ソトノバ・ラボの6つのパブリックスペース研究成果が集結!|ソトノバTABLE#23 ソトノバ2周年記念パーティ!レポート(その2)

11/11に開催されたソトノバ2周年記念パーティ・ソトノバTABLE#23。前回のレポートでは、セッション1の「ソトノバ・アワード」の模様をお届けしました。これに続き第2弾となる今回は、セッション2「ソトノバ・ラボの成果報告」をレポート!

2年目を迎えたソトノバでは、メディアとして情報を発信していくだけではなく、そこで得たパブリックスペースの現状・課題に対して、自らも考えアクションしていこうと、2016年10月にソトをテーマに研究・調査を行う研究体としてソトノバ・ラボを立ち上げ活動しています。

これまでラボの成果は、「パブリックスペースプロジェクト・論文発表会」等でも報告がされてきました。今年4月には、「タクティカル・アーバニズム・ラボ」、「パークレット・ラボ」、「オープンカフェ・ラボ」、「パブリックスペースツール・ラボ」、「プレイス・マネジメント・ラボ」、「アクティビティリサーチ・ラボ」の6つのワークグループとして組織転換し、新たなメンバーも加わりその活動も加速しています。

新たな体制となって初めてオープンな場での報告会となった今回。各ラボの半年での活動成果とは?ラボ間の連携による新たな展開の可能性も見えてきたクロストークの模様と併せてレビューします。

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ラボメンバーの発表に聞き入るゲスト

日本での「タクティカル・アーバニズム」の普及に向けて

まずは、日本におけるタクティカル・アーバニズム普及に向け、ガイド作成やプラットフォームづくり、人材育成を行っているタクティカル・アーバニズム・ラボ。

日本のタクティカル・アーバニズム普及に向け、その起点といえるアメリカのほかラテンアメリカ、オーストラリア&ニュージーランド、イタリアにおけるタクティカル・アーバニズムの特徴や社会背景等の比較が報告されました。ゲリラやボトムアップ型のイメージが大きいタクティカル・アーバニズムですが、主体に関わらずまちを変えたいというマインドを持った人によるヒューマンスケールの活動であることがポイントであるのではと言及し、タクティカル・アーバニズムの条件として、大衆からの共感を得ることの大切さをその一つに掲げているのが印象的でした。

今後はこれらをふまえ、日本らしいタクティカル・アーバニズムの共通項を整理し、日本版タクティカルアーバニズム・ガイドとしてアウトプットしていくとのこと。今後の動きに注目です。

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タクティカル・アーバニズム・ラボ

ヒトがいる場に機能する「パークレット」

パークレット・ラボでは、日本のストリートの未来を考えるワークショップや9月にストリート利活用に関するイベントを集中的に開催するキャンペーン「ストリートウィーク」などを開催してきました。

アメリカ由来のパークレットは、世界各国で拡大し、日本においてもここ1~2年で急速に注目度をあげています。パークレット・ラボでは、パークレットとそのルーツであるパーキングデーについて先進都市のガイドから整理し、日本での適応可能性や日本のストリートの課題解決にどう寄与するのかを検討しています。

「パークレットがあるから人が来るのではなく、人がいるところでパークレットは機能する」とパークレットはにぎわい創出の手段ではないと示唆。今後は日本版パークレットマニュアルの策定に向けた議論をつめていくようで、日本でのパークレット普及の一翼を担うものになるのか?注目です。

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パークレット・ラボ

ラボ・トーク1

タクティカル・アーバニズム・ラボ×パークレット・ラボ

クロストークでは、パークレットを始めとした海外由来のタクティカル・アーバニズム一連の取り組みを日本で参照していくうえでの課題について話が展開。制度が整っていない状況で、タクティカル・アーバニズム的な取り組みが実践されだしている日本の今。このようなショートアクションを単発で終わらせず、都市のためになる変化にどう繋げていくかを検討することも重要となっているのではないでしょうか。

「オープンカフェ」をやりやすくするために

日本の道路上でも、質の高いオープンカフェのある風景を増やそうと活動しているオープンカフェ・ラボ。オープンカフェガイドラインなどに関する論文の執筆を通して、日本におけるオープンカフェデザインガイドラインの作成・普及を目指し研究を進めています。

デザインガイドについては、空間構成、エクステリア、マネジメントの3つの視点で、日米でのマネジメントスキームの比較や国内のオープンカフェの空間類型などを整理してきました。また、エクステリアの類型化検討にあたって、事例収集のため活用したインスタグラムは、オープンカフェの利用促進を図るユニークな取り組みにも繋がっています。

歩行者専用道路や自転車道が必要であることが当たり前になっているように、オープンカフェも当たり前にあるような社会になっていたい、そんなことを目指している夢の広がるプレゼンでした。

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オープンカフェ・ラボ

ソトのアクティビティを誘発する「パブリックスペースツール」

パブリックスペースでのアクティビティの多様性が求められるなか、ツールのデザインで素敵なアクティビティを起こすことができるのではないかと活動するパブリックスペースツール・ラボ。

今年1月に制作した「PUBLIC PING PONG TABLE MIRROR」のように、実際にパブリックスペースツールを制作し、実績をもとづいた事例カタログの作成検討を進めています。

ツールのデザインに留まらず、実際に仕掛ける人にとって実用性の高いガイドをつくろうと、空間タイプ別、体制・申請・コストの情報を併せ持った「考えるべき、考える必要のある情報」がまとめられている資料を目指しているとのこと。日本のパブリックスペースのハードルや実態を逆手に、質の向上に繋がるツールの提案に期待が集まります。

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パブリックスペースツール・ラボ

ラボ・トーク2

オープンカフェ・ラボ×パブリックスペースツール・ラボ

このトークセッションでは、お互いに協力しあえることについてディスカッション。
ツールの概念の一部ともいえるオープンカフェをモデルに、ツールのデザインがもたらす効果などを一緒に議論することや、オープンカフェ・ラボが実施した運営主体へのアンケートをシェアしツールの運営視点の整理もできるのではないかと、ガイドライン等の深度化が期待できる議論となりました。

良いプレイスを作り出す「プレイス・マネジメント」

4月から装い新たにスタートしたプレイス・マネジメント・ラボ。「プレイス・マネジメント」とは、「空間に人々の居場所としての価値を生み出し、様々な利用や活用が行われる状態を持続させるための活動」と定義しています。

そんなプレイス・マネジメントについて場の管理運営者(マネジメント主体)向けのマネジメントガイドラインの作成に向けた議論を重ねています。そこで注目すべき視点が、従来の「維持管理」だけではなく、場への想像力を養うための基礎資料であるということ。人々のアクティビティを誘発させることで、ソフト・ハードの両面から管理者が場の改善ポイントに「気づく」ヒントになればと、そのガイドラインが果たすべき役割を説明します。

パブリックスペースを居心地のよい場所にするための要素抽出として、ハードウェア/ソフトウェア/ハートウェアの3つに分類しており、ヒューマンスケールで定量的に測りずらい部分に踏み込み、評価軸をつくってみようという点にプレイス・マネジメント・ラボの魅力を感じます。

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プレイス・マネジメント・ラボ

都市空間を測り視覚化する「アクティビティリサーチ」

アクティビティリサーチ・ラボでは、都市のアクティビティの多様化に対応した調査のツールを研究し、実際の現場で適応しながらその手法を追求しています。

「アクティビティリサーチ」といっても、日常の傾向を把握する、社会実験の効果を測る、エリアのポテンシャルを評価するなど、その目的により手法やデータのとり方も異なります。今年度は、その第1段階である【測る】ことを中心に実践が重ねられてきましたが、来年度はそれをふまえた【提案】までしていきたいとの抱負も。

重なる実践でアクティビティリサーチの手法が構築されつつあるようですが、引き続きGehl調査レポートのレビューを重ね、分析や指標についても精度を高めていくとのことでした。

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アクティビティリサーチ・ラボ

ラボ・トーク3

プレイス・マネジメント・ラボ×アクティビティリサーチ・ラボ

【評価する】ということを定性的若しくは定量的と、全く逆の指標から試みる2つのラボ。お互いの手法の汎用性について、意見交換が交わされました。場を生み出すためのマネジメントのあり方を追求するプレイス・マネジメント・ラボと、既にある場所を持続させることに焦点を充てたアクティビティリサーチ・ラボ。今後、お互いの成果が上がってきた段階で2つのラボが共通の価値観でのアクティビティマネジメントの議論ができることに期待が高まります。

ソトの重要なファクターを生む研究体を目指して

半年の成果を各ラボ間でも共有できた今回の成果報告。一定の成果が出てきた今、それぞれ異なるテーマですが、共通項が見えてきて相乗効果での展開が期待できる議論ができたのではないでしょうか。ソトノバ・ラボは、より良いソトの重要なファクターを探るため、これからも実践を通した研究活動を進めていきます。

さて、次回のレポートはいよいよ最後のセッション。ウェブメディアのソトノバの1年間の記事を振り返る「ソトノバ・メディア・レビュー」と「ソトノバ・パーティ」の模様をお伝えしていきます!

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All photos  by Nozomu ISHIKAWA

概要

ソトノバ2周年記念パーティ!|ソトノバTABLE#23 

日時: 2017年11月11日 [土] 14:00~20:00

会場: Diagonal Run Tokyo(東京都中央区八重洲2-8-7 福岡ビル4F)

主催: ソトノバ

 

タイムテーブル

14:00- ソトノバ・イン
14:20 セッション1

ソトノバ・アワード 表彰式

14:30 アワード受賞者プレゼン

ソトノバ大賞/ソトノバ準大賞/ソトノバ都心賞/ソトノバ地方賞

▼受賞結果はこちら

15:10 アワードトーク「これからのソトとは?」

ソトノバ各賞受賞者

15:30 休憩
15:35 セッション2

ソトノバ・ラボ報告

タクティカル・アーバニズム・ラボ

荒井詩穂那/泉山塁威/大西春樹/小泉瑛一/西田司/原万琳/矢野拓洋/山崎嵩拓

パークレット・ラボ

石田祐也/荒井詩穂那/泉山塁威/氏川拓郎/中埜智親/三浦詩乃

○ラボ・トーク1「タクティカル・アーバニズム×パークレット」

パブリックスペースツール・ラボ

小切山孝治/小澤亮太/楠木堅曹/今野聖平/佐藤春樹/佐渡綾華/三宅眞

オープンカフェ・ラボ

佐藤春樹/泉山塁威/木村陽一/豊間友佳子/中井諒/森悠太郎

○ラボ・トーク2「ツール×オープンカフェ」

プレイス・マネジメント・ラボ

三谷繭子/遠藤友里恵/角間裕/佐渡綾華/高橋凛/日置大輔/森悠太郎/矢野拓洋

アクティビティリサーチ・ラボ

山田広明/泉山塁威/三浦魁斗/三浦詩乃/三谷繭子/宮武壮太郎

○ラボ・トーク3「プレイス・マネジメント×アクティビティ・リサーチ

16:50 休憩
16:55 セッション3

ソトノバ・メディア・レビュー

17:25 ソトノバのこれまでとこれから

ソトノバのプロセス

ソトノバ・トーク「ソトノバのこれから」

18:30 グループフォト/ソトノバ・パーティ
19:30 ソトノバ・アウト
20:00 クロージング

 

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田中翔太

田中翔太

木更津高専環境都市工学科卒業/かつて札幌オリンピックのメイン会場だった街、真駒内においてまちづくり活動に参加する傍ら、都心の余剰容積率に見るコンパクトシティの在り方について研究している。高専時代は土木工学を専攻し、建築と土木の二刀流を目指すべく修練の日々は続く。