をとりました。

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24kmを整理するデザインダイアグラム

会場には、A0版30枚ほどの提案ボードが。コンセプトから設計ダイアグラム、空間デザイン、植生の分析、水循環のエコシステム、マネジメントシステムなどがまとめられています。それにしても、24km、100haの空間をデザインしていくうちにも担当者も情報の整理が大変だったようです。そこで、地形やデザイン、土地利用、アクティビティを全て俯瞰して見ることができるダイアグラムがデザインをする上でも、プレゼン上でも役に立ったとのこと。

「パブリックスペースがまちをつなぐ」とは

デザインのポイントは、事業区域の中だけをランドスケープデザインをするだけではなく、周辺の地域とのつながりをつくること。貨物鉄道であったので、地域を分断していました。さらに24kmもあると地域によって場所性は異なり、場所によっては、多様なコミュニティの地域もあり、業務系、住宅地系、公営住宅など、周辺環境は様々。そんな周辺の住民がBBQをしたり、サイクリングをしたり、ヨガをしたりなど、生活シーンに合わせて、パブリックスペースを使えるように、まさに「パブリックスペースがまちをつなぐ」ようにデザインされています。

まちの記憶をどうつないでいくか

元々駅舎のあった場所や鉄道の記憶などを継承するようにデザインされています。駅のプラットフォームがあった場所にはなるべくランニングステーションや休憩できるプラットフォームなども提案されています。

オープンデータやエリアマネジメントも

ハード面だけではなく、シティアプリやGISプラットフォームなどのオープンデータを活用し、コミュニケーションを誘発するだけではなく、人のアクティビティのデータ計測によって、ベンチの数を増やしたり、必要な施設を増やしたり、減らしたりなどのデザイン面にも生かす取り組みも。そして、エリアマネジメント的には、米国ニューヨークのHIGH LINEのように、ファンを大事にして、Tシャツなどのグッズなどでファンづくりと寄付による運営も提案されていました。

レールコリドーのこれから

これからについては、まだマスタープランができた段階で、周辺住民とのコミュニケーションをしている段階。24kmもあるし、部分的に段階的に整備されていくそうです。完成して実際に空間整備されるのが楽しみです。

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会場には、提案ブックが4冊ほど。膨大な知見とアイデアがまとめられています。

プロジェクトについては、日建設計HPでもまとめられています。

最後に、最終コンペ審査会のプレゼンテーションでも使用されたという、ムービーをご覧ください。ムービーに登場するのは、シンガポールの現地の方々のようですよ。

all of photo by 泉山塁威

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