公園は賑わいの核になる?「おしゃピク」から始める松山の「公園まちづくり」

最近、よく耳にする「おしゃピク」。
「おしゃれピクニック」の略で、インスタグラムには色鮮やかなドリンクやフード、趣向を凝らした飾りつけをしてピクニックを楽しむ姿がアップされています。
ソトの楽しみ方として、ポピュラーなピクニックに注目が集まるなか、愛媛県松山市では、公園まちづくりの一環としてピクニックイベントを開催するグループがいます。
実は筆者もそのメンバーの一人で、今回は私たちが考える「公園まちづくり」についてレポートします。

きっかけは担い手育成プログラム「松山アーバンデザインスクール」

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隔週金曜の夜、まちなかのフリーテラスに集まる大学生・社会人。

愛媛県松山市には、公民学が連携してまちづくりに取組む組織「松山アーバンデザインセンター(UDCM)」があります。UDCMは様々な事業を展開していますが、コア事業の一つとしてまちづくりの担い手を育成する「アーバンデザインスクール」があります。

これは、市内4大学の教員などの指導のもと、まちづくりについて学び、企画し、実践するものです。大学生や社会人が30名ほど集まり、数人でグループを組んで、それぞれがまちの課題を解決する手法を検証します。

このプログラムを通して生まれたグループが「公園まちづくり@松山」です。
はじめは、公園や道路などの公的不動産で稼ぐまちづくりのビジネスモデルについて検討していましたが、検討を重ねるうちに公園の在り方や利活用に関心が高まり、「公園まちづくり」について研究することにしました。

公園が生活の軸に、賑わいの核に?

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広い芝生広場に対して着座設備は少なく、滞留する人の姿はまばら。

松山市中心部には、広大な芝生広場や美術館、図書館、ホールを備える都市公園があります。それが、松山城のふもとにある城山公園。

市の代表的な公園で、立地と広さから大規模イベントの会場として使われることが多いのですが、イベントがない日の利用者はそれほど多くありません。

「まちなかにありながら、木々に囲まれ、鳥のさえずりが聴こえる気持ちのいい公園なのにもったいない」
「公園の近くに住むことがステータスになってもいいのでは?」
「住民が公園を軸とした豊かなライフスタイルを送ることによって、公園はまちの賑わいの核になるのではないか?」

そう考えた私たちは、城山公園をフィールドに活動することにしました。

公園を居場所に!手ぶらでピクニックができるイベントを企画

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色鮮やかなバルーンで飾りつけられたピクニックエリアのイメージ

まずは、誰でも気軽に参加できるピクニックイベントを企画しました。

園内の一角にピクニックエリアをつくり、公園を楽しむアクティビティとしてワークショップなども開催します。

ピクニックをしてみたいけど、何をどうしたらいいのか分からない・・・そんな人でも気軽に参加できるよう、ピクニックグッズはレンタルできます。もちろん、シートなどを持ちこんで自由にピクニックするのも大歓迎!ピクニックエリアの入場は無料です。

キーワードは「居場所」「日常」「持続性」

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晴れた休日の昼下がり、メンバーで集まってピクニック。

この取組の目的は「公園の居場所化」です。学校や職場、お気に入りのカフェなど人によって色々な居場所があると思いますが、その中に「公園」をプラスしたい。

居場所が多いほどきっと人生は楽しいし、公園は誰の居場所にもなり得る。そういう想いから、ピクニックイベントを企画しました。

コンセプトは「日常」です。

ピクニックイベントは公園利用のきっかけであって、いつまでも続けるものではありません。
こういったイベントが無くても日常的に公園を楽しむ文化が根付くことが重要なので、飲食店のブースをずらっと並べたり、個人ではできないような大掛かりなことはしないと決めています。

有りがたいことに、色々な方からアクティビティ協力のお話をいただきましたが、日常的に行うことができないものはお断りしてきました。

そして、重要なのが「持続性」。

UDCMは公的な組織ですが、このイベントに補助金は入っていません。少額ですが、メンバーで資金を工面し、ピクニックグッズのレンタル料で運営費用を賄う予定です。収益が出た場合には、次の事業に充当します。将来的には、カフェなど園内にある施設がこの役割を担えるよう、今回のイベントを通してピクニックグッズの貸出による収益モデルを検証します。

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ピクニック会場となるさくら広場。写真奥の山頂には松山城があります。

ピクニックイベント開催後も、季節ごとに公園を楽しむイベントの開催や今回調べたこと・考えたことをまとめた「ピクニックのススメ」や「公園イベントのススメ」の発刊を検討しています。

今後も研究・実践を繰り返し、公園を活用した小さな取組みを積み重ねて、公園が住民にとって「生活の軸」に、まちにとって「賑わいの核」になることを目指します。
取組内容はFacebookやHPなどで随時発信しますので、ぜひチェックしてみてください!

All photos by Saori MITSUNAGA

【実施概要】
日 時: 2017年11月26日 [日] 11:00~16:00
場 所: 城山公園 堀之内地区 さくら広場(愛媛県松山市)
主 催: 松山アーバンデザインスクール 公園まちづくり@松山
内 容: ピクニックグッズの貸し出し、フォトプロップスワークショップの開催など
ウェブサイト: こちら

 

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光永早織

光永早織

松山市役所/東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻(在学中) 愛媛県松山市出身。市役所の保健福祉部署で働いたのち、研修として国土交通省に出向。国の立場で官民連携のまちづくりに携わる。現在は市役所に戻り、プレイスメイキングなどの社会実験を担当。プライベートでは、社会人大学院でPPPについて研究中。目指すのは、皆が笑顔で暮らせる社会。