住宅地の真ん中で「夜の音楽祭」! 西千葉HELLO GARDENで実現できたワケ

住宅地のオープンスペースで夜に音楽イベント──周辺からクレームの嵐になりそうな企画を、地域を巻き込むことで実現してしまったのが、西千葉にある「HELLO GARDEN」です。

2016年のグッドデザイン賞を受賞したばかりの、空き地を活用して新たな暮らしを提案するプロジェクト。14年にスタートして以来、たくさんのイベントを開催してきました。その中でも今回は、主催者が「今までで一番良かったかもしれない!」と言うぐらい充実した体験でした。

当日、ドリンクスタッフとして参加した三栗野がレポートします!

町内会の盆踊り、連動イベントで盛り上げ

そのイベントとは、11月12日に開催した「月夜の音楽祭」。ボサノバやニューオリンズジャズのバンド生演奏、DJタイムなど、お酒を片手に思わず体が動いてしまう音楽が満載です。

以前のソトノバの記事(その1その2)でもご紹介してきたように、普段はゆったりとした明るい雰囲気のHELLO GARDEN。しかし、この夜はまったく違った表情を見せました。暗くなったソトの世界を彩る、月の光とチラチラと輝く電飾。心地よい歌声が、イベントに来た人々を包み込んでいました。その空間は、まるで映画のワンシーンのようです。

夜を照らす綺麗な装飾と、ボサノバを演奏するバンド。ボーカル、ギター、ベース、サックス、パーカッションの5人編成で、素敵な歌声とリズムを奏でます

夜を照らす綺麗な装飾と、ボサノバを演奏するバンド。ボーカル、ギター、ベース、サックス、パーカッションの5人編成で、素敵な歌声とリズムを奏でました

「カップルがデートをする時に、おしゃれなところがまちにあったらいいな、という妄想から始まりました」。そう振り返るのは、HELLO GARDENを運営するHARA-PECO LAB.の西山芽衣さんと古田紗知子さん。自分のまちで、お酒を片手にした大人がムードある夜が過ごせる日があってもいいよね、と企画を進めました。

この妄想が実現するきっかけになったのは、HELLO GARDENのお隣にある公園で毎年夏に開催されている、町内自治会主催の盆踊りです。HELLO GARDENでは昨年から、7月の盆踊りのタイミングに合わせて「盆踊りnight」というイベントを開催し、町内のお祭りを盛り上げてきました。

公園では昔ながらの盆踊りソングに合わせて、町内会のメンバーやお子様が、櫓を中心に回りながら踊る。そしてその横のHELLO GARDENでは、クラブミュージックが流れる、若者向けのお祭り。お互いに興味を持って、行き来する人もいました。そんな多世代の交流の仕掛けを続けてきたことが、町内会にも味方を増やしていました。今回、夜のイベント実施に当たって事前に相談したところ、快く受け入れてもらえたそうです。

ホットドリンクを片手に、演奏に耳を傾けるまちの人。外国の方も目立ちます

ホットドリンクを片手に、演奏に耳を傾けるまちの人。外国の方も目立ちます

そうして実現した「月夜の音楽祭」。HARA-PECO LAB.のお2人は、「今まで開催してきたイベントの中で一番良かったかもしれない」と振り返ります。

多世代に親しまれる定番ナンバーの演奏の合間には、DJスタイルのクラブ音楽も流れます。そのDJタイムにも、ご近所のおばあちゃんたちが体を揺らして楽しんでいたのです。その様子を見て西山さんは、「年齢に関係なく、受け入れてもらえたことが嬉しい」と話します。

「すべてのことを、まちの人たちに受け入れてもらわなくてもいい。ただ、1つだけでも共感してもらえて、その時を楽しんでもらえたら」。普段からそういうスタンスで運営している2人にとって、今回のイベントは印象深いものとなったようです。

たくさんのまちの人が、この音楽祭を楽しんでいます

たくさんのまちの人が、この音楽祭を楽しんでいます

バンド演奏の合間にはDJタイム

バンド演奏の合間にはDJタイム

できることをできる人が持ち寄る

「月夜の音楽祭」に参加したのは、ミュージシャンだけではありません。ご近所のパン屋さんやコーヒー屋さん、レストランのマスターも加わってイベントを盛り上げました。西千葉というフィールドに根付き、日常的にHELLO GARDENという居場所を開いて、使いこなしていくなかで、少しずつつながりが広がっているのです。

そうしてみんなができることを持ち寄って、手づくりでイベントを盛り上げています。主催者とお客さんという関係ではなく一緒になって楽しみ、まちの人と過ごす時間を共有しているのだと思いました。

ご近所のパン屋さんもイベントを盛り上げてくれました

ご近所のパン屋さんもイベントを盛り上げてくれました

HELLO GARDEN特製のアップルジンジャーやハーブティーを振る舞います

HELLO GARDEN特製のアップルジンジャーやハーブティーを振る舞います

明るく光る月、風に揺れる可愛い電飾。心踊る音楽に体を揺らしながら、寒空の下で暖かいアップルジンジャーカクテルを飲み、まちの人と語らう夜のソトの場。この上なく楽しい、有意義な空間でした。

まちの人の日常的な暮らしの居場所になっているからこそ形になった今回のイベント。今後もどんな体験ができるのか、楽しみです!

All Photos by Sachiko FURUTA

HELLO GARDEN「月夜の音楽祭」
日時: 2016年11月12日(土)16:00〜21:00
入場料: 事前予約2,000円(1ドリンク・おつまみ付)、当日1,300円 ※小学生以下は入場無料
バンド演奏: キタムラキカク/早稲田大学ニューオルリンズジャズクラブ
DJ: カナさん/DJ粂
フード: 〈da.b〉特製フード
出店: HELLO GARDEN(ドリンク)/豆nakano(コーヒー)/Boulangerie dodo(パン)
住所: 千葉市稲毛区緑町1-18−8
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三栗野鈴菜

三栗野鈴菜

千葉大学工学部建築学科(在学中)。地元の福岡県久留米市で、久留米のまちづくり活動に参加しながら、以前の出身校・有明高専在学時には八女福島地区の歴史的市街地における近隣交流に着目し、研究を行う。ヒトやコトがウチやソトのまじりあいによってにぎわいが生まれる空間に好意を持ち、そんな空間を探し求めている。学生ならではの視線を大事にしながら、今アツいオープンスペースについて学習中。