木材活用とおもてなしの一石二鳥! 錦二丁目長者町「都市の木質化プロジェクト」パブリックスペース・ベンチをご紹介

2016年8月から10月にかけて開催中の「あいちトリエンナーレ」の会場の一つである、名古屋市中心部の錦二丁目長者町。このまちで今、まちを訪れた人をもてなすためのベンチが設置されています。今回は「都市の木質化プロジェクト」の一環である錦二丁目のベンチについてご紹介します。

クルマのためのまちからヒトのためのまちへ

錦二丁目では、緑地や公園がなく、休むところがないことが問題になっています。トリエンナーレの会場ということもあり、まちに訪れたお客さんにちょっと休憩してもらいたい、お客さんをおもてなししたいとの気持ちから、公共空間や公共空間に隣接する私有地にベンチを設置しています。

この活動は、名古屋大学の多分野の研究者や実務者、地域のコミュニティーと協働し木材を有効利用することで山と街を再生する取り組み、「都市の木質化プロジェクト」の一環です。プロジェクト自体は2009年にスタートし、錦二丁目まちづくり連絡協議会など関係各者と連携しながら活動を広げてきました。

今回も、繊維街で問屋や店舗を営む方を中心としたまちの人を始め、都市計画・農学の専門家やデザイナー、愛知県下の森林組合の方など、様々な立場の人々が協力してベンチの制作から設置までを実現しています。

錦二丁目長者町で開催している「都市の木質化プロジェクト」

錦二丁目長者町で開催している「都市の木質化プロジェクト」

錦二丁目では緑地がないことに加え、道路幅員が広く一方通行逆走やスピード超過も問題になっており、公共空間のあり方の見直しも課題となっています。「公共空間ベンチ」や「長いベンチ」などの都市の木質化プロジェクトのベンチは、公共空間のあり方や使われ方を提案しながら、山と街を再生する、木材の循環利用を促進するという大きな役割も担っています。

設置した公共空間ベンチは10基。木材を使用し、1基ずつ異なるデザインにしています。

設置した公共空間ベンチは10基。木材を使用し、1基ずつ異なるデザインにしています。

ちょっと一息つける、温かみのある空間が通りに出現。

ちょっと一息つける、温かみのある空間が通りに出現。

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みんなで作るまちのベンチ

「長いベンチ」は、まちの方を始め都市の木質化プロジェクトに関わる方などが集まり、自分たちで木材を運び込み、みんなで協力して組み立て、設置しました。設置の過程では通りがかりの人や集まった人たちの出会いや交流があったり、普段はできない木材の組み立てが経験できたり、著者は繊維街の方にカンナがけを教えていただいたりと、ベンチを中心に様々な活動が起こり、わいわい作っていきました。

みんなで組み立て、ビス打ちも。

みんなで組み立て、ビス打ちも。

疲れたら、作りかけのベンチでちょっと休憩。

疲れたら、作りかけのベンチでちょっと休憩。

完成した長いベンチ。敷地縁のわずかな空間がすてきなベンチに変身!

完成した長いベンチ。敷地縁のわずかな空間がすてきなベンチに変身!

これらのベンチは、錦二丁目に訪れた方に溜まれるスペースを提供しながら、公共空間の可能性について考えるきっかけ、私たちのまちの公共空間を私たちらしく上手く使いこなしていく一歩になっているのではないでしょうか。

今回紹介したベンチは、もちろん、誰でも使えます。まちの人たちのおもてなしの心をあらわす錦二丁目のベンチ、ぜひ座りにきてみてくださいね!

Photo by Takuya Nabeta

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渡邉 真理

渡邉 真理

名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻(在学中)。まちづくり活動に参加しながら、サンフランシスコ・ロサンゼルスのParkletの研究を行う。2015年に1年間オーストラリア、アデレードに留学。公共空間の利用やイベントを実際に体験、日本の公共空間創出に貢献したいと考える。