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パーク・イノベーションで福岡のまちと水辺を変える!?都心の水上公園が劇的大変身!

今福岡では都心部天神に新たなランドマークが誕生し話題となっています。
それは天神のメインストリートである明治通り沿いにあり、天神と博多を分ける那珂川に隣接してつくられた水上公園です。

元々は大正12年に昭和天皇のご成婚を記念してつくられた公園で、古い歴史があることはあまり知られていません。また福岡市最初の市営公園でもあります。

こちらの水上公園がリニューアルされて劇的に生まれ変わったのですが、これは単に公園がリニューアルされただけの話ではないのです。福岡のまちを変えるぐらいのインパクトと可能性を持っています。

これについては、数回に分けてお伝えしたいと思います。初回は、福岡水上公園プロジェクトの概要をお伝えできればと思います。

CG ©shinsaku hidaka イラスト ©yonemura toshinori

CG ©shinsaku hidaka イラスト ©yonemura toshinori

CG ©shinsaku hidaka イラスト ©yonemura toshinori

CG ©shinsaku hidaka イラスト ©yonemura toshinori

福岡の都心が大きく変わる天神ビッグバン

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まずこの水上公園のリニューアルは、福岡市の掲げる都市再開発プロジェクトである「天神ビッグバン」の第1号という位置づけでもあります。

天神ビッグバンは、老朽化した民間ビルなどが多く集まる天神地区において,国家戦略特区による規制緩和などを活用し新たな空間と雇用を生み出すプロジェクトです。これにより民間投資を促して、市中心部のビルや公共施設などの再整備が進められようとしています。
※詳細はこちら

この天神ビッグバン構想の東のゲートに位置するのが水上公園であり、この1つの「点」が変わるだけでなく、起点となり福岡のまち全体が変わろうとしている出発点なのです。

まちから水辺へと広がるムーブメント

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水上公園の位置は、天神と博多をつなぐ場所にあり、さらに博多港周辺のウォーターフロントとも関連しており、リバーフロント(水辺空間)の活性化にも大きな役割を担っています。

上記はリニューアル前の水上公園 ※出典:Y氏は暇人(http://y-ta.net/suijyo-koen2/)

上記はリニューアル前の水上公園
※出典:Y氏は暇人(http://y-ta.net/suijyo-koen2/

リニューアル前までは、風のプリズムというモニュメントや緑地があるぐらいで、正直あまり有効活用されているとは言えませんでした。しかし、このスポットが今後市民や観光客にとっても憩いの場やにぎわいの場として整備されていくことで、まち全体の回遊性も高まっていくことでしょう。

これまでバラバラな動きだった天神と博多とウォーターフロントが線としてつながり、面としてダイナミックにまちがにぎわっていく可能性を大きく含んでいます。

さらに、今全国へ広がっている水辺活用の可能性を創造していくミズベリングというプロジェクトが福岡でも水上公園を拠点に始まりました。Mizbering FUN CLUB Fukuokaとしてすでにその輪がどんどん広がっているようです。

スタンドアップパドルボード、通称SUP(サップ)と呼ばれるサーフボードの上に立ちパドルで漕ぐウォータースポーツも人気が高まっていますが、そのSUPの全国大会九州予選レース大会も水上公園周辺で開催されましたし、今福岡の水辺が盛り上がりを見せています。

SAILING PARK〜世界へ、市民とともに帆をあげて

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ここからはもう少し具体的に水上公園のリニューアルをご紹介します。

福岡市では、水上公園の再整備工事に合わせて民間活力を導入することとし、民間事業者を公募しました。その結果、西日本鉄道(株)が整備・管理運営事業者に選定されました。

事業スキームとしては、事業者が福岡市から施設の設置管理許可を受け使用料を支払う形で、公園部分は福岡市の費用負担で整備するという官民協働事業(PPP)でした。

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リニューアル後は、公園部分と休養施設部分に分かれ、休養施設は「SHIP’S GARDEN」という名称になりました。イメージは「世界へ漕ぎ出す、水上の船」ということで、建物のモチーフである船(SHIP)、公園と一体となった施設屋上が庭園(GARDEN)と表現されています。

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施設1階には世界一の朝食と評されるオーストラリア発のオールデイカジュアルダイニング「bills(ビルズ)」が西日本初出店し、2階にはミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版に掲載された福岡市の隠れた名店「星期菜NOODLE & CHINOIS」が入ります。

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そして、施設の屋上は船のデッキのようなスペースになっており、階段状のベンチに座ったり、芝生スペースでくつろげます。ここはイベント時にはステージとなり、にぎわいを生み出すイベントが今後次々に開催されていく予定です。

この屋上デッキの存在により、公園全体のパブリックスペースを減らすことなく、居心地の良さを向上することにつなげています。この辺りも含めて市民に親しんでもらう「市民とともに」という姿勢が現れているように感じました。

市民の居場所としてのパブリックスペースのシンボルへ

1人の市民としてリニューアル後の水上公園を初めて訪れた時から開放感のある居心地の良さを感じていました。それはbillsの高い天井やガラス張りの美しい外観が理由というだけではないつくり手側に込められた願いなのかもしれません。

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先日、筆者が属する福岡ピクニッククラブで屋上デッキにてピクニックしましたが、とても心地いい雰囲気で、隣でも芝生の上で若い女性たちが寝転んでゆったりしていました。他の人たちも滞在時間が長めで本当に居心地が良さそうなのが印象的でした。

まずは福岡市民が自分たちにとっての居場所に、そしていい場所にしていきたいと思える公園に、そういうパブリックスペースの福岡のシンボルのような存在になっていくことを願ってます。

次回は開発担当者の方々にお話を聞いてみたいと思いますのでお楽しみに!

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