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ロンドンで訪れるべきパブリック・スペース20選! 【後編:セントラル・ロンドン編】

こんにちは!2回にわたってご紹介しているセントラル・ロンドンのパブリック・スペース20選。いよいよ後編です!
前編は「初めてのセントラル・ロンドン編」として、ロンドンのパブリック・スペースの定番ともいえる場所を中心にご紹介させていただきました。今回は、観光客というよりも、ロンドン市民が多く集う、とっておきの場所をご紹介したいと思います!

11. ラッセル・スクエア | Russell Square

住所:Russell Square, Bloomsbury, London WC1B 5BE

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平日夕方のラッセル・スクエア Photo by Ai SUZUKI

ロンドン大学(University of London)や大英博物館(British Museum)がある文教地区・ブルームズベリー(Bloomsbury)に位置するラッセル・スクエア(Russell Square)。ジョギング、食事、会話、睡眠などなど、さまざまなアクティビティがみられる広場です。観光で訪れている人はあまり見られない、まさにLondoner(ロンドン市民)の憩いの場ともいえるでしょう。中心部にある噴水は、2002年に行われた再開発の一環で設置されたものです。

12. ポップ・ブリクストン | Pop Brixton

住所:49 Brixton Station Road, Brixton, London SW9 8PQ

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昼夜問わず多くのイベントが開催されています(出典:https://www.facebook.com/events/222340598529331/233441864085871/

人口の25.9%が黒人(2011年政府統計)であるロンドン南部・ランベス(Lambeth)。かつては高い失業率と犯罪率に悩んだ地域であり、1981年にはランベスの中心地であるブリクストン(Brixton)で、数百人もの若者と警察の衝突が発生。歴史的に、人種問題、貧困に苦しんできたこの地域で現在、ポップ・ブリクストン(Pop Brixton)といわれる期間限定のコミュニティ主導のプロジェクトが行われています。

ポップ・ブリクストンには、レストラン、ストリート・フード、デザイナー、美容院、ラジオ局など、55ものテナントがひしめいており、そのうち70%が地元ランベス発のビジネス、50%がスタートアップ、20%がソーシャル・エンタープライズです。また、テナントには毎週少なくとも1時間、コミュニティ内でのボランティア活動(募金活動など)が義務として課されています。

つい先日、6月9日には、ポップ・ブリクストン3周年を祝うパーティーが開催されました。

ポップ・ブリクストンについては、日本語で以下のような記事もリリースされています。

小さなビジネスを育て、街に還元するロンドン「ポップ・ブリクストン」の“幸せのコミュニティ”

13. トリントン・スクエア/ビング・プレイス | Torrington Square/ Byng Place

住所:Torrington Square, Bloomsbury, London WC1E 7JL

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ランチは食堂ではなくマーケットで調達! Photo by Ai SUZUKI

ロンドンでは、マーケットは「わざわざ休日に出向く特別な場所」ではなく、「何気ない普段の食事を購入する場所」!

ここトリントン・スクエア/ビング・プレイス (Torrington Square / Byng Place)は、ロンドン大学の建物が立ち並ぶエリア。ここでは、毎週木曜9:00〜14:00、「ブルームズベリー・ファーマーズ・マーケット(Bloomsbury Farmers’ Market)」が開催されています。

マーケットを運営するのはIFMと呼ばれる団体。IFMは、広場やストリートのみならず、トリントン・スクエア/ビング・プレイスのような大学のそば、そして大学構内でもマーケットをひらいています。

14. ゴードン・スクエア | Gordon Square

住所:Gordon Square, Bloomsbury, London WC1H 0PD

University College Londonさん(@ucl)がシェアした投稿


晴れた日の昼時は学生でいっぱい!(出典:https://www.instagram.com/ucl/

トリントン・スクエア/ビング・プレイスに引き続き、ロンドン大学の学生がしばしば利用している場所を紹介したいと思います。ここゴードン・スクエア(Gordon Square)は、1820年から1850年の間に建設され、その名の由来になったのは、デザインを担当した第6代ベッドフォード公(6th Duke of Bedford)・ジョン・ラッセル(John Russell)の第二婦人・レディ・ジョージナ・ゴードン(Lady Georgina Gordon)です。

ゴードン・スクエアをはじめとしたロンドンの数多くの広場や公園は、もともと個人の所有物でした。しかしながら、ゴードン・スクエアは現在、ロンドン大学所有となっており、だれでも利用することができます。

公園内には軽食を購入できるキオスクがあるほか、周囲はカフェが多くあるため、昼時になるとロンドン大学の学生でいっぱいになります。私自身、晴れた日は、近所のカフェでtake away(持ち帰り)をして、ここで友人とランチを食べることがあります。

15. マーチャント・スクエア | Merchant Square

住所:Harbet Road, London W2 1BF

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ソトでのミーティングなら、いつもよりクリエイティブになれる!?(出典:https://frustratedgardener.com/2017/06/05/the-floating-pocket-park-merchant-square-london/

2017年にオープンした、ロンドン初のフローティング・ポケット・パークがあるマーチャント・スクエア(Merchant Square)。730平方メートルものこの新しいオープン・スペースは、オックスフォード・ストリート(Oxford Street)にある高級百貨店「ジョン・ルイス(John Lewis)」の屋上庭園を築いたことでも知られているトニー・ウッズ(Tony Woods)によってデザインされました。

マーチャント・スクエアは、ロンドン南西部・ウェストミンスター(Westminster)地区のパディントン(Paddington)に位置しています。ビジネス街ということもあり、ポケット・パークにはWi-Fiも整備されています。ここを「フローティング・ミーティング・ルーム(floating meeting rooms)」として活用することで、オフィスワーカーが、普段オフィスで仕事をしているときよりも、クリエイティブな思考をもてることが期待されています。

16. グラナリー・スクエア | Granary Square

住所:1 Granary Square, Kings Cross, London N1C 4AA

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ターミナル駅のすぐそばで水遊びを楽しめる!(出典:https://www.timeout.com/london/attractions/granary-square

「初めてのセントラル・ロンドン編」で紹介したキングス・クロス・セント・パンクラス駅(King’s Cross St. Pancras Station)のすぐそば。ここグラナリー・スクエア(Granary Square)は、アクティビティの宝庫といえるでしょう。

グラナリー・スクエアといえばまずは噴水。1,800もの噴出口をもつ大きな噴水を楽しむことができます。晴れた日には、そこはアーバン・ビーチに姿を変え、多くの子どもたちが集まります。また、「Granary Squirt app」と呼ばれるアプリを操作することで、噴水の動きを変えることができるのです!また、夜にはライトアップがされ、昼間とはまた違った姿を見ることができます。

ここでは、オープン・カフェやオープンパブが充実しているほか、水曜~金曜の昼時には、フードマーケットも開催され、バラエティに富んだ食事を楽しむことができます。

また、テニス四大国際大会のひとつであるウィンブルドン選手権の時期になると、このようなスクリーンが登場!ストリート・フード、そしてピムス(Pimms。ロンドン生まれのジンベースのリキュール)を楽しみながら観戦するのが定番です!

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センターコートのチケットが取れなくても、ここに来れば臨場感たっぷりに試合観戦を楽しむことができます(出典:https://www.kingscross.co.uk/event/strawberries-screen-2018

17. ワン・ニュー・チェンジ | One New Change

住所:One New Change, London EC4M 9AF

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ヨガ教室も開催!(出典:https://onenewchange.com/roof-terrace

20選唯一の屋上のパブリック・スペースであるワン・ニュー・チェンジ(One New Change)。

平日6:00〜0:00に開放されているルーフ・テラスでは、セント・ポール大聖堂(St. Paul’s Cathedral)やロンドンのスカイラインの壮大な景色を楽しむことができます。屋上には、レストランやバーもあり、フランクなランチミーティングから仕事後の一杯、デートといったさまざまなシチュエーションに対応しています。

また、ヨガ教室をはじめとした数多くのアウトドア・イベントを一年中提供しています。ちなみに、ここでもウィンブルドン選手権を巨大スクリーンで無料で観戦することができます!

18. カムデン・マーケット | Camden Market

住所:Camden High Street, London NW1 8AF

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今日はどんな掘り出し物が!?(出典:https://www.visitlondon.com/things-to-do/place/25698508-camden-market

カムデン・タウン駅(Camden Town Station)付近〜チョーク・ファーム駅(Chalk Farm Station)付近に広がっているカムデン・マーケット(Camden Market)。ロンドン最大級のマーケットであるここでは、レトロからビンテージ、ゴシックからスチームパンクまで、ファッションを中心とした1,000を超える店舗がひしめき、週末には10万人もの人々が集まります。

カムデン・マーケットは、カムデン・ロック・ビレッジ(Camden Lock Village)、カムデン・ロック・マーケット(Camden Lock Market)、ステーブルズ・マーケット(Stables Market)、バック・ストリート・マーケット(Buck Street Market)、インバネス・ストリート・マーケット(Inverness Street Market)、カムデン・ハイ・ストリート(Camden High Street)の6つのエリアから構成されています。これらエリアはそれぞれ微妙に異なった表情を持っているので、ぜひお気に入りのエリアを見つけてみて下さい!

19. アッパー・アンド・ロウアー・グローブナー・ガーデンズ | Upper and Lower Grosvenor Gardens

住所:19 Grosvenor Gardens, Belgravia, London SW1W 0TT

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ビジネスマンが多いのが特徴 Photo by Ai SUZUKI

2つの小さな三角形の公園、アッパー・アンド・ロウアー・グローブナー・ガーデンズ (Upper and Lower Grosvenor Gardens)は、主要ターミナル駅のひとつであるヴィクトリア駅(Victoria Station)、そして、イギリス国内をはじめ、近隣諸国へのバスが発着するイギリス最大のバスターミナルであるヴィクトリア・コーチ・ステーション(Victoria Coach Station)のすぐそばに位置しています。公園の名は、1677年からセントラル・ロンドンの多くの資産と土地を所有しているグローブナー家(Grosvenor Family)に由来しています。

ユーザーは主にビジネスマンというのが特徴。昼時はランチを楽しむ多くのビジネスマンでいっぱいです。

20. スローン・スクエア | Sloane Square

住所:London SW1W 8EE

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高級住宅街ならではのソトの雰囲気が楽しめる!?(出典:https://www.visitlondon.com/things-to-do/place/36991422-sloane-square

ロンドン南西部・チェルシー(Chelsea)。ロンドンでも屈指の高級住宅街として知られているこのエリアに、スローン・スクエア(Sloane Square)は位置しています。

スローン・スクエアは、スローン・ストリート(Sloane Street)とキングス・ロード(Kings Road)の交差点にあり、毎年12万人もの観客が訪れる新作戯曲の発信地「ロイヤル・コート・シアター(Royal Court Theatre)」や、オックスフォード・ストリートにある高級百貨店「ジョン・ルイス」の姉妹店である「ピーター・ジョーンズ(Peter Jones)」に囲まれています。中心に噴水として設置されているヴィーナス像は、1953年、チェルシー出身の彫刻家ギルバート・レドワード(Gilbert Ledward)によって製作されたものです。

また、ここスローン・スクエアでも、マーケットが開催されています。販売されている商品は、他のマーケットと比較して、土地柄高級なものが多いです。筆者のおすすめは、新鮮な野菜!野菜はマーケットの定番ですが、ここスローン・スクエアで販売されているニンジンは格別でした!

おまけ:ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン | University College London(UCL)

住所:Gower Street, London, WC1E 6BT

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ベンチだけでなく、階段にも多くの学生が Photo by Ai SUZUKI

ニューヨーク編に対抗!?最後に、筆者の通うUniversity College London(UCL)を紹介したいと思います。
大英博物館やラッセル・スクエアと同じブルームズベリーに位置するUCLは、オックスフォード大学(University of Oxford)、ケンブリッジ大学(University of Cambridge)に次ぎ、イギリスで3番目に古い大学です(1826年設立)。

Wilkins Building (Main Building) 前は、昼時になると、いつも多くの学生たちで賑わっています。UCLの施設内はいつも混んでいて、食事をするスペースを見つけることも一苦労…学生たちは、ソトに繰り出すことで、そんな問題を解決します!

観光地から、地元民御用達のパブリック・スペースまで…

「ロンドンで訪れるべきパブリック・スペース20選!」、いかがでしたか?

ガイドブックに掲載されている「観光地」から、Londonerが集う「公園・広場」まで、セントラル・ロンドンの20のパブリック・スペースを紹介させていただきました。イギリスでの学生生活もまもなく3年目を迎える筆者ですが、今回記事を執筆していて気が付いたことをあげたいと思います。

イギリスの「食文化」がつくるパブリック・スペースの賑わい

イギリスでは食事の「持ち帰り」、つまりtake out(テイクアウト)のことをtake away(テイクアウェイ:持ち帰り)と呼びます。多くの飲食店がtake awayメニューを提供しているほか、店内で食べきれなかったものをtake awayすることも一般的です。また、まちではフードトラックがみられるほか、フードマーケットも頻繁に開催されています。

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ソーホー(SOHO)のBerwick Street Marketのフードトラック Photo by Ai SUZUKI

イギリスでは、take awayをして、公園のベンチ、大学の芝生など、ソトでランチや休憩をすることも多いのですが、こういった「食文化」も、パブリック・スペースでの賑わいをつくりだしている要素の一つだと思います。

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ビング・プレイスにあるフードトラック前のテーブルは、時に争奪戦が起こることも? Photo by Ai SUZUKI

“Four seasons in a day”と揶揄されるほど天気が変わりやすいイギリスですが、
その分、天気のいい日、時間を、社会人も学生も最大限に利用していると感じます。ソトで食事をしているときは、大学で研究をしているときと同じくらい、イギリスで生活をしているということを実感できるような気がします(笑)

今回の記事で、より多くの方がロンドンのまちに興味を持っていただけたら幸いです。ぜひ「ロンドンで訪れるべきパブリック・スペース20選!」をロンドン訪問時のお供に!

参考URL:
Gordon Square(https://bloomsburysquares.wordpress.com/gordon-square/
Granary Square, King’s Cross. A fantastic new London square(https://www.kingscross.co.uk/granary-square
King’s Cross – welcome to the neighbourhood(https://www.kingscross.co.uk/event/strawberries-screen-2018
London Farmers’ Markets | Bloomsbury Farmers’ Market(https://www.lfm.org.uk/markets/bloomsbury/
Public Rooftop Terrace | One New Change | London(https://onenewchange.com/roof-terrace
Royal Court Theatre(https://royalcourttheatre.com/
Sloane Square – Shopping Area – visitlondon.com(https://www.visitlondon.com/things-to-do/place/36991422-sloane-square
The Big 3 Pop Brixton’s Birthday (https://www.facebook.com/events/222340598529331/233441864085871/)
University College London Instagram(https://www.instagram.com/ucl/
小さなビジネスを育て、街に還元するロンドン「ポップ・ブリクストン」の“幸せのコミュニティ”(https://wired.jp/2017/05/07/pop-brixton/

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