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パーク|公園

人との関わりと公園内の自然体験から生まれる遊び!緑に囲まれた練馬区立こどもの森

みなさんは子どもの頃、どこで遊んでいましたか?

近くの森?それとも児童館?はたまた公園でしょうか。

遊んだ記憶は小さい頃の思い出として残っているかもしれません。

「練馬区立こどもの森」は、訪れると子どもの頃に戻って遊びたくなるような場所。練馬区の住宅街を歩くと突然出てくるみどりの森。遊具の多くは、子どもたちの手作り。これらが「練馬区立こどもの森」の特徴です。お昼過ぎごろになると学校帰りの子どもたちがいて、自分たちでつくった遊具や、公園にあるおもちゃを使って遊んでいます。

今回は、公園好きな練馬区在住の筆者が、練馬区の個性的で面白い公園を紹介したい!との想いから、公園内の自然環境や人との関わり合いを活かして子どもたちが遊んでいる練馬区立こどもの森公園の紹介をします。

(ソトノバ・スタジオ|ソトノバ・ライタークラス1期生の卒業課題記事です。)


「練馬区立こどもの森」とは?

練馬区立こどもの森」(以下、練馬こどもの森)は、東京メトロ有楽町線・副都心線「氷川台駅」から徒歩10分ほど歩いた場所にあり、面積は約3000㎡です。2015年に開園し、「自然×冒険×交流」をコンセプトとして、樹林地や農地など、練馬に昔からあるみどりに囲まれて、おもいっきり遊ぶことを目的として作られました。

今回紹介するのはプレーパーク。

「プレーパークは、子どもが「やってみたい」と思うことを、なるべく何でも実現できるようめざした遊び場。 たとえば、木登りや穴掘りや工作、水遊び・泥んこ遊びに焚き火もできちゃう。 建物の屋根に登ることも、そこから飛び降りることもOK。 自然の中で体を使って、思いっきり遊べます。」

NPO法人 プレーパークせたがやHPより引用)

練馬こどもの森の常駐スタッフはプレーリーダーと呼ばれています。

「プレーリーダーとは、あそび場で子どもと関わる専門スタッフのことです。「子どもが自分らしくいられること、いきいきとあそぶことができるよう環境を整える」のが仕事で、そのための業務は多岐にわたります。」

練馬こどもの森HPより引用)

単純に、子どもの遊びを手伝うだけではなく、子どもの「やってみたい!」を促すような主体性を発揮できる環境作りを心掛けられていて、子どもの発想力や交流を高められるような公園です。

公園を歩いてみた

氷川台駅から徒歩10分ほど住宅街を歩くと到着し、静かで落ち着いた住宅地の中に場所にあります。公園内には多様なアクティビティがあり、歩いているとまるで子どもの頃に戻ったような感覚を味わえます。

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こどもの森MAP 出典:「練馬区立こどもの森」HP

キウイに覆われる公園。日影も意識した場所づくり

公園に入るとまず目に入るのが、公園一帯に設置されているパーゴラとタープです。練馬区は東京都の中でも気温が高く、夏場は毎日35℃近くまで気温が上がります。そのため、子どもがソトで遊ぶのにも細心の注意を払わなければいけません。練馬こどもの森では暑すぎる気温の対策の為にこのパーゴラやタープが一役買っています。

パーゴラにはキウイが繫茂していて、日影の生成に貢献しています。それ以外にも花が咲くので四季の移ろいがあったり、収穫する楽しみ、秘密基地感を出すという役割もあります。これらは子どもたちが自然に触れるキッカケにもなり、自然体験を促す役割も。

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冬頃に収穫できるキウイ、手が届くかな? 

自分たちでつくる公園。子どもが作る遊具で遊ぶ

園内には通常の公園にみられるような遊具が無く、自分たちで遊ぶ方法を考えなければなりません。そのため、公園内にあるのは子どもたちが作った遊具がほとんどです。園内にあるものを使って、遊び方を考える。自分たちの発想力を活かしてつくった遊具で遊ぶ姿はとても生き生きとしていました。

公園内に生えていた樹木と合わせる感じで作られた滑り台は手作り感満載で、非常に愛着が持てるデザインになっています。

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つくりかたも、遊び方もオリジナル 

時には大人も一緒に混ざって遊びます。子どもの発想には驚かされることばかり。大人も子どもから学ぶことができる、そんな場所が練馬こどもの森です。

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面白そうな遊具にみんな集まってくる 

農で学ぶ公園。農園マスター活動による農体験

練馬こどもの森には遊具以外にも、農園があります。この農園で農の楽しさを教えてくれるのは地元の6代続く農家さん。プレーリーダーや、子どもたちの親も一緒になって季節の野菜を育てます。

さらに、種まきして終わり、収穫だけ手伝うという関わり方ではなく、長い目で見て、農の楽しさを教えてくれるプログラムがあります。

「農園マスター活動」という制度で、1年を通して2回募集され、植え付けから始まり、草取り、間引き、堆肥作りといった細かい部分まで体験します。収穫した後も、みんなで作った作物でランチ会を開催したりと、最初から最後まで農を楽しむことができ、野菜をつくることの難しさ、大切さという部分を肌感覚で学ぶことができます。

また、農家の方と一緒に農を学ぶ際には、こども同士、住民同士の交流も外せません。大切なのは、世代が違う人たちと一緒に汗を汗を流しながら、ゆるく温かいつながりを感じることです。

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地元の農家さんと一緒に種まき 

練馬こどもの森を訪れて

公園にあるものをなんでも遊びに変えてしまう子どもの発想力と四季折々のイベントがある練馬こどもの森、いかがでしたでしょうか。

私は、公園が遊具を使って遊んだり、家からボールを持ってきて遊ぶ場所、つまり既成のものを使って遊ぶ空間、だと考えていました。そのため、最初に訪れてこどもたちがつくった遊具で遊んでいるのを見た時は「こんな自由な遊び方ができる公園があるのか」と面喰いました。

そして、練馬こどもの森の「自然×冒険×交流」というコンセプトにあるように、自然体験や人との交流から、新しいことを発見する冒険のような行為が子どもを成長させるのだろうと公園を歩いていて思いました。そうした冒険のような行為ができる公園が都内には少なく、増やしていく必要性を感じます。

子どもがのびのびと遊べる練馬区立こどもの森、自分も子ども時代にこんな公園があったらもっと公園で遊んでいたかもしれません。ぜひみなさんも地元にあるプレーパークに子どもを連れて訪れてみてはいかがでしょうか。

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その季節に合わせた遊び方を

All photo by 練馬区立こどもの森

練馬区立こどもの森 HP

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