アワード受賞者が語るソトの場とは? ソトノバ・アワード表彰式|ソトノバTABLE#23 ソトノバ2周年記念パーティ!レポート(その1)

今年の11月でソトノバは2周年を迎えました!

ウェブメディアから始まったソトノバですが、今年は自らリサーチ・アクションを行う実践チームとして「ソトノバ・ラボ 」の活動をはじめたり、日本初のソト空間全般を対象とした表彰プロジェクト「ソトノバ・アワード」を創設するなど、1年目よりもさらにパワーアップ。

そこで、「2年目のソトノバの活動の集大成を見せ、これからのソトを考える」をテーマとしたソトノバTABLEを開催!

内容は、以下の3セッション。もりだくさんのボリュームでお送りしました。

・ソトノバ・アワードの表彰式

・ソトノバ・ラボの報告会

・ウェブメディアのソトノバの1年間の記事を振り返るソトノバ・メディア・レビュー

今回は、第1セッションのソトノバ・アワード表彰式についてをレポートします。

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ソトノバTABLE#23がはじまりました!

ソトノバ編集長のあいさつを終え、まずはアイスブレイクとしてソトノバTABLE 恒例の参加者同士の自己紹介タイム、ソトノバ・インがスタート!

今回の参加者は、ソトノバTABLEに何度も足を運んでくださったり、ウェブメディアに目を通してくれているソトノバファンの方が今回は駆けつけてくれました。

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会場は、ソトノバTBALEではよく使わせていただいているDiagonal Run Tokyoにて。芝生がやっぱりソトノバにぴったりですね!

ソトノバ・アワード表彰式

参加者同士の空気も和んだところで、ソトノバ・アワードの表彰式に移ります。

第一回のソトノバ・アワードは8月10日に公募を締め切り、9つのソトノバ(事例)の応募が集まりました。

ソトノバ・アワードにエントリーした全てのプロジェクトについてはこちら

 

応募事例は応募者自身が記事にして、アワード特設サイトに掲載。それをもとに一般WEB投票と審査員による1次審査を行いました。

その後、10月14日には、学識経験者や民間のソトづくり実践者の方をゲスト審査員に迎え、ソトノバの運営に携わるメンバー等、総勢17人の審査員による公開2次審査会を経て、計5事例が4つの賞を受賞されました。

アワード2次審査の様子についてはこちら

 

審査は、共感性・独自性・デザイン性・アクティビティ・持続性の5つの評価軸を元に行われました。

ソトノバ・アワードの審査員長でもあった泉山さんは、「どの事例も空間の特性も違えば、立場も違い、評価は大変困難だった」と審査に対しての感想を話しました。

ここからは、それぞれの事例名・賞名を写真とともに受賞者のコメントをご紹介します。受賞者には、ソトノバ・トロフィーと、各団体に表彰状が送られました。

講評、審査員総評はこちら

【ソトノバ地方賞】宇部まちなかにぎわい拠点マネジメント
受賞者 ・株式会社にぎわい宇部 代表取締役 安部研一

・若者クリエイティブコンテナ(山口大学)

・宇部市

・ポレポレカフェ代表 富岡英雄

 

 

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宇部まちなか賑わい拠点マネジメント代表 株式会社にぎわい 佐々木克彦さん

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受賞コメント:

このような晴れやかな場所にありがとうございます。私たちは、大それたことをしようと思ったわけではありません。何とかして人を集めたいという思いではじめました。ここは、山口大学の学生を中心に、私たちまちづくり会社や自治体、勇気を出して関わってくれたカフェの運営者によってでき、このように受賞でき、ありがたく思います。

 

【ソトノバ都心賞】ファーストスクエアガーデン
受賞者  ・NTT都市開発株式会社

・株式会社GKデザイン総研広島

・株式会社パーク・コーポレーション

 

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ファーストスクエア代表 NTT都市開発(株)遠藤卓哉さん

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受賞コメント:

今回、ソトノバ・アワードも同じ「ファースト」ということで、受賞できることを願って応募しました。東京界隈では、オープンスペースがあまり注目されない中で、空間をつくりました。ぜひ、東京駅の目と鼻の先なので、ぜひ現地を体感していただきたいです。

 

 

【ソトノバ・準大賞】左近山みんなのにわ
受賞者  株式会社スタジオゲンクマガイ 熊谷玄

 

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左近山みんなのにわから代理で (株)スタジオゲンクマガイ渡邊聡美さん、(株)都市環境研究所 實方理佐さん

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受賞コメント:

この広場は、管理組合が主体となって動いたもので、人間関係の調整も難しかったです。ですが、それを乗り越えて受賞できたことは、活動の励みになります。3年前から管理組合の支援をする立場として関わってきました。ここの広場は、住民のみんなが知恵とお金と労力があって完成しました。このように住民の皆さんを代表してこれたことを嬉しく思います。

 

【ソトノバ・準大賞】松山市中心市街地賑わい再生社会実験「みんなのひろば」
受賞者  ・松山市長 野志克仁

・松山アーバンデザインセンター センター長 羽藤英二

 

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松山市中心市街地賑わい再生社会実験「みんなのひろば」代表 松山市役所 光永早織さん

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受賞コメント:

このような賞を授賞し、関係者一同喜んでいます。 この広場を作るにあって、そして今も、市民・大学生・民間の方など、多くの方が整備・運営に関わっています。私たちがまちのために行ったことに対して、このような評価をしていただいたことは、誇りになります。

 

【ソトノバ・大賞】多摩川『川の家』プロジェクト
受賞者  ・コマエカラー 篠塚 雄一郎

・ピタッティ  高野充吉

・コマエカラー 山本雅美

 

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多摩川『川の家』プロジェクト代表 コマエカラー 篠塚雄一郎さん、山本雅美さん

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受賞コメント:

受賞できたことにはじめはとてもびっくりしました。他のアワード受賞者とは違い、私たちは「コマエカラー」というなんの法人格もない集まりですが、地元で面白いことをしようと土日に集まっていたことがきっかけです。そんな私たちを大賞に選んだソトノバさんがすごいと思います。このような受賞に意味があると信じます。

 

授賞式のあとは、各アワード受賞者のプレゼンです。

審査・講評を終え、参加者が事例を見る視点も深まったのか、手法についてやマネジメントについての説明の際には特に、メモを取ったり、写真に記録したりする姿が多く見られました。

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アワード受賞者それぞれのプレゼンの様子

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参加者がアワード受賞者のプレゼンを聞いてメモを取ります。

クロストーク:アワード受賞者が感じる、これからのソトの可能性とは?

クロストークでは、泉山編集長とアワード受賞者が登壇しました。

アワードに応募された事例は、社会実験から時間をかけてプロセスを踏んでできた事例や、都心の事例、地方の事例と、全く異なる様々な取り組みが集まりました。

受賞者それぞれの経験を踏まえて、「ソトの可能性とは何か」「今後、それぞれのどのように発展していきたいか」などが、泉山さんから投げかけられました。

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クロストークの様子

受賞者それぞれのコメントを紹介します。

はじめに、多摩川『川の家』プロジェクトの代表として、篠塚さんが回答しました。

多摩川の横にある旅館の敷地を移動販売のバリスタさんに来てもらい、コーヒーを提供しています。ソトでコーヒーを売ることで、お客さんと自然にコミュニケーションが発生しています。スターバックスなどの店舗は、環境がよく、ごはんもおいしいですが、お客さんやバリスタとはしゃべることはあまりありません。

ソトでは風や日差しを感じ、加えて、お店だと自席に座ってしまうところを待っている間に会話しながら待つ光景がみられます。そんなところが、ちっちゃいことだけど面白いと思いました。

展開として、今はこの活動が「イベントでしょ」といわれることが多いです。私たちは、イベントをしたくて集まっているわけではなく、自分たちの生きているスタイルを若い人に興味を持ってもらえることをやりたいと思っています。地域のお祭りなどのイベントも大切だけど、もう少し自分の生活の中の延長線で、義務感のなくやれるような、子供を通じたコミュニディではなく、子育て世代の親たち自身が来たくなるような場をつくりたいです。自分たちのやりたいことのほうが続くと思います。

次に、松山市中心市街地賑わい再生社会実験「みんなのひろば」代表の光永さんはこう語ります。

広場を整備してから4年目を迎え、周辺の路地裏には新しい飲食店がオープンしたり、周辺の滞留密度が上がったり、一定の賑わいは生まれていると考えています。今後は、自立的・持続的な広場という視点から、自走できる広場運営の仕組みを考えていきたいです。

左近山みんなのにわ代表のさんは、「ハードルの低さ」がポイントであると言います。

この空間は、住民のやりたいコトのできる広場です。そのやりたいコトを持ち込んでやるというときに、どれだけハードルを低くできるかが今後のポイントだと思います。オープンイベントの時、この広場でやりたいことにやってみようということで、43団体がさまざまなアクティビティをしました。その際、近くのスポーツクラブやケーキ屋さんなどのお店も出店してくれたので、住民以外にもできる場所として提供していきたいです。

ファーストスクエア代表の中井さんは、ウチとソトの関係性について語りました。

リニューアルを考えるとき、ソトから見たとき、ソトが閑散としていると室内が賑わっていたとしても伝わらず、室内に入るという選択肢すら入りません。リニューアルするときに内部が優先されることが多いですが、建物全体の印象としてソトは大切だと思います。

空間ができたことで、OLさんが自分のシートを持ち込んで外でご飯を食べているような姿を見ると、ウチとソトが連動したときに、ソトは利用者にとって大切なシーンだと思います。実際、近くのテイクアウトできるテナントは10パーセントほど売り上げが出ている話を聞きます。

宇部まちなか賑わい拠点マネジメントの佐々木さんは、エリアイメージの変化についてコメント。

交流スペースができる前は、お母さんたちから「あそこは危ないから行っちゃいけないよ」と言われていたところが、今は、そいういう言葉は聞かれなくなったと自治会長さんが話しています。それがあそこのできた結果です。現段階は、やっている取り組みを理解してもらうためも、一生懸命にイベントをしています。

また、交流スペースから約100mぐらいのところにある街区公園を現在リニューアルしています。次のステップとして、その2つのスポットをつなぎつつ、空き家・空き店舗のテナントミックスをやっていく動きの中に、広場や公園の交流スペースや芝生広場を活用して言いたいと思ってます。

どの受賞事例も、ソトに新しい空間も生み出したことによって、利用者に愛される空間に変わっていったことが伝わってきました。

最後に、公開2次審査にもゲスト審査員として参加していただいた、東京大学准教授の中島直人さん、ハートビートプランの泉英明さんに総括していただきました。

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東京大学准教授の中島直人さん

どの事例もまぶしく、生き生きとした実践で、すべてよかったと話した中島さん。このようなアワードによって、様々な取り組みが総覧でき、かつ、お互いの情報交換ができることがメリットだと思います。

また、今回改めてアワードに受賞した事例を見ると、ソトをつくる立場が大きく3つあると思いました。

1つめは「みんな型」。松江市のみんなのひろばや宇部のまちなか賑わい拠点のような行政や商工会というパブリックな立場の人たちがすべての人を対象とした空間をつくっていたこと。

2つめは「ぼくら型」。狛江市の川の家プロジェクトのように、1つ目とは真逆の自分たちを含めたユーザーの立場が、ユーザーが始めることで関わっていく人たちが増えていったこと。

3つめは「私たち型」。左近山みんなのにわやファーストスクエアのように、利用者(ターゲット)が見えており自分たちでつくりかえることができる立場で、コモン空間を豊かにしていったこと。

それぞれたくさんの立場がありつつも、今後のソトの場もいろんな立場の人で盛り上げてほしいと思います。

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(有)ハートビートプランの泉英明さん

すべてのアワード受賞事例について、事例がユーザーを巻き込んでいる、もしくは、ユーザー自身が行っているものでした。

また、5つ中、狛江市の川の家プロジェクト以外の4つは、オーナー自身が自分たちの空間をうまく使ってイメージを変え、資産やエリア価値を高めていったいわゆる「王道派」。それが4つ集まったことはすごいことだと思います。

今まではオーナーがいて、スポンサーを呼び、そこに利用者が現れる流れでしたが、オーナー自身がユーザーを巻き込み空間を変えていっていたという点も素晴らしいことだと思います。

また、狛江市の川の家プロジェクトについては、その王道たちを抑え、大賞を取ったことにお祝いの言葉を述べられ、「自分たちの作りたい空間をつくる」ことが評価される時代になってきたと総括しました。

 

アワードを受賞された皆さん、改めて、おめでとうございました!また、ご応募くださった全事例の関係者の方々にも御礼申し上げます。

アワードを通じて、全国の様々な立場の人が「ソトノバ(ソトの場)」を盛り上げ、パブリックスペースがより豊かな場になっていることが実感できる機会でした。

私たちソトノバが知らなかった事例も集まり、このアワードの存在がより全国に広まる努力もしなければいけないことが今後の課題でもあります。

次回のアワード開催の際は、よりもっと多くの「ソトノバ」の応募をお待ちしております!

 

ソトノバ2年目の集大成はこれだけではありません!ソトノバTABLE#23のレポートは、セッション2とセッション3に続きます!次回の更新は、セッション2のソトノバ・ラボの報告についてです!乞うご期待ください!

 

All photos  by Nozomu ISHIKAWA

 

概要

ソトノバ2周年記念パーティ!|ソトノバTABLE#23 

日時: 2017年11月11日 [土] 14:00~20:00

会場: Diagonal Run Tokyo(東京都中央区八重洲2-8-7 福岡ビル4F)

主催: ソトノバ

 

タイムテーブル

14:00- ソトノバ・イン
14:20 セッション1

ソトノバ・アワード 表彰式

14:30 アワード受賞者プレゼン

ソトノバ大賞/ソトノバ準大賞/ソトノバ都心賞/ソトノバ地方賞

▼受賞結果はこちら

15:10 アワードトーク「これからのソトとは?」

ソトノバ各賞受賞者

15:30 休憩
15:35 セッション2

ソトノバ・ラボ報告

タクティカル・アーバニズム・ラボ

荒井詩穂那/泉山塁威/大西春樹/小泉瑛一/西田司/原万琳/矢野拓洋/山崎嵩拓

パークレット・ラボ

石田祐也/荒井詩穂那/泉山塁威/氏川拓郎/中埜智親/三浦詩乃

○ラボ・トーク1「タクティカル・アーバニズム×パークレット」パブリックスペースツール・ラボ

小切山孝治/小澤亮太/楠木堅曹/今野聖平/佐藤春樹/佐渡綾華/三宅眞

オープンカフェ・ラボ

佐藤春樹/泉山塁威/木村陽一/豊間友佳子/中井諒/森悠太郎

○ラボ・トーク2「ツール×オープンカフェ」プレイス・マネジメント・ラボ

三谷繭子/遠藤友里恵/角間裕/佐渡綾華/高橋凛/日置大輔/森悠太郎/矢野拓洋

アクティビティリサーチ・ラボ

山田広明/泉山塁威/三浦魁斗/三浦詩乃/三谷繭子/宮武壮太郎

○ラボ・トーク3「プレイス・マネジメント×アクティビティ・リサーチ

16:50 休憩
16:55 セッション3

ソトノバ・メディア・レビュー

17:25 ソトノバのこれまでとこれから

ソトノバのプロセス

ソトノバ・トーク「ソトノバのこれから」

18:30 グループフォト/ソトノバ・パーティ
19:30 ソトノバ・アウト
20:00 クロージング

 

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三栗野鈴菜

三栗野鈴菜

千葉大学工学部建築学科(在学中)。地元の福岡県久留米市で、久留米のまちづくり活動に参加しながら、以前の出身校・有明高専在学時には八女福島地区の歴史的市街地における近隣交流に着目し、研究を行う。ヒトやコトがウチやソトのまじりあいによってにぎわいが生まれる空間に好意を持ち、そんな空間を探し求めている。学生ならではの視線を大事にしながら、今アツいオープンスペースについて学習中。